放物線の媒介変数表示と通過点|高校数学
放物線 上の点は、1 つのパラメータ を使って と表せます。この媒介変数表示は、放物線上の 2 点を扱う問題や接線の計算で威力を発揮します。
媒介変数表示の導出
放物線 上の点 について、 とおいてみます。これを元の方程式に代入すると
両辺を で割ると が得られます。したがって、放物線上の任意の点は
と書けます。パラメータ が実数全体を動くとき、この点は放物線全体を描きます。
| 方程式 | |
| 媒介変数表示 | |
| の点 | 原点 (頂点) |
| の範囲 | 軸より上側 |
| の範囲 | 軸より下側 |
の符号が 座標の符号と一致するため、放物線の上半分と下半分を の正負で自然に区別できるのが特徴です。
なぜ とおくのか
の右辺に という係数があるため、 を の倍数で表すと計算がきれいに整理されます。仮に とおくと となり、分数が残って扱いにくくなります。
となり、分数が残る
となり、分数が消えてすっきりする
媒介変数のおき方には自由度がありますが、後の計算で分数を避けられる が標準的な選択です。
媒介変数表示を使った計算例
放物線 上の 2 点 , がパラメータ , で与えられているとき、線分 の長さを求めてみます。
より なので、媒介変数表示は です。
| 点 | の値 | 座標 |
|---|---|---|
の長さは
となります。媒介変数表示を使えば、 の値を代入するだけで座標が求まるため、計算の見通しが立ちやすくなります。
焦点を通る弦(焦点弦)
放物線上の 2 点を結ぶ弦が焦点を通るとき、その弦を焦点弦(ラテン語で latus rectum の一般化)といいます。焦点弦に関して、媒介変数表示から美しい関係式が導けます。
放物線 の焦点は です。放物線上の 2 点を , とおくと、直線 が焦点 を通る条件は
であることが知られています。これを確認してみましょう。直線 の傾きは
この直線が点 を通るので、点 と で傾きを作ると
これが に等しいので
整理すると ではなく、交差相乗で
が得られました。
という条件は、楕円の焦点弦における類似の条件と比べて非常にシンプルです。放物線の媒介変数が 1 パラメータ しか持たないことが、この簡潔な関係式を生み出しています。
楕円では焦点弦の条件に の両方が絡み、式が複雑になる。
焦点弦の長さ
を使うと、焦点弦 の長さも媒介変数で表現できます。
ではなく、準線を利用する方法が簡潔です。放物線の定義から と準線の距離 、同様に なので
を代入すると
特に のとき(焦点を通り 軸に垂直な弦)、 となります。この弦は通径(ラタス・レクタム)と呼ばれ、放物線の「幅」を表す基本量です。
放物線 の通径の長さはいくつですか?
まとめ
放物線の媒介変数表示 は、 という自然なおき方から導かれます。パラメータ を使うと、放物線上の点の座標計算が簡潔になるだけでなく、焦点弦の条件 のような代数的に美しい関係式も得られます。2 点を扱う問題では、座標を直接使うよりも媒介変数で処理する方が見通しよく解けることが多いので、この表示に慣れておくと入試問題への対応力が高まるでしょう。
4p=12 より p=3 です。通径の長さは 4p=12 となります。