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円の接線の方程式(円上の点と円外の点で手順が変わる)

円 上の点 における接線は、円の式の を に、 を に置き換えるだけで出ます。

を と読み、片方だけ接点の座標にとり替えた形です。円 上の点 なら 。

置き換えという言い方は覚えやすいのですが、なぜそれでよいかは半径と接線の関係から出ます。

接線は半径に垂直

接点を 、中心を とします。接線は で円に触れて離れるので、 と垂直です。

の向きは 。この向きに垂直な直線は、法線ベクトルが の直線として書けます。

展開すると で、 は円上にあるので右辺は です。置き換えの形が出ました。

接点が円周を回っても、半径と接線の直角は崩れません。小さな四角がその直角です。

接線の向きは接点ごとに変わりますが、法線ベクトルはいつも 。だから接点の座標がそのまま式の係数になります。

中心が原点でない場合

中心が のときも、同じ導出がそのまま通ります。 の向きが になるだけ。

原点のときの式で、 を に、 を に置き換えた形です。平行移動の書き換えと同じ規則になっています。

円 上の点 での接線を出します。

接点が式を満たすか確かめます。 で成立。接点が接線の上に乗っているのは当然ですが、符号ミスの検出に使えます。

例:円上の点での接線

、点
、点
、点 、つまり
、点 、つまり

下 つは接線が座標軸に平行になる場合です。式に当てはめれば自動的にこの形が出るので、場合分けは要りません。

傾きから接線を作る

接点ではなく傾きが与えられることもあります。このときは接線を と置き、中心からの距離が半径に等しい条件を書きます。

円 と直線 で、中心 からの距離を出します。

同じ傾きの接線は 本あります。円をはさんで反対側に 本ずつ。

円 で傾き の接線なら です。

円外の点から引く接線

点 が円の外にあるとき、 から接線が 本引けます。接点を と置いて条件を つ立てます。

接点は円上にある。
接線 が を通る。

番目の式をよく見ます。 と についての一次式で、これは接点が直線 の上にあることを意味します。

つまり つの接点は、この 本の直線の上に並んでいる。 接点を結ぶ弦が、はじめから式で書けてしまいます。

緑の線が 接点を結ぶ弦です。この弦の方程式が で、接点の座標を求める前に書けています。

形を見比べると、円上の点での接線の式とまったく同じです。点が円の上にあれば接線、外にあれば 接点を結ぶ弦になる。同じ式が、点の位置で役割を変えています。

例:円外の点から引く接線を求める

点 から円 に引く接線を求めます。

まず 接点を結ぶ弦の式を書きます。、、 です。

接点はこの直線と円の交点なので、 を円の式へ代入します。

接点は と 。それぞれ接線の式に入れます。

を掛けて で割ると、 と になります。

傾きで置くと 1 本落ちることがある

接線を と置いて距離の条件から を出す方法もあります。ただし、この置き方では 軸に平行な直線が表せません。

点 から円 に引く接線で試します。直線 は を通り、点 で円に接しています。傾きでは書けない 本です。

弦の式なら両方とも出ます。 と円の式を連立します。

から接点 、 から接点 です。

接線はそれぞれ 、つまり と、 を整理した になります。

傾きで置く方法を使うなら、 軸に平行な接線があるかどうかを別に調べる。弦の式から入れば、その手間が要りません。

接線の本数は点の位置で決まる

点 と中心の距離を とします。

(内部)

接線は 本も引けません。 を通る直線はどれも円を 点で切ります。

(円上)

接線は 本だけ。 を接点とする接線です。

(外部)

接線は 本。 を軸として対称な位置に接点ができます。

外部の点から引いた 本は、長さが等しくなります。中心と接点と で直角三角形ができ、 つの三角形が合同になるためです。

接線の長さ

から接点までの長さを接線の長さといいます。直角三角形の三平方から出ます。

点 と円 なら 、 なので です。

さきほど求めた接点 との距離を計算しても になります。接点を求めずに長さだけ欲しいときは、この式で足ります。

根号の中が負なら、点が円の内部にあるということ。接線が引けないことが式にも表れます。

円 上の点 における接線はどれですか。

__RESULT__

置き換えの式から で、両辺を で割ると です。接点を代入すると で成り立ちます。

傾きを未知数にする別解

さきほどの点 からの接線を、傾きだけで解いてみます。接線は を通るので と置けます。

の形に直し、中心 からの距離が になる条件を書きます。

より です。接線は 、整理すると と 。

弦の式から解いた結果と一致しました。この問題では 軸に平行な接線がないので、傾きで置いても 本とも出ます。

未知数が の つで済むぶん、こちらのほうが計算は短くなります。 軸に平行な接線がないと確かめられるなら、選んでよい道です。

例:接線が座標軸から切りとる三角形

円 上の点 での接線 が、座標軸と作る三角形の面積を求めます。

を入れると 、 を入れると 。これが つの切片です。

直角三角形なので、面積は 辺の積の半分になります。

接点を動かすとこの面積も変わります。接点が軸に近づくほど、片方の切片が遠くへ飛んでいくので面積は大きくなる。

例:2 本の接線のなす角

点 から引いた 本の接線 と のなす角を調べます。

傾きはそれぞれ と です。 直線のなす角の正接は、傾きから出ます。

です。角そのものは 度あまり。

接点と中心と で作る直角三角形からも読めます。 での角の半分の正弦が なので、そこから同じ値に行き着きます。

が円から遠いほど、 本の接線は平行に近づきます。近づけば開いていき、円周上に乗った瞬間に 本が 本へ重なる。

接する条件から円を決める

接線が先に与えられ、円を求める形もあります。中心から接線までの距離が半径に等しい、という条件を書きます。

中心が で、直線 に接する円を求めます。

円の方程式は です。

中心が直線上を動く場合は、中心を文字で置いてから同じ条件を立てます。接する条件は距離の等式なので、未知数が つなら 本の式で決まります。

接点が分かっているなら置き換えの式を書く

傾きが分かっているなら距離が半径に等しいと置く

円外の点からなら で接点を出す

接点を接線の式へ戻す

よくある誤り

置き換えの式で を にする。とり替えるのは片方だけで、 です
中心が原点でないのに を使う。 と に置き換えた式が要ります
円外の点の座標を、そのまま接線の式に入れる。入れるのは接点の座標です
を接線だと思う。点が外にあるときは 接点を結ぶ弦です
傾きで置いて 軸に平行な接線を落とす。本数が合わなければこれを疑います
接線の長さを と書く。引き算です
内部の点から接線を引こうとする。 なら 本もありません
接点を求めたあと、接線の式に戻し忘れる。問われているのは直線の方程式です

参考文献

Circle
Pole and polar
Kreis (Geometrie))
Fonction du second degré
圓
$x^2$ を $x_1x$ にとり替えるだけ、という覚え方の裏には、半径と接線が垂直だという事実があります。法線ベクトルが $\overrightarrow{OP}$ になるので、接点の座標がそのまま係数になる。円外の点から引く場合は、同じ形の式が $2$ 接点を結ぶ弦を表します。この弦から入れば $y$ 軸に平行な接線も落ちません。傾きで置く別解、接線の長さ、接線の本数が点の位置で決まる仕組み、$2$ 本のなす角まで。