対数不等式は定義域と重ねて答える|高校数学の指数・対数関数
の解は です。 だけでは足りません。
不等式を解いて出る範囲と、対数が書ける範囲。この 2 つの重なりが答えになります[3]。
方程式なら、出た値を範囲と照らして残すだけで済みました。不等式では範囲どうしを重ねる作業になる。
もう 1 つ、方程式にはなかった分かれ道があります。底が より小さいと不等号の向きが入れかわる。
向きは底で決まる
なら 。向きはそのまま真数へ移る
なら 。向きが入れかわる
底が より大きい対数関数は増える一方なので、値の順序が真数の順序とそろいます[1]。
底が より小さいと減る一方になり、順序が逆に写る。グラフの向きがそのまま規則になっています。
定義域は解く前に書く
では、 から が最初に決まります。
そのうえで と書き直す。底が より大きいため向きはそのままで、 から 。
重ねて です。 を最初の式に入れると になり、式として成り立ちません。
定義域を書き忘れると、左端が閉じないまま答えになります。図の 1 段目を使わなかった状態です。
例:底が より小さいとき
を解きます。定義域は から 。
右辺を同じ底の対数に直します。 なので です。
底が より小さいので向きが入れかわり、 から 。定義域と重ねて になります。
底を に直しても答えは同じ。 なので、、両辺を 倍して 。
不等号を裏返す場面が、対数のところか数の計算のところかに移るだけです。どちらか一方でだけ裏返す。
例:両辺が対数
を解きます。定義域は かつ 。
前者から 、後者から なので、重ねて です。
底 は より大きいから向きはそのまま。 から 。
定義域 と重ねると が答えです。今回は定義域のほうが広く、結果に効きませんでした。
効かない場合もありますが、書かずに済ませるわけにはいきません。効くかどうかは重ねてみるまで分からないためです。
例:置きかえて二次不等式にする
を解きます。定義域は です。
と置くと 、 から または [1]。
を戻します。 から 、 から 。
定義域 と重ねて、答えは または です。
戻すときも底の向きが効きます。もし底が なら は になる。

例:法則でまとめる形
を解きます。定義域は かつ で、。
積の法則でまとめると 、つまり です。
から となり 。
定義域と重ねて が答えになります。まとめる操作でも範囲が広がるので、定義域が効いています。
方程式のときと同じ場所です。 が使えるのは かつ のときだけ[2]。
例:定義域が 2 つに割れる
を解きます。真数が二次式なので、定義域が 1 本の区間になりません。
から または 。この時点で数直線が 2 つに分かれます。
不等式のほうは で、底が より大きいから 。 から です。
重ねると または 。 はおよそ なので、幅の狭い区間が左右に 1 つずつ残ります。
定義域を書き落とすと、答えが という 1 つの区間になってしまいます。真ん中の では対数そのものが書けません。
グラフで確かめる
を図で見ると、 が横線 より下にある範囲を探す作業になります。
交点は 。左へ行くほど値が下がるので、 の側が条件を満たす。
ただし曲線が引かれているのは から先だけです。左端は で切れており、その手前には何もありません。
図の上では定義域を忘れる余地がない。描かれていないところは、選びようがないためです。
式だけで進めると、この「描かれていない部分」が見えなくなる。定義域を先に書く手続きは、それを文字で押さえておく作業にあたります。
例:底に文字があるとき
を、 の値で分けて解きます。定義域は です。
なので、比べる相手は 。ここから底の位置で 2 通りに分かれます。
のときは向きがそのままで 、つまり 。定義域は自動的に満たされます。
のときは向きが入れかわって 、。定義域 と重ねて 。
答えの形そのものが変わる。底に文字が入る問題では、場合分けがそのまま解答の組み立てになります。
の解はどれですか。
の解はどれですか。
定義域は です。まとめて から 、 より 。定義域と重ねて が残ります。
定義域を書く、底で向きを決める、最後に重ねる。対数不等式は、この 3 つの順序で進みます。










定義域は x+1>0 から x>−1 です。−1=log313 で底が 1 より小さいため向きが入れかわり、x+1≦3 から x≦2。重ねて −1<x≦2 になります。