二次式がつねに正になる条件は頂点の高さ、範囲が区切られると端も見る
下に凸の二次式でいちばん低い場所は頂点です。そこが 軸より上にあれば、残りはすべて上にある。
だから「つねに正」を確かめるには、頂点の高さを 1 つ見れば足ります。
平方完成が頂点を教える
を平方完成します。
は 以上で、いちばん小さくなるのは のとき。そこでの値が です。
最小値が で正だから、この式はどの でも正。

判別式と同じことを言っている
を平方完成すると、頂点の高さは になります。
のとき、この値が正になる条件は 。頂点が 軸より上にあることと、 軸と交わらないことが、同じ 1 つの事実の裏表になっています。
で確かめる。 で、。平方完成で求めた最小値と一致しました。
平方完成のほうは最小値そのものが手に入り、判別式のほうは符号だけが手早く決まる。どちらの道でも同じ場所に着きます。
「つねに正」と「つねに 以上」を分ける
頂点がちょうど 軸に乗っているときが境目です。
は 以上ですが、つねに正ではない。 で になるためです。
頂点が 軸より上。
頂点が 軸の上でもよい。
問題文が「正」なのか「 以上」なのかで、等号の入る場所が 1 か所変わります。
例:係数に文字が入る場合
がつねに正になる を求めます。平方完成する。
最小値は で、これが正であればよい。
判別式でも から同じ範囲に着きます。
範囲が区切られると頂点だけでは決まらない
の動く範囲に制限がつくと、話が変わります。頂点がその範囲の中にあるとは限らないため。
範囲の中に頂点があれば、頂点が最小。範囲の外にあれば、端のうち頂点に近いほうが最小になる。

例:範囲の中に頂点があるとき
が でつねに正になる を求めます。
平方完成すると で、頂点は 。この値は範囲の中にあります。
最小値は頂点の 。これが正であればよい。
で試すと で、範囲の中の最小は 。たしかに正です。
例:頂点が範囲の外にあるとき
同じ を、こんどは で考えます。
頂点の は範囲の外、それも左側。範囲の中では右上がりだから、いちばん低いのは左端の 。
範囲が違うだけで条件が から に変わりました。頂点の高さをそのまま使うと、 のような値を落とします。
で確かめます。 の頂点の値は で負ですが、 では 、 では 。範囲の中では正のままです。
が でつねに正になる の範囲はどれですか。
上に凸のときは最大値を見る
なら頂点がいちばん高い場所になります。「つねに負」を確かめるなら、頂点の高さが 軸より下かどうか。
を平方完成すると で、最大値は 。いちばん高いところで負だから、どこでも負。
見る場所が最小から最大へ移るだけで、手順は変わりません。

がすべての実数で成り立つ の範囲はどれですか。
平方完成すると で、最大値は 。いちばん高いところが負であればよいので 、つまり になります。 から としても同じ。
補足:最小値を求める問題とつながっている
「つねに正」の条件は、最小値を求めてその符号を見る作業そのものです。
範囲が実数全体なら最小値は頂点の高さ。範囲が区切られていれば、頂点が中か外かで最小の場所が移る。二次関数の最大最小で使う場合分けが、そのまま符号の判定に使えます。
範囲つきの問題で頂点の値だけを見て答えると、条件がきつくなりすぎる。窓の中のどこがいちばん低いかを、先に決めておきます。











頂点は x=3 で範囲の外、左側にあります。範囲の中では右上がりだから、最小は左端の x=4。f(4)=16−24+k=k−8 で、これが正だから k>8 です。頂点の値 k−9 を使うと k>9 になり、条件を強くしすぎます。