軌跡の問題、条件を式に直して図形を言い当てる
軌跡とは、ある条件を満たす点を全部集めてできる図形のことです。点が動いた跡、と読むこともできます。
求め方は決まっています。動く点を と置き、条件をそのまま式にする。 と の関係式が出れば、それが軌跡の方程式です。
求める点を と置く
与えられた条件を式で書く
式を整理して と の関係にする
逆に、その式を満たす点が条件を満たすかを確かめる
段目を飛ばす答案が多いところです。式を変形する途中で条件より広い範囲まで拾ってしまうことがあり、そのときは除く点が出ます。
例:2 定点から等距離にある点
点 、 から等しい距離にある点 の軌跡を求めます。
の座標を と置きます。 を距離の式で書きます。
両辺とも 以上なので、 乗しても同値のままです。
が両辺で消え、 も消えます。残るのは一次式です。
軌跡は直線 。 と の中点を通り、線分 に垂直な直線、つまり垂直二等分線でした。
が青い直線の上を動くあいだ、 と は等しいままです。この直線の外へ出ると等しさが崩れます。
「等しい」という条件だけから、直線という図形が出てきました。条件を式にすると、図形の正体が計算で分かる。
例:距離の比が一定の点
条件を「等しい」から「比が一定」に変えると、答えが円になります。
点 、 について、 を満たす点 の軌跡を求めます。
比の式は分数を含むので、 と書き直してから 乗します。
右辺を展開します。
左辺へ集めて で割ります。
中心 、半径 の円です。距離の比が一定という条件から出る円を、アポロニウスの円といいます。

円の上のどの点をとっても、 までの距離が までの距離のちょうど 倍になります。
青い点は 軸との交点で、 と 。 なら 、。 なら 、。どちらも です。
比が のときだけ、円ではなく直線になります。さきほどの垂直二等分線がその場合で、半径が無限に大きくなった極限だと読めます。
例:定点と定直線から等距離の点
点 と直線 から等しい距離にある点 の軌跡を求めます。
から までは距離の式、直線 までは縦の隔たりなので です。
両辺を 乗します。絶対値も 乗すれば消えます。
と が消えて、次の形が残ります。
放物線です。定点を焦点、定直線を準線と呼び、この つから等距離という条件が放物線の定義になっています。
例:媒介変数を消す
点の座標が別の文字で与えられることもあります。その文字を消せば、 と の関係式が出ます。
点 の座標が で、 があらゆる実数値をとるとします。
から 。これを に入れます。
軌跡は放物線 です。 が実数全体を動くので も実数全体を動き、除く点はありません。
の範囲が限られていれば、 の範囲も限られます。 なら となり、軌跡は放物線の右半分だけ。
例:連動して動く点
ある点が動くとき、それに連れて動く別の点の軌跡を求める形です。動く点と求める点を、はっきり区別して置きます。
点 が円 の上を動きます。定点 と の中点を とするとき、 の軌跡を求めます。
求めるのは なので、 と置きます。 の座標を で表します。
中点の式から 、 なので、 は です。
が円の上にあるという条件を書きます。
でくくって割ります。
中心 、半径 の円です。もとの円を半分に縮めて、 の側へ寄せた円になっています。
求める点を と置き、動く点をそれで表す。この向きを逆にすると式が立ちません。
除く点が出る場合
条件を式に直す途中で、もとの条件より広い範囲を拾うことがあります。そのときは最後に除きます。
点 、 について、 となる点 の軌跡を求めます。
と が垂直なので、内積が です。
展開して整理します。
中心 、半径 の円が出ました。ところが が や に重なると角が作れません。

白抜きの 点が、円から除かれる場所です。式の上では円全体が出ますが、条件を満たすのはそこから 点を抜いた図形。
除く点は、条件が壊れる場所を探して見つけます。三角形が作れない、分母が になる、比が定義できない、といった場所です。
逆をたどる確認
手順の 段目は、出た式を満たす点が本当に条件を満たすかを見る作業です。
垂直二等分線の例では、 上のどの点も を満たします。除く点はありません。
の例では、円の上のほとんどの点が条件を満たしますが、 点だけ満たしません。だから除きました。
乗した場面があるときは、とくに確かめる値打ちがあります。 乗は符号の違いを消すので、もとの条件になかった点を拾うことがある。
放物線の例では両辺とも 以上だったので、 乗しても増えていません。式を立てるときに、両辺の符号を見ておくと後が楽です。
点 、 から等距離にある点の軌跡はどれですか。
- 円
- 直線
- 直線
- 直線
図形の名前まで答える
軌跡の答えは、方程式だけでなく図形の名前まで書きます。「円 」のように、種類と式を並べる形です。
中心と半径も添えると伝わります。「中心 、半径 の円」まで書けば、読み手が式を平方完成し直す必要がありません。
除く点があれば必ず書き添えます。「ただし点 と を除く」の一文が抜けると、図形が違うものになります。











PA=PB を 2 乗して整理すると x2+4x+4=x2−8x+16 となり、12x=12 から x=1 です。A と B の中点 x 座標が 1 で、線分に垂直な直線になります。