log2x+log2(x−2)=3 を解くと、途中で x=4 と x=−2 の 2 つが候補になります。答えは x=4 だけ。
x=−2 を最初の式に入れると log2(−2) が現れます。真数が負なので、そもそも式が書けません。
余計な解は不注意で生まれるのではなく、変形の途中で入り込みます。どこで入るかを先に見ておきます。
対数をはずす 2 つの道
対数の方程式を解く手順は 2 通りです。どちらを選ぶかは、両辺の形で決まります。
両辺が同じ底の対数
logaS=logaT の形。真数どうしを等しくおいて S=T とする
片方が数だけ
logaS=c の形。定義に戻して ac=S とする
前者の例が log2(x+3)=log2(5x−1) で、x+3=5x−1 から x=1。
後者なら log3x=2 で x=32=9[2]。2log5x+3=7 のような形は、まず log5x=2 まで整理してから外します。
対数が 1 つだけ残る形に整理してから外す。これが共通の流れです[1]。
真数条件は解く前に書く
log2x+log2(x−2)=3 では、最初の式の時点で x>0 と x−2>0 が必要です。
2 つを合わせて x>2。この範囲の外にある値は、どんな計算をしても答えになりません[3]。
先に書いておくと、あとから捨てる作業が「確かめ」ではなく「照らし合わせ」になります。
積の法則で log2x(x−2)=3 とまとめ、x(x−2)=8 から x2−2x−8=0、(x−4)(x+2)=0。
x=4 と x=−2 のうち、x>2 を満たすのは x=4 です。
余計な解はどこで生まれるか
log2x+log2(x−2) と log2(x(x−2)) は、いつでも同じ式ではありません。
左が書けるのは x>0 かつ x>2、つまり x>2 のとき。右が書けるのは x(x−2)>0 のときです。
x(x−2)>0 は x<0 または x>2。まとめた瞬間に、x<0 の側が増えています。
logaM+logaN=loga(MN)(M>0, N>0)
法則が成り立つ条件を落として使うと、式が書ける範囲が広がる。x=−2 は、その増えた側にある値です。
実際 x=−2 では x(x−2)=8 となり、まとめたあとの式は成り立ちます。もとの式だけが成り立たない。
上の帯にない値は捨てます。理由まで見ておくと、捨てる場面を見落としません。
例:両方とも残る場合
log6(x+4)+log6(3−x)=1 を解きます。真数条件は x>−4 かつ x<3 で、−4<x<3。
まとめて (x+4)(3−x)=6。展開すると −x2−x+12=6 となり、x2+x−6=0 です。
(x+3)(x−2)=0 から x=−3、x=2。どちらも −4<x<3 の中にあります[1]。
答えは 2 つとも。捨てる解が必ず出るわけではありません。範囲と照らして残ったものを、そのまま並べます。
例:底がそろっていないとき
log2x+log4x=6 を解きます。底が 2 と 4 で混ざっています。
底の変換公式で log4x=log24log2x=21log2x[4]。
log2x+21log2x=23log2x=6
log2x=4 から x=16。真数条件は x>0 だけなので、そのまま答えになります。
そろえる先は小さいほうの底が扱いやすい。4 にそろえると log4x の係数に分数が残ります。
例:置きかえて二次方程式にする
(log2x)2−3log2x+2=0 は、log2x のかたまりが 2 回出てきます。
t=log2x と置くと t2−3t+2=0、(t−1)(t−2)=0 から t=1、t=2。
t には範囲の制限がありません。log2x は実数全体を動くので、どちらの t も使えます。
log2x=1 から x=2、log2x=2 から x=4。真数条件 x>0 も満たします。
指数の置きかえでは t>0 が付きました。対数の置きかえでは付きません。値域が違うためです。
例:底のほうに文字がある
logx9=2 を解きます。文字が真数ではなく底に入っている形です。
定義に戻すと x2=9 となり、x=3 または x=−3。ここで底の条件が効きます。
対数の底は正でなければならず、1 でもいけません[3]。x>0 かつ x=1 から、答えは x=3。
底に文字があるときは、真数条件だけでなく底の条件も書き出します。落とす条件が 1 つ増える形です。
logx16=4 なら x4=16 から x=2。x=−2 は底の条件で外れます。
例:文字が両側にある
log3(x−1)=log9(x+1) を解きます。底が 3 と 9 なので、まず 9=32 にそろえる。
log9(x+1)=2log3(x+1) なので、両辺を 2 倍して 2log3(x−1)=log3(x+1)。
左を log3(x−1)2 にまとめると (x−1)2=x+1、展開して x2−3x=0 から x=0、x=3。
真数条件は x−1>0 かつ x+1>0 で x>1。残るのは x=3 です。
ここでも 2log3(x−1)=log3(x−1)2 の変形が範囲を広げています。x<1 でも右辺は書けるためです。
log5(x−1)+log5(x+3)=1 の解はどれですか。
__RESULT__
真数条件は x>1 です。まとめて (x−1)(x+3)=5 から x2+2x−8=0、(x+4)(x−2)=0 となり x=−4、x=2。範囲に残るのは x=2 だけです。
logx25=2 の解はどれですか。
__RESULT__
定義から x2=25 となり x=5、x=−5 が出ます。底は正で 1 以外という条件があるので、x=−5 は外れます。
条件を先に書き、法則でまとめ、最後に照らす。この順番なら、余計な解を持ち帰る場面がなくなります。
出典
Logarithmic Equations and Inequalities/06%3A_Exponential_and_Logarithmic_Functions/6.04%3A_Logarithmic_Equations_and_Inequalities). Stitz C, Zeager J. Precalculus, Mathematics LibreTexts. Logarithmic function. Encyclopedia of Mathematics.
$\log_{2} x + \log_{2}(x-2) = 3$ を解くと $x = 4$ と $x = -2$ が出て、残るのは $x = 4$ だけ。$x = -2$ は不注意から出た値ではありません。$\log M + \log N = \log(MN)$ とまとめた瞬間、式が書ける範囲が $x > 2$ から $x < 0$ の側へ広がり、増えた枝に落ちた値がこれです。真数条件を最後の確認ではなく最初の一行として書く手順、底が $2$ と $4$ で混ざるときの変換、置きかえた $t$ に範囲が付かない理由、底のほうに文字がある場合に増える条件まで。
真数条件は x>1 です。まとめて (x−1)(x+3)=5 から x2+2x−8=0、(x+4)(x−2)=0 となり x=−4、x=2。範囲に残るのは x=2 だけです。