空間ベクトルの内積と 2 直線のなす角 - 高校数学での計算
平面ベクトルの内積は 2 次元の成分で計算しますが、空間ベクトルでは 3 次元に拡張されます。計算の構造は同じで、成分が 1 つ増えるだけです。空間での内積を使うと、2 直線のなす角を座標から直接求めることができます。
空間ベクトルの内積
、 の内積は
で定義されます。平面の場合の に第 3 成分の積 が加わった形です。
なす角 ()との関係も平面と同様で
が成り立ちます。空間ベクトルの大きさは
です。
なす角の求め方
2 つのベクトルのなす角 は内積の定義式を変形して
で求まります。計算手順は平面の場合とまったく同じで、成分が 3 つに増えただけです。
内積を成分で計算する
2 つのベクトルの大きさを求める
の式に代入して角度を得る
空間での垂直条件と平行条件
平面の場合と同じく、空間でも内積がゼロなら垂直、一方が他方の実数倍なら平行です。
、すなわち
平行条件は平面のときの「たすき掛けの差がゼロ」ではなく、3 つの成分比が一致するかどうかで判定します。成分が 3 つになると 2 つの「たすき掛け」が必要になるため、成分比で確認するほうが実用的です。
例題 1:空間ベクトルのなす角
、 のなす角 を求めます。
内積は
大きさはそれぞれ
よって
です。この値は有名角にはなりませんが、 なので の鋭角であることがわかります。
例題 2:垂直になる成分を求める
と が垂直であるとき、 の値を求めます。
垂直条件 より
検算すると で確かに垂直です。
2 直線のなす角
空間内の 2 直線のなす角は、それぞれの方向ベクトルのなす角として求めます。ただし、直線のなす角は 以上 以下で定義される点に注意が必要です。
ベクトルのなす角 は から の範囲を取りますが、直線には向きがないため、 のときは を採用します。実際の計算では の絶対値を取れば済みます。
たとえば と のなす角が のとき、 ですが、直線のなす角は です。 なので、絶対値を取ることで直線のなす角が正しく得られます。
ベクトルの向きを逆にすれば鋭角側の角が現れるため、絶対値で処理できる。
例題 3:2 直線のなす角を求める
直線 の方向ベクトルが 、直線 の方向ベクトルが のとき、2 直線のなす角 を求めます。
内積は
大きさは
ベクトルのなす角の余弦は
より ですが、直線のなす角は 以下なので
あるいは から直接 と求めることもできます。
例題 4:座標で与えられた 2 直線のなす角
点 、 を通る直線と、点 、 を通る直線のなす角を求めます。
方向ベクトルはそれぞれ
内積は
大きさは
です。内積が正なのでベクトルのなす角は鋭角であり、絶対値を取っても結果は変わりません。
と のなす角 について、 の値はどれですか?
空間の内積で注意する点
空間ベクトルの内積計算で間違いやすいのは、第 3 成分の符号の処理です。 の項は平面にはなかったため、計算途中で符号ミスが起きやすくなります。各成分の積を個別に書き出してから合計する習慣をつけると、ミスを減らせます。
また、2 直線のなす角を求めるときに の絶対値を取り忘れると、 を超える角度を答えてしまうことがあります。「直線には向きがない」という点を意識して、最後に絶対値の処理を確認することが大切です。
内積は 1×2+(−1)×1+1×(−1)=2−1−1=0 です。内積がゼロなので cosθ=0、つまり θ=90° で 2 つのベクトルは垂直です。