線分を m:n に分ける点はどこにある?内分点と外分点の座標
線分 を に分ける点の座標は、両端の座標を比の重みで混ぜた形になります。混ぜ方さえつかめば、中点も外分点も同じ 1 本の式から出てくる。
以下ではまず数直線の上で式を作り、それを平面と空間へ広げます。外分点は符号を 1 つ変えるだけで内分点の式に収まる、というところまで進みます。
中点は座標の平均
いちばん易しいのが中点です。 と の中点 は、それぞれの座標を足して で割ったものになります。
座標は 座標だけで、 座標は 座標だけで決まる。横と縦が混ざらないところが、座標で図形を扱う利点です。
中点は 2 点の平均そのもので、この見方は次元がいくつでも変わりません[4]。
平均という見方は、あとで比が でなくなったときにそのまま生きます。重みが等しい平均が中点、重みを変えた平均が内分点。
数直線の上で比を測る
比の意味を確かめるために、まず 1 本の直線の上だけで考えます。点 の座標を 、点 の座標を とします。

ということは、 が全体の にあたるという意味です。全体の長さは なので、 からその割合だけ進めば に着きます。
右の形に整理したとき、 に掛かるのが 、 に掛かるのが です。近いほうの端に大きい重みが乗る、と読み違えやすいところ。
内分点の式は重みつきの平均
は と の重みつき平均です。重みの合計 で割っているので、 を入れれば中点に戻ります。
重みが入れ替わって見えるのは、比が長さの比だからです。 が に近いとき は長く、つまり が大きい。 が 寄りになるには の重みが大きくなければならないので、 が に掛かります。
比の が ではなく に掛かる理由は、 が 遠いほうの端 までの距離ではなく、手前側の長さ を表しているところにあります。
が長いほど は に寄るので、 の重みが増える。
覚え方としては「たすきがけ」と呼ばれます。ただし呪文にすると外分で必ず外すので、割合の式 のほうを覚えておくと安全です。
比を動かすと点はどこを通るか
と の比を連続的に変えると、 は線分の上を端から端まで動きます。 と置けば、 が から まで動くのと同じこと。
比がどれだけ極端になっても、 は と のあいだから出ません。 が と のあいだに収まるからです。
外へ出すには を より小さくするか より大きくする必要がある。そこで登場するのが外分です。
平面でも形は変わらない
平面では 座標と 座標を別々に同じ計算にかけます。線分を に内分する点 は次のとおりです[1]。
と が独立に動くので、1 次元でわかったことがそのまま持ち上がります。証明も、横の成分と縦の成分に分けて数直線の議論を 2 回するだけ。
この形は重みつきの平均なので、力学の重心と同じ式です。フランス語圏の教科書では重心(barycentre)として先に導入し、内分と外分をその特別な場合として扱います[2]。
例 1: に内分する点
、 とし、線分 を に内分する点を求めます。
、 なので、 です。
答えは です。検算は割合で行います。 は から まで 進むうちの 、つまり 進んだ位置で になっている。
外分点は線分の外にできる
を保ったまま、 を線分の外にとったものが外分点です。線分の外では から見た向きと から見た向きが同じになるので、比に符号の違いが入ります。
なら の外側、 なら の外側に出ます。どちら側かは比べるだけで決まる。
は と のあいだ。 と の向きが逆になる
は線分の外。 と の向きがそろう
向きがそろうか逆かという違いが、式では分母と分子の符号として現れます。
外分点の式を作る
割合の式に戻ります。 が全体の何倍かを とすると、 の座標は です。
外分では で、 が逆向きになる。したがって となり、 が出ます。
が に近づくほど は大きくなり、 は遠くへ逃げていきます。青い線が 、橙の線が で、2 本の向きがそろっているのが外分の特徴。
座標に直すと次の形です。
外分点は符号を変えた内分点
内分の式と外分の式を並べると、 を にとり替えただけだとわかります。
| 分点 | x 座標 | 条件 |
|---|---|---|
| 内分 | (n x1 + m x2)/(m+n) | m, n は正 |
| 外分 | (-n x1 + m x2)/(m-n) | m ≠ n |
つまり外分点は「 に内分する点」です。負の重みを許した重みつき平均、と言いかえてもいい[2]。
ドイツ語圏では 3 点の分割比 を で定義し、 が内分、 が外分にあたるとします[3]。符号 1 つで両方を扱う点は同じです。
例 2: に外分する点
、 とし、線分 を に外分する点を求めます。
、 なので です。
答えは です。 だったので の外側に出ました。実際 より右上にあります。
例 3: に外分すると反対側へ出る
同じ 2 点で比だけ入れ替えます。、 なので です。
答えは で、今度は の外側です。分母が負になったので符号の扱いを 2 回とも同じにする、という点だけ気をつければ計算は変わりません。
内分では比を入れ替えても線分の中に留まりました。外分では反対側へ飛ぶので、 と のどちらが大きいかを最初に見ておくと検算になる。
比が に近づくと外分点は消える
を外分の式に入れると分母が になります。これは計算の失敗ではなく、そういう点が存在しないという意味です。
で向きがそろう点は、 からも からも等距離で、しかも線分の外にある点。そんな点はとれません。
を に近づけると は無限に遠ざかります。重みの和が になると重心が定まらない、という一般の事情と同じことです[2]。
三角形の重心
3 点に等しい重みを置いた平均が重心です。頂点を 、、 とします。
この点が中線を に内分することは、内分点の式から確かめられます。辺 の中点 をとり、線分 を に内分すればよい[1]。

