2つの曲線にはさまれた領域の面積を求める - 高校数学Ⅱ
1 つの曲線と 軸にはさまれた面積は定積分で求められますが、2 つの曲線にはさまれた領域の面積も同じ考え方で計算できます。「上の曲線から下の曲線を引いて積分する」という手順が基本です。
2 曲線間の面積の公式
区間 で常に が成り立つとき、 と にはさまれた領域の面積 は次の式で求まります。
は 2 つの曲線の縦方向の距離を表しており、それを から まで積み上げたものが面積になります。
軸は なので で計算する
軸の代わりに が下側の境界になるので で計算する
実は 1 曲線と 軸の場合は、 とした特殊ケースにすぎません。2 曲線間の公式のほうがより一般的な形です。
なぜ「上から下を引く」のか
面積は常に正の値です。区間 で のとき、 が保証されるので、積分結果は自動的に正になります。もし上下を逆にして を積分すると、値が負になってしまいます。「上の関数 下の関数」の順番を間違えないことが大切です。
計算の手順
2 曲線間の面積を求める手順は、次の流れで進めます。
2 つの曲線の交点を求める(連立方程式を解く)
区間内でどちらが上にあるか判定する
「上 下」を積分して面積を求める
交点の 座標が積分区間の端点になり、上下の判定で被積分関数の符号が決まります。
計算例 1:放物線と直線
と にはさまれた面積を求めます。
まず交点を求めます。 を整理すると 、つまり なので です。
次に区間 でどちらが上にあるかを確認します。たとえば を代入すると は 、 は なので、 です。直線のほうが上にあります。
したがって面積は、
この と で囲まれた面積 は、実は 1/6 公式を使っても同じ結果になります。
に 、 を代入すると で一致する。
計算例 2:2 つの放物線
と にはさまれた面積を求めます。
交点は から 、 なので です。
を代入して上下を判定します。、 なので、 のほうが上です。
面積は です。
上下が入れ替わる場合
区間の途中で 2 曲線の上下が入れ替わることがあります。その場合は、交点で区間を分割し、それぞれの区間で「上 下」を正しく設定して積分します。
と にはさまれた面積を考えます。交点は から 、 です。
区間 で を代入すると、、 なので が上です。この区間では上下の入れ替わりはありません。
もし上下が途中で入れ替わるケースでは、交点ごとに区間を区切って計算し、各区間の面積を足し合わせます。定積分の区間分割の性質がここでも活きてきます。
交点で決まる区間全体で 1 回積分すれば済む。
入れ替わる点で区間を分割し、各区間で上下を正しく判定してそれぞれ積分する。最後に足し合わせる。
絶対値を使った書き方
上下の判定が面倒なとき、絶対値を使って次のように書くこともできます。
は 2 曲線の距離そのものなので、上下の判定を省略できます。ただし実際に計算するときは、結局絶対値を外すために場合分けが必要になるので、手間が減るわけではありません。答案に方針を示すときの表現として便利です。
と にはさまれた面積を求めるとき、最初にすべきことは何ですか?
- とりあえず を計算する
- を解いて交点の 座標を求める
- を代入してどちらが上か調べる
- 両方の関数を微分する
交点の x 座標が積分区間の端点になるため、まず連立方程式 x2=x+2 を解きます。x2−x−2=0 から (x−2)(x+1)=0 で x=−1,2 が得られます。区間 [−1,2] で上下を判定し、∫−12(x+2−x2)dx=29 が面積です。