双曲線の方程式と漸近線|高校数学
双曲線は楕円と同じく二次曲線の一種だが、その形状は大きく異なる。楕円が「2 つの焦点からの距離の和が一定」であるのに対し、双曲線は「距離の差が一定」という条件で定まる曲線である。ここでは双曲線の標準形の方程式を導き、漸近線との関係を詳しく見ていく。
双曲線の標準形
2 つの焦点 と からの距離の差の絶対値が (ただし )である点 の軌跡が双曲線である。この条件を式で書くと、
となる。楕円のときと同様に と置きたいところだが、双曲線では なので符号が逆になり、 とすると が保たれる。整理すると、双曲線の標準形は次のようになる。
この式は 軸方向に開く双曲線を表しており、頂点は と の 2 点に位置する。
(符号がプラス)
(符号がマイナス)
楕円と双曲線の標準形は、第 2 項の符号が異なるだけという対称的な構造をもつ。楕円では という制約があるが、双曲線では と の大小関係に制約はない。
軸方向に開く双曲線
焦点が 軸上にある場合、標準形は と の役割を入れ替えた形になる。
この場合、頂点は と に位置し、焦点は と にある。どちらの向きでも という関係が成り立つ点は共通している。
漸近線の導出
双曲線の方程式 を について解くと、
となる。 が十分大きいとき、 と近似できるため、
に近づく。これが双曲線の漸近線であり、原点を通る 2 本の直線として表される。
| 漸近線( 軸方向) | |
| 漸近線( 軸方向) |
漸近線は双曲線が無限遠で限りなく近づくが、決して交わらない直線である。双曲線の形状を把握するうえで、まず漸近線を描いてからその内側にカーブを描く、という手順が実用的だ。
漸近線と双曲線の関係を式で理解する
漸近線の方程式 は、双曲線の方程式の右辺を に置き換えたものと一致する。すなわち、
を因数分解すると、
となり、 または が得られる。この「右辺を にすれば漸近線」という関係は、双曲線の方程式を扱ううえで非常に便利な性質である。
直角双曲線
のとき、漸近線は となり、2 本の漸近線が直交する。この特別な双曲線を直角双曲線(rectangular hyperbola)と呼ぶ。方程式は
と簡潔な形になる。直角双曲線を 45° 回転させると ( は定数)という形になり、反比例のグラフとして馴染み深い曲線と一致する。中学で学んだ反比例が実は双曲線の一種であったというのは、数学のつながりを感じさせる事実だろう。
双曲線 の漸近線はどれか。
具体例で確認する
双曲線 を考えてみよう。、 であるから、 となる。焦点は と 、頂点は と に位置し、漸近線は である。
| 4 | |
| 3 | |
| 5 | |
| 焦点 | |
| 頂点 | |
| 漸近線 |
このように、、、 の値が定まれば双曲線の全体像を把握できる。漸近線を先に引き、頂点の位置を確認してから曲線を描くと、正確なグラフが得られるだろう。
a2=9、b2=4 なので a=3、b=2 である。漸近線は y=±abx=±32x となる。