定積分の区間を分割・結合する性質 - 高校数学Ⅱ
定積分には、積分区間を途中で分割したり、逆に 2 つの区間を 1 つにまとめたりできる性質があります。この性質は面積の計算で自然に使われるほか、絶対値を含む関数の積分など、区間ごとに式が変わる場面で欠かせません。
区間の分割公式
のとき、次の等式が成り立ちます。
区間 での積分は、途中の点 で 2 つに分けてそれぞれ積分した結果を足し合わせたものと一致する、という意味です。
なぜ成り立つのか
を の原始関数とします。定積分の定義から、右辺を計算すると、
ここで が打ち消し合い、
となります。途中の が消えるという構造がこの公式の本質です。
区間 を一気に積分する
区間を と に分けてそれぞれ積分し、結果を足す
どちらも同じ値になるので、計算しやすい方を選べます。
面積のイメージ
の場合、定積分は曲線と 軸にはさまれた領域の面積を表します。区間 の面積を の位置で縦に切ると、左側の面積と右側の面積に分かれます。それぞれが と に対応しており、2 つを足せば全体の面積に戻ります。面積を切って足すという直感的な操作が、そのまま数式に反映されています。
3 つ以上への分割
分割は 2 つに限りません。 のとき、
のように 3 つ以上に分割することもできます。2 分割の公式を繰り返し適用するだけなので、特別な証明は不要です。
計算例:区間の分割
を で分割して確認してみます。
どちらも 24 になり、分割公式が確かに成り立っていることがわかります。
実践的な使い方:場合分けが必要な関数
区間の分割が本当に役立つのは、区間の途中で関数の式が変わる場合です。典型的なのは絶対値を含む関数の積分で、絶対値の中身が 0 になる点で区間を分割します。
を考えます。 となるのは なので、ここで区間を分割します。
区間の分割公式を使うと、
それぞれ計算します。
よって です。
このように、絶対値の中身の符号が切り替わる点で区間を分ける手法は、区間分割の最も実践的な使い方です。
絶対値の中身が 0 になる の値を求め、その点を境に場合分けして積分する。
区間の結合
分割の逆方向、つまり 2 つの積分を 1 つにまとめることも同じ公式でできます。
2 つの積分の「つなぎ目」が一致していれば(上の例では )、1 つの積分にまとめられます。式の見通しがよくなる場面で活用できます。
を計算するとき、区間をどこで分割しますか?
∣x−2∣ の中身が 0 になるのは x=2 です。x<2 で ∣x−2∣=−x+2、x≥2 で ∣x−2∣=x−2 となるため、x=2 で区間を [0,2] と [2,4] に分割して計算します。答えは ∫02(−x+2)dx+∫24(x−2)dx=2+2=4 です。