3次関数の最大値・最小値を求める:区間が指定された問題の解法
3 次関数の最大値・最小値を求める問題は、2 次関数のときとは少し事情が異なる。2 次関数なら頂点さえ押さえれば最大・最小がわかったが、3 次関数では極大値や極小値が存在しても、それが区間内の最大値・最小値になるとは限らない。区間の端点の値との比較が必ず必要になる。
基本方針
閉区間 における関数 の最大値・最小値は、次の候補の中から見つかる。
この候補をすべて計算し、最も大きいものが最大値、最も小さいものが最小値だ。3 次関数に限らず、閉区間での最大・最小問題はこの原則に従う。
例題 1
の における最大値と最小値を求めよ。
まず導関数を求める。
とすると で、いずれも区間 に含まれる。
次に、端点と極値の候補をすべて計算する。
| 種類 | ||
|---|---|---|
| 左端 | ||
| 極大 | ||
| 極小 | ||
| 右端 |
候補の中で最大は 、最小は となる。
ここで重要なのは、極大値 が最大値ではないという点だ。右端の のほうがはるかに大きい。極大値はあくまで「近くの値より大きい」だけであって、区間全体での最大値とは限らない。
局所的な山の頂上・谷の底。周辺と比べて大きい/小さいだけ。
区間全体の中で最も大きい値・小さい値。端点も含めて比較する。
例題 2
の における最大値と最小値を求めよ。
導関数は、
の解は で、どちらも区間 に入っている。各候補の値を計算すると、
| 種類 | ||
|---|---|---|
| 左端 | ||
| 極大 | ||
| 極小 | ||
| 右端 |
最大値は 、最小値は である。極大値 も極小値 も、端点の値と比べると最大でも最小でもない。この問題では、最大・最小がどちらも端点で実現されるパターンになっている。
極値が区間外にある場合
の解がすべて指定区間の外にあることもある。たとえば を区間 で考えると、 の解 はどちらも区間外だ。この場合、区間内に極値は存在せず、端点だけを比較すればよい。
、 なので、最大値は 、最小値は となる。区間内で が成り立つため、 は単調増加しており、端点での比較だけで結論が出る。
増減表を書く意義
候補の値さえ計算すれば答えは出るが、増減表を書くと関数の振る舞いが視覚的にわかりやすくなる。例題 1 の増減表は次のようになる。
x | -2 ... -1 ... 1 ... 3
f' | + 0 - 0 +
f | -2 ↗ 2 ↘ -2 ↗ 18増減表を書けば、極大・極小の位置と端点の大小関係が一目でわかるため、見落としを防げる。特に試験では、増減表を書いたかどうかが部分点に影響することもあるので、省略せずに書くのが望ましい。
よくある間違い
極大値は局所的な性質であり、端点の値がそれを超えることがある。必ず全候補を比較すること。
の解が区間外なら、その極値は候補に入らない。区間の端点だけで判定する。
まとめ
閉区間での最大値・最小値を求める手順は明快だ。 を解いて区間内の極値候補を出し、端点の値とあわせてすべて比較する。3 次関数では極大値が最大値とは限らず、極小値が最小値とは限らないという点が、2 次関数との大きな違いになる。「候補を全部出して比較する」という原則を守れば、確実に正答にたどり着ける。