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微分係数がプラスなら関数は増える、符号で増減を読む

の における微分係数は です。正の値なので、 のあたりで は増えています。

では 。負なので、そのあたりでは減っている。

微分係数の符号だけで、グラフが上がっているか下がっているかが分かります[1]。

接線の傾きとして読む

微分係数は接線の傾きでした。傾きが正の直線は右上がり、負の直線は右下がりです。

曲線も、狭い範囲では接線とほとんど重なります。だから接線の向きが、そのあたりでの曲線の向きになる。

微分係数が正

接線が右上がり。 を少し増やすと も増える

微分係数が負

接線が右下がり。 を少し増やすと は減る

のときは接線が水平です。そこだけでは増えているとも減っているとも言えません。

帯が上を向いている区間ではグラフが上り、下を向いている区間では下ります。帯が横軸を横切る場所で向きが変わる。

単調増加という言葉

区間のあいだずっと値が増え続けるとき、その関数はその区間で単調増加といいます。減り続けるなら単調減少[2]。

ならいつでも になる、というのが単調増加の中身です。

区間のすべての点で なら、その区間で単調増加になります。逆も向きを弱めた形で成り立つ。

例: を区間で分ける

の導関数は です。符号は の符号でそのまま決まります。

では なので単調増加。 では なので単調減少です。

で となり、ここが向きの変わり目。放物線の頂点にあたります。

区間 をとれば、そこでは 、 とどちらも正なので単調増加です。

例:3 次関数で区間を分ける

の導関数は です。

では も も負なので積は正。単調増加になります。

では が正で が負なので積は負。単調減少です。

では両方とも正で積も正。ふたたび単調増加になります。

区間 の符号増減
正増える
負減る
正増える

導関数を因数分解すると符号がすぐ読めます。だから増減を調べるときは、まず因数分解を試みる。

でも増え続けることがある

なら単調増加ですが、その逆は少しずれます。単調増加でも になる点がありうる[3]。

がその例です。導関数 は で になります。

それでも は増え続けています。 に対して で、値の順序が保たれている。

は 1 点だけです。1 点で傾きが になっても、その前後で正なら値は上がり続けます。

だから「単調増加ならば 」となり、等号を含む形になります。

が単調増加を導くのは正しいが、逆向きには等号が入る。

の原点のように、傾きが一瞬 になるだけの点があるため。

つねに増える条件を求める

導関数の符号を全体で正に保てるか、という問題がよく出ます。

がつねに単調増加になる の範囲を出します。

導関数は 。これがすべての で 以上ならよい。

下に凸の 2 次関数なので、判別式が 以下であれば条件を満たします。

から です。等号のとき は 1 点で になりますが、増加は保たれます。

放物線が横軸の上にとどまるか、1 点で触れるか。そこまでが条件を満たす範囲です。

例:減る区間を持たない 3 次関数

を調べます。導関数は です。

判別式は で負。横軸と交わらないので、導関数はつねに正になります。

このグラフには山も谷もありません。ずっと右上がりの 3 次関数です。

と平方完成しても、最小値が で正だと分かります。

導関数を求める

符号が変わる場所を探す

区間ごとに正か負かを決める

になる点を境にするのが基本ですが、境で符号が変わらないこともあります。次の問題がその形。

の増減について、正しいのはどれですか。

  • すべての で増加する
  • で減り、 で増える
  • の前後で増減が入れかわる
__RESULT__

導関数は です。 で になりますが、それ以外ではつねに正。符号が変わらないので、増加が途切れません。

符号が変わる場所を見つければ、区間の切れ目が決まります。あとは各区間で正か負かを言うだけです。

参考

4.5 Derivatives and the Shape of a Graph. Calculus Volume 1, OpenStax.
Chapitre 3 — Dérivation, étude de fonctions. MathSV, Université Claude Bernard Lyon 1.
Eric W. Weisstein. *Stationary Point*. MathWorld, A Wolfram Resource.
$x^2$ の $x = 2$ での微分係数は 4 で正、$x = -3$ では $-6$ で負。接線が右上がりか右下がりかが、そのままグラフの向きになります。$x^3 - 3x$ なら導関数を $3(x+1)(x-1)$ と因数分解して、3 つの区間で符号を読む。逆向きには等号が入り、$x^3$ は原点で傾きが $0$ でも増え続けます。$x^3 + ax^2 + 3x$ がつねに増加する条件を判別式から $-3 \leq a \leq 3$ と出す形、$3(x-2)^2$ のように境で符号が変わらない例まで並べました。