不定積分の和・差・定数倍の公式 - 高校数学Ⅱ

不定積分には、和・差・定数倍に関する便利な公式があります。これらは微分の線形性とちょうど対応しており、複雑な式の積分を部分ごとに分けて計算する基本テクニックになります。

定数倍の公式

関数 の不定積分がわかっているとき、 を定数倍した の不定積分は次のように求まります。

ここで は 0 でない定数です。定数は積分の外に出せる、と覚えておくとシンプルです。

なぜこれが成り立つのかを確認します。 の原始関数とすると です。ここで を微分すると、

となり、 の原始関数であることがわかります。つまり を積分した結果は を外に出して を積分したものと一致します。

定数倍の例 1

定数倍の例 2

和の公式

2 つの関数 の和の不定積分は、それぞれの不定積分の和に等しくなります。

これも微分で確認できます。 をそれぞれ の原始関数とすると、

が成り立つため、 の原始関数です。積分をバラバラに分けて計算してよい、というのがこの公式のポイントになります。

差の公式

和の公式と同様に、差についても成り立ちます。

和の公式で に置き換えれば導けるので、独立した公式というよりは和の公式の自然な拡張です。

3 つの公式をまとめて使う

実際の計算では、定数倍・和・差の 3 つの公式を組み合わせて使います。多項式の積分は各項をバラして 1 つずつ計算する、という流れが基本です。

やること

多項式を項ごとに分解し、各項の定数を外に出してべき乗の積分公式を適用する

注意すること

積分定数 は最後に 1 つだけつける。各項に と書く必要はない

具体的な計算例を見ていきます。

計算例

を計算します。まず和と差の公式で 3 つの項に分けます。

次に定数倍の公式で定数を外に出します。

べき乗の積分公式 を適用すると、

もう 1 つ計算してみます。 の場合も同じ流れです。

慣れてくると、項ごとの分解と定数の括り出しを頭の中で処理し、いきなり結果を書けるようになります。

検算の方法

積分の結果が正しいかどうかは、答えを微分して元の関数に戻るかで確認できます。上の例で得た を微分すると、

となり、もとの被積分関数と一致します。不定積分の計算では符号や係数のミスが起きやすいので、微分による検算はとても有効です。

の結果として正しいものはどれですか?

__RESULT__

です。最初の選択肢は微分の結果、2 番目は定数倍の処理を忘れたもの、最後は定数項 5 の積分を忘れたものです。