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二次不等式が「解をもたない」条件は裏返して考える

が解をもたない」を、そのまま条件式に直そうとすると手が止まります。解が「ない」ことを書く式がないため。

そこで裏返します。 になる が 1 つもない、ということは、どの でも にならない。つまり、どの でも です。

「ない」の条件が、「すべてで成り立つ」の条件に化けました。こちらなら で書けます。

解の帯が空になる、を裏返す

数直線の上で見ます。 の解が空だということは、その反対の が数直線をまるごと埋めているということ。

2 つの範囲は、境界も含めてちょうど数直線を分け合う。片方が空なら、もう片方が全体になります。

裏返すと 4 通りの対応になる

もとの不等号によって、行き先が変わります。

解をもたない言い換え条件
つねに
つねに
つねに
つねに

不等号の向きが裏返り、等号がついていたものは外れ、ついていなかったものにはつく。

の否定は の否定は 。この入れ替わりが、判別式の側の等号にそのまま伝わっている。

canvas: 式は呼び出しにそのまま書いてください。この引数は焼けません -> drawMath(… plan.from …)

例:等号なしから始める

が解をもたない を求めます。

裏返すと「すべての実数で 」。 の係数は で正だから、残るのは のほう。

で試すと で、どの でも正。 になる は 1 つもない。 なら で、 になる。範囲の外へ出ると解が現れました。

例:等号つきから始める

が解をもたない を求めます。

裏返すと「すべての実数で 」。こんどは接することも許されないため、 になる。

を入れると で、 が解になってしまう。 点でも解があれば「解をもたない」は崩れます。等号を落とさずに としてしまうと、この を答えに含めてしまう。

例: の係数が負のとき

が解をもたない を求めます。

裏返すと「すべての実数で 」。 の係数は で、 はすでに満たされている。

なら で、 のとき にはならないので、たしかに解をもちません。

例:そんな定数が存在しない場合

が解をもたない を求めます。

裏返すと「すべての実数で 」で、そのためには がいります。ところが の係数は で正。

下に凸の放物線は、 をどれだけ大きくしても小さくしても、両端が必ず上へ伸びます。 を大きくすれば値はいくらでも大きくなり、 になる が残る。

条件を満たす は存在しません。答えが「なし」になる問題もある。

を上げていくと、放物線が持ち上がって解の帯が縮みます。 となる で接し、そこから先は解なし。

のときは接するだけで を満たす点がないため、 も答えに入ります。 の等号がここに効いている。

が解をもたない の範囲はどれですか。

__RESULT__

裏返すと「すべての実数で 」なので です。 から では で成り立ってしまい、解をもってしまいます。

「解をもつ」条件は否定をもう一度とる

が解をもつ を求めるなら、さきほどの答えの外側です。

解をもたない範囲が だったため、解をもつのはその外側です。

「もつ」と「もたない」は、 の数直線をちょうど分け合っている。境界の は「もたない」側で、そこでは放物線が接して離れません。

こちらから直接立てるなら で、。同じ範囲に着きます。

canvas: 式は呼び出しにそのまま書いてください。この引数は焼けません -> drawMath(… plan.label …)

解がちょうど 1 つになる条件

の解がちょうど 1 つになるのは、接するとき。 です。

から または

なら で、解は なら で、解は になります。

のほうでは、 でも解が現れません。接する点では値が で、 を満たさないため。等号の有無で の行き先が変わります。

が解をもたない の範囲はどれですか。

__RESULT__

裏返すと「すべての実数で 」で、 はすでに満たされています。残るのは で、 から では となり、 になって を満たしてしまいます。

まちがえやすい点

裏返すときに等号を動かし忘れる場所が 1 か所あります。

が解なし、を「」と書いてしまう形。正しくは で、接する場合も入ります。接する点では値が になり、 にはならないため、解なしのままだから。

逆に が解なし、では が正しい。接すると が現れ、 を満たしてしまいます。

もとの不等号に等号がついていれば判別式の側は等号なし、ついていなければ判別式の側に等号がつく。ちょうど入れ替わる形になっています。

言葉で「ない」と書かれたら、まず「すべてで成り立つ」に置き直す。そこまで来れば、あとは の符号と の符号を書くだけの問題になります。

解が「ない」ことを書く式はありません。そこで裏返します。$ax^2+bx+c<0$ が解をもたないのは、どの $x$ でも $\geq 0$ になるとき。「ない」の条件が「すべてで成り立つ」に化け、$a$ と $D$ で書けるようになります。裏返すと不等号の向きだけでなく等号も入れ替わり、$<0$ が解なしなら $D \leq 0$、$\leq 0$ が解なしなら $D < 0$。$2x^2+3x+k>0$ が解をもたない $k$ のように、答えが存在しない場合も扱いました。「解をもつ」条件と、解がちょうど 1 つになる条件まで。