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指数関数のグラフと性質(底が 1 より大きいときと小さいとき)

の値を並べると、 が 増えるごとに 倍になります。

一次関数なら が 増えるごとに一定の数が足されます。指数関数では一定の数がかかる。

差が一定か、比が一定か。この違いだけで、グラフの形も、 軸との関係も、増え方の速さも決まります。

どの底でも同じ点を通る

なので、 は底が何であっても を通ります[2]。

も も も、この 1 点で交わる。

での値は なので、 も通ります。底そのものがグラフに現れる点です。

だから 2 点さえ読めれば底が決まる。 と を通る指数関数は しかありません。

底が向きを決める

底が より大きいか小さいかで、増える一方か減る一方かが分かれます[3]。

のとき

右上がり。 を増やすと は限りなく大きくなり、 を減らすと に近づく

のとき

右下がり。 を増やすと に近づき、 を減らすと限りなく大きくなる

底が の場合は という横線になるので、指数関数から外します。 かつ が約束です。

底が負の数だと、 のような値で実数にならない。だから底は正に限ります。

軸には近づくだけで届かない

はいつでも正の値です[3]。 のように小さくはなりますが、 にはなりません。

そのため 軸が漸近線になる。値域は で、定義域のほうは実数全体です[1]。

が 軸と交わらないことは、 に解がないことと同じ内容を言っています。

グラフに角や切れ目もありません。 は連続でなめらかにつながります[2]。

軸で折り返すと底が逆数になる

です。 を に替える操作は、 軸に関する折り返しにあたります。

つまり と は 軸について対称。片方を描けばもう片方も描けます。

底が逆数の関係にある 2 つは、いつでもこの関係になる。 と も同じです。

右下がりのグラフは、右上がりのものを 軸で裏返した形になります。

縦に伸ばすのと横にずらすのは同じこと

は、 を縦に 倍したグラフです。ところが指数法則から 。

は を左へ ずらしたグラフでもあります。同じ 1 本の曲線に、2 通りの説明が付く。

一般に、縦に 倍する操作は横に だけずらす操作と一致します。二次関数では起こらないことです。

なら だから左へ 。 なら右へ ずれます。

平行移動すると漸近線も動く

は、 を 方向に 、 方向に だけ動かしたグラフです。

縦に動かした分だけ漸近線もずれます。 だった漸近線が へ移り、値域は になる[1]。

なら、漸近線は 。 のとき なので を通ります。

横の移動では漸近線が動きません。 軸との位置関係は変わらないためです。

軸との交点は動きます。 に を入れると 。

どんな多項式よりも速く増える

と を比べると、しばらくは が圧倒します。 で に対し は 100 億。

それでも追い越されます。底が より大きければ、指数関数はどんな次数の多項式もいつかは上回ります[4]。

指数関数の増え方は、どんな次数の多項式よりも速い。順位が入れかわるのは と のあいだです。

に対し 。ところが 、。

一度追い越したあとは差が開く一方になります。 では が のおよそ 127 億倍。

底が より小さい側では、同じことが への近づき方の速さとして現れます。

の漸近線はどれですか。

__RESULT__

縦の移動が なので、漸近線は から へ下がります。横の移動 では漸近線が動きません。値域は です。

は をどう動かしたグラフですか。

  • 右へ
  • 左へ
  • 上へ
__RESULT__

なので です。 を に替える操作は左への平行移動なので、左へ 動かした形になります。

通る点も、向きも、漸近線も、増え方の速さも、比が一定という 1 行につながっています。

参考文献

Graphs of Exponential Functions. College Algebra 2e, OpenStax.
Introduction to Exponential and Logarithmic Functions/06%3A_Exponential_and_Logarithmic_Functions/6.01%3A_Introduction_to_Exponential_and_Logarithmic_Functions). Stitz C, Zeager J. Precalculus, Mathematics LibreTexts.
Exponential function. Encyclopedia of Mathematics.
Croissances comparées. Université en ligne, UNISCIEL.
一次関数は $x$ が $1$ 増えるごとに一定の数が足され、指数関数では一定の数が掛かります。差が一定か比が一定か。この違いだけで、$(0, 1)$ を必ず通ることも、$x$ 軸に近づくだけで届かないことも、底が $1$ をまたぐと向きが変わることも決まる。縦に $k$ 倍する操作が横に $\log_{a} k$ ずらす操作と同じになるのは指数関数だけの事情で、$y = 4 \cdot 2^{x}$ は $y = 2^{x}$ を左へ $2$ 動かした形になります。平行移動で漸近線がどう動くか、$2^{x}$ が $x^{10}$ を追い越す位置がどこかまで。