位置ベクトルで内分点・外分点を求める - 高校数学の公式整理
座標平面上の点を扱うとき、原点からのベクトルを「位置ベクトル」と呼びます。位置ベクトルを使うと、線分の内分点や外分点の座標を公式的に求めることができます。
位置ベクトルとは
点 の位置ベクトルとは、原点 から点 へ向かうベクトル のことです。これを と書きます。同様に点 の位置ベクトルを とします。
位置ベクトルの利点は、2 点間のベクトルを位置ベクトルの差で表せることです。
この関係が内分点・外分点の公式の出発点になります。
内分点の位置ベクトル
線分 を に内分する点 の位置ベクトル は
で求まります。 と の位置に注意が必要で、 側の比 が の係数に、 側の比 が の係数になります。
この「逆に掛ける」構造は、 が に近いほど の影響が大きくなることから理解できます。 で が小さいとき は 寄りになり、 の係数 が相対的に大きくなるのは だからです。つまり係数の大小と近さが対応しています。
比が小さい側の点に近づき、その点の位置ベクトルの係数が大きくなる関係。
内分点の公式の導出
点 が線分 を に内分するとは、 が成り立つことです。これをベクトルで書くと
、 を代入すると
導出過程を追うと、係数が「逆に掛かる」理由が自然に見えてきます。
中点は内分点の特別な場合
線分 の中点は の内分点なので
になります。これは 2 つの位置ベクトルの平均です。
外分点の位置ベクトル
線分 を に外分する点 の位置ベクトル は
で求まります。内分の公式と比較すると、 の符号がマイナスになり、分母が から に変わっています。
分母は和、係数はすべて正
分母は差、 の係数が負
外分点が線分の延長上にあることを考えると、一方の係数がマイナスになるのは直感的にも納得できます。点 は から見て の向こう側( のとき)、または の手前側( のとき)に位置するため、 を「引く」方向に働く必要があるのです。
例題 1:内分点の座標を求める
、 を結ぶ線分を に内分する点 の座標を求めます。
位置ベクトルを 、 として公式に代入します。
よって です。 は と の間にあり、 寄りの位置にあることが座標からも確認できます。
例題 2:外分点の座標を求める
、 を結ぶ線分を に外分する点 の座標を求めます。
の外分なので、 は の先の延長線上に位置しています。 よりも 座標・ 座標ともに大きい値になっており、確かに の向こう側にあることが確認できます。
例題 3:内分点から比を逆算する
、、 が一直線上にあり、 が線分 を に内分しているとき、 を求めます。
、 なので
より、 です。
公式で検算すると
確かに の座標と一致します。
、 を結ぶ線分を に内分する点の座標はどれですか?
内分・外分を統一的に扱う見方
外分点の公式を暗記するのが負担であれば、「外分は比の一方を負にした内分」と捉えることもできます。 の外分は の内分と同じ結果を与えるため、内分の公式
で を に置き換えれば
となり、外分の公式がそのまま出てきます。公式を 1 つだけ覚えて、外分のときは符号を変えるという運用が実用的です。
内分点の公式 p=m+nna+mb に m=1、n=2 を代入すると p=32(3, 1)+1(9, 7)=3(6, 2)+(9, 7)=3(15, 9)=(5, 3) です。A 寄りの位置にあることも確認できます。