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平均変化率は2点を結ぶ直線の傾き(数学Ⅱの微分の入口)

で が から へ動くと、 は から へ動きます。 が 増えるあいだに が 増えた。

割ると です。 が 増えるごとに が平均で ずつ増えた、という意味になります。

この値を区間 における平均変化率といいます[1]。

定義

が から まで動くときの の変化量は です。

これを の変化量 で割ったものが平均変化率になります。

分子が の増えぶん、分母が の増えぶん。中学で習った直線の傾きと、形はまったく同じです。

違うのは相手が直線ではないこと。曲線でも 2 点さえ決まれば、この割り算はできます。

2 点を結ぶ直線の傾き

と の 2 点を通る直線を引きます。この直線の傾きが平均変化率です[2]。

曲線を 2 点で切る直線なので、割線と呼びます。

三角形の横が の変化量、縦が の変化量。斜辺の傾きが求める値です。

例:区間を変える

同じ で、区間だけをとりかえてみます。

では 、 なので 。

では 、 なので 。

では 、 なので です。

区間変化量平均変化率

区間ごとに値が違います。曲線では、どこを見るかで変化の勢いが変わるためです。

負の値は減っていることを表します。 ではグラフが下がっている。

例:1 次関数だけは変わらない

で試します。 なら 。

なら 。 なら です。

どの区間でも になりました。1 次関数のグラフは直線で、傾きがどこでも同じだからです。

1 次関数

区間をどこにとっても平均変化率は同じ。傾き がそのまま出る

2 次以上の関数

区間ごとに値が変わる。どこを見たかを言わないと決まらない

平均変化率を答えるときに区間を書き添えるのは、このためです。区間なしでは値が定まりません。

区間の幅は変えずに位置だけずらしています。それでも値は動く。下り坂では負、上り坂では正になります。

2 乗の関数には近道がある

の区間 での平均変化率を、文字のまま計算します。

両端の値を足すだけでした。 なら 、 なら です[3]。

でも同じように因数分解できます。

なら 。これらは検算にも使えます。

分母の が約分で消えるのは、分子が を因数に持つためです。

はいつでも で割り切れる。だから平均変化率はきれいな式になる。

例:真ん中の点と一致する

の での平均変化率は でした。

一方、区間の真ん中は です。ここでの接線の傾きは 。

平均変化率と、区間の中点での接線の傾きが一致しました。2 次関数に特有の性質です。

で確かめます。平均変化率は 、中点 での接線の傾きも です。

例:物の動きで読む

を時刻、 を位置とすると、平均変化率は平均の速さになります[4]。

で位置が動くとき、 秒後から 秒後までの平均の速さは次のとおり。

秒速 です。3 秒間をならした値で、途中のどこかの瞬間の速さとは限りません。

を水を入れた時間、 を水の量にすれば、平均変化率は毎分どれだけ入ったかを表します。

2 つの量を関数で結ぶ

区間の両端で値を出す

差どうしを割る

例: を使った書き方

区間を と書くと、平均変化率は次の形になります。

のかわりに「 から だけ離れた点」と見た書き方です。中身は同じもの。

で試すと となり、両端の和 と一致します。

この形にしておくと、 を小さくしたときの様子が読みやすくなります。

の区間 における平均変化率はいくつですか。

__RESULT__

、 なので です。両端の和 を使っても同じ値になります。 は分子を だけにした形、 は の変化量そのものにあたります。

区間を決め、両端の差を割る。ここまでが平均変化率で、区間の幅を へ送ると次の話に移ります。

参考

2.3: The slope of a secant line is the average rate of change/02:_Average_rates_of_change_average_velocity_and_the_secant_line/2.03:_The_slope_of_a_secant