対数関数のグラフと性質〜指数関数を y = x で折り返した形
の値を並べると、 が 倍になるたびに が ずつ増えます。
左の列はかけ算で進み、右の列は足し算で進む。この対応が対数関数のすべてです。
という法則も、表を横に読んだだけの内容になります[4]。
指数関数を裏返した形
は「 を何乗すると になるか」を答える関数です。 と同じ内容を、 について書き直したもの[3]。
と の役割を入れかえただけなので、グラフは直線 に関して と対称になります。
が 上にあれば、 が 上にある。座標を入れかえるだけで移れます。
片方のグラフが描けていれば、もう片方は折り返しで描けます。
指数関数が縦軸で になる点は、対数関数では横軸の にあたります。
通る点は と
から 。底が何であっても を通ります[1]。
から なので も通る。ここに底そのものが現れます。
グラフから底を読むときは、 の高さで横座標を見ればよい。 を通るなら底は です。
軸との交点はありません。 が定義域の外にあるためです。
定義域が正の数だけになる理由
を求めるとは、 となる を探すことです。 はいつでも正なので、そんな は存在しません。
も同じ。 になる はありません。 を下げるといくらでも に近づきますが、届かない。
だから定義域は 、値域は実数全体になります[3]。指数関数と定義域・値域がちょうど入れかわった形です。
のような式では、中身が正になる範囲を先に出します。 から [1]。
真数条件と呼ばれるこの手順は、定義域を書き出す作業そのもの。方程式や不等式でも最初に置きます。
底で向きが決まる
右上がり。 を大きくすると値も大きくなり、 を に近づけると下へ落ちていく
右下がり。 を大きくすると値は下がり、 を に近づけると上へ伸びる
底が より小さい場合は、 と書き直せます。 軸に関する折り返しです。
軸が漸近線になる点は、どちらの底でも変わりません[1]。 を へ近づけると値は限りなく下か上へ離れていきます。
横に 倍するのは、縦に 足すのと同じ
を考えます。積の法則から [4]。
横に 縮める操作と、縦に 持ち上げる操作が、同じ 1 本のグラフに着きます。
指数関数では縦の拡大が横の移動と同じでした。対数関数ではその逆で、横の拡大が縦の移動になる。
逆関数どうしなので、縦と横の役割がここでも入れかわっています。

どんなべきよりも増え方が遅い
は が 倍になると 倍になります。対数はそれよりさらに遅い。
どんなに小さい正のべきが相手でも、対数はいずれ追い越されます[2]。 でも同じ。
なので、 は より少し小さい値です。 はその 2 倍で 弱。 が 倍になっても、値は しか増えません。
この鈍さがあるので、桁数の大きく違う量を同じ図に置けます。地震の規模や音の強さで対数が使われる理由もここ。
底を変えると縦に伸び縮みする
と は別の関数ですが、形は似ています。底の変換公式で並べると理由が見えます[4]。
は を縦に 倍した曲線でした。 なら 倍です。
底が より大きい対数関数は、どれも同じ 1 本を縦に伸び縮みさせた形になる。通る点 が動かないので、 軸上の一点を留めたまま上下に縮む形です。
底が より小さいときは倍率が負になり、 軸で裏返ります。 がその場合。
例:グラフから式を読む
漸近線が で、 と を通るグラフの式を求めます。
漸近線の位置から の形だと分かる。 を入れると から です。
残りは から 。 より となり、式は 。
読む順番は、漸近線、 切片、もう 1 点。この 3 つで底と移動量が決まります。
平行移動と漸近線
は、 を 方向に 、 方向に だけ動かしたグラフです。
横に動かすと漸近線もついていきます。 だった漸近線が へ移り、定義域は になる[1]。
縦の移動では漸近線が動きません。 軸との位置関係が変わらないためです。
なら漸近線は 、定義域は 。 のとき です。
指数関数では縦の移動が漸近線を動かしました。対数関数では横の移動が動かす。ここでも役割が入れかわります。
の漸近線と定義域はどれですか。
- 漸近線 、定義域
- 漸近線 、定義域
- 漸近線 、定義域は実数全体
は をどう動かしたグラフですか。
- 下へ
- 上へ
- 右へ
です。中身を 倍する操作が、グラフでは上への平行移動になります。
かけ算が足し算に変わる。対数関数の性質は、この一行から順に引き出せます。










中身が正になる範囲が定義域なので、x+2>0 から x>−2 です。漸近線は横へ −2 動いて x=−2 になり、縦の −1 では動きません。