三角比とは、直角三角形の辺の関係を表したものです。三角比を考えるときは、(下図のように)直角三角形の直角を右下に置いて考えましょう。
三角比はsin、cos、tanの三つがありますが、一度に覚えるのでなく、sinとcosだけをまずは覚えるようにしましょう。
sinとcos(サインとコサイン)

三角比1
斜辺 : c
高さ : a
底辺 : b
図にあるようにsinとcosを定義します。sinはサイン、cosはコサイン、θはシータと読む。

三角比2
三角比ではルート2とルート3がよく出てくる。三角形は図のように直角の点が右下、斜辺が左上にくるようにします。
sin = 高さ/斜辺
cos = 底辺/斜辺
tan(タンジェント)

三角比3
tanはタンジェントと読み、高さ/底辺で求める。
鋭角におけるsin、cos、tanの値
三角比 | 30° | 45° | 60° |
---|---|---|---|
sin | 1/2 | 1/√2 | √3/2 |
cos | √3/2 | 1/√2 | 1/2 |
tan | 1/√3 | 1 | √3 |
sin、cos、tanの日本語訳
sin、cos、tanはそれぞれサイン、コサイン、タンジェントと読みますが、日本語訳もついています。
英語 | 読み方 | 日本語 |
---|---|---|
sin | サイン | 正弦 |
cos | コサイン | 余弦 |
tan | タンジェント | 正接 |
30度、45度、60度以外の中途半端な角のサイン・コサインは求められるか?
sin30°などの値を求めてきましたが、sin71°といった中途半端な角のサインは求められるでしょうか?
結論からいうと求められます。ただし高校数学の範囲では求められない角のほうが多く、71度などの中途半端な角度のサインは基本的に求められないと考えてもだいじょうぶです。
三角比の表(sin cos tan 30° 45° 60° 120°…の値)
三角比の公式

三角比4

三角比5
「サインとコサインを2乗して足すと1になる」「サインをコサインで割るとタンジェントになる」の二つの公式が重要です。他にもいろいろな公式・定理がありますが、すべてはこの二つの公式をもとにしています。
三角比に慣れてきた人のために
上にあげた「サインとコサインを2乗して足すと1」という公式は、実は三平方の定理そのものです。三角比とは、形を変えた三平方の定理といえます。
三平方の定理をもう少しわかりやすく、使いやすくするためにサインとコサインという道具があります。中学と高校でやっていることは本質的に同じと考えられます。
中学 → 三平方の定理
高校 → 三角比
三平方の定理 : 三辺の二乗の関係
三角比 : 三辺の比の関係