太い青が 、橙が で、長さの比は です。3 本の中線がどれも同じ点を通ることも、同じ計算を 3 回すれば見えます。
例 4:重心の座標
、、 の重心を求めます。
重心は です。中線から確かめると、 の中点は で、 とこの点を に内分すると同じ が出ます。
空間でも同じ式が使える
座標が 1 つ増えるだけで、式の形は変わりません。 座標にも同じ重みつき平均を当てます。
成分ごとに独立に計算する、という考え方はどの次元でも通ります。 次元以上でも書き方は同じで、成分を並べる本数が増えるだけ。
の形。分母は で、必ず正になります。
の形。分母は で、符号が変わりうる。
の内分点。 に落ちます。
3 点の平均。 で、中線を に内分した点と一致する。
例 5:空間の内分点と中点
、 について、 の内分点と中点を求めます。
内分点は 、 で です。
中点は座標を足して で割るだけなので です。内分点のほうが 寄りにあり、 という比と合っています。
例 6:分点から端の点を逆算する
と、線分 を に内分する点 が与えられたとき、 を求めます。
内分点の式に当てはめて について解きます。
も同じ手順で から です。 が答えになります。
割合で確かめると、 は から まで 進むうちの で 進み、 に届いている。逆算でも割合の式が検算に使えます。
例 7:3 点が一直線に並ぶか調べる
、、 が一直線に並ぶかどうかを、分点の考え方で見ます。
が を に内分するとしたら、 について です。整理すると となり、 が候補になります。
同じ比を に当てて確かめます。
の 座標と一致したので、3 点は一直線上にあります。 から出した比が でも成り立つかどうか、この一致が判定そのものです。
、 とします。線分 を に外分する点はどれですか。
外分では分母が や になることが多く、値が大きく飛びます。答えが線分の近くに出たら、どこかで符号を落としている。
よくある誤り
どれも割合の式 に戻れば見分けられます。公式を 2 本覚えるより、1 本と符号を覚えるほうが間違えにくい。












m=2、n=1 なので分母は m−n=1 です。x=1−1⋅(−2)+2⋅4=10、y=1−1⋅3+2⋅(−3)=−9 となります。m>n なので B の外側に出る点で、そこも合っています。