二次不等式と二次方程式の関係 - 因数分解から不等式の解へ

二次不等式を解く手順の中心にあるのは、対応する二次方程式を解くことです。 を解くには、まず の解を求めます。方程式の解が不等式の「境界」を与え、その境界で区切られた区間のどこで不等式が成り立つかをグラフから読み取る、というのが基本の流れです。

二次方程式の解が境界を作る

を解くことを考えます。対応する方程式 を因数分解すると で、 です。

この 2 つの解が数直線上の境界点になります。放物線 軸と交わり、この 2 点が の符号が切り替わるポイントです。

二次不等式を立てる

対応する二次方程式を解いて境界を求める

グラフの形から符号を判定して解の範囲を決める

なので下に凸です。下に凸の放物線は 2 つの交点の外側で正、内側で負になるため、 すなわち の解は または です。

因数分解と解の対応

因数分解の形から、不等式の解の形を直接読み取ることができます。(下に凸)の場合を整理します。

不等式
または

ここで としています。(正)を求めるときはグラフが 軸の上にある区間、(負)を求めるときは 軸の下にある区間を取ります。

この対応は下に凸の放物線の形を思い浮かべれば自然に導けます。下に凸なので両端が上がっていて、 軸の 2 交点に挟まれた部分だけが 軸の下に沈みます。

因数分解ができないとき

のように整数の範囲では因数分解できない場合は、解の公式を使って方程式の解を求めます。

とおくと、 の下に凸の放物線なので

が解になります。因数分解で求めたときと手順はまったく同じで、境界の値が整数から無理数に変わっただけです。

因数分解で解ける場合

のように境界が整数や有理数で表せる。計算が楽で、答えもすっきりした形になる。

解の公式を使う場合

境界が のような無理数になる。手順は因数分解と同じだが、答えの表記がやや複雑になる。

どちらの場合でも「方程式を解いて境界を求める → グラフの形で符号を判定する」という流れは共通しています。

方程式の解の個数と不等式の解

対応する方程式の解の個数は判別式 で決まり、不等式の解のパターンにも直結します。 の場合について整理します。

(異なる 2 つの実数解)

放物線は 軸と 2 点で交わります。不等式 の解は 2 つの区間に分かれ、 の解は 2 つの交点に挟まれた 1 つの区間になります。最も標準的なパターンです。

(重解)

放物線は 軸に接します。 の解は接点を除くすべての実数、 の解は存在しません。 ならすべての実数、 なら接点 1 つだけが解になります。

(実数解なし)

放物線は 軸と交わりません。 の解はすべての実数、 の解は存在しません。方程式の解がないので境界点もなく、符号が一定になります。

このように、方程式の解の個数が「0 個・1 個・2 個」のどれかによって不等式の解のパターンが分類されます。

符号の判定方法

因数分解(または解の公式)で境界を求めた後、どちらの区間が正でどちらが負かを判定する方法は複数あります。

グラフの凸の向き( の符号)から判断する
境界で区切られた区間内の適当な値を代入して符号を確認する
因数分解の各因数の符号表を作る

最も手軽なのは 1 番目の方法です。 なら下に凸で「外側が正、内側が負」、 なら上に凸で「外側が負、内側が正」と即座にわかります。

2 番目の代入法は、グラフの形が見えにくいときに有効です。たとえば で、 を代入すると となり、 の区間では正であることがわかります。

3 番目の符号表は、各因数が正か負かを区間ごとに書き出し、その積の符号を調べる方法です。因数が 3 つ以上ある高次不等式でも使える汎用的な手法で、二次不等式の段階で慣れておくと後々役に立ちます。

符号表では、数直線を方程式の解で区切り、各区間で因数の正負と積の正負を一覧にする。

のとき

二次の係数が負の場合、まず両辺に を掛けて に変換する方法と、上に凸のグラフとしてそのまま解く方法があります。

を例にとります。両辺に を掛けると となり、不等号が反転します。 で解は です。

あるいは を直接解いて とし、(上に凸)なので内側が正だと判断して同じ答えを得ることもできます。どちらの方法でも結果は同じなので、やりやすいほうを使えば問題ありません。

の解として正しいものはどれですか?

  • または
  • または
__RESULT__

を因数分解すると です。 で下に凸なので、 の解は 2 つの交点に挟まれた区間 です。