自然対数の底 e とは何か

数学で最も重要な定数の一つに、ネイピア数 (自然対数の底)があります。 という無理数で、指数関数や対数関数を扱う上で特別な役割を果たします。

の定義

は次の極限で定義されます。

を大きくしていくと、この値は一定の数に近づきます。

なぜ が特別なのか

を微分すると となります。

底が のとき、 なので、

つまり「微分しても変わらない」という驚くべき性質があります。

自分自身が導関数

は自分自身の導関数であり、自分自身の原始関数でもあります。この性質のおかげで、微分方程式を解くときに が頻繁に登場します。

自然対数

底が の対数 を自然対数と呼び、 と書くこともあります。

複利計算との関係

の定義は複利計算から生まれました。

年利 100% で 1 年間運用するとき、複利の回数を増やすとどうなるでしょうか。

年 1 回複利

回複利

複利回数を無限に増やすと、元金 1 円は 円に収束します。これを連続複利と呼びます。

の小数展開

は無理数であり、超越数でもあります。

覚え方として「鳴くよウグイス、二羽二羽しんじゃ死、よごく二むくさ(2.7 1828 1828 45 90 45)」という語呂合わせがあります。

数学Ⅲでの扱い

数学Ⅱでは はあまり登場しませんが、数学Ⅲでは の微分・積分が重要になります。

は自然対数)

他分野への応用

は数学だけでなく、自然科学や経済学でも頻繁に現れます。

放射性物質の崩壊:
人口増加モデル:
電気回路の過渡現象
確率分布(正規分布、ポアソン分布)

が「自然」対数と呼ばれるのは、このように自然界のいたるところに現れるからです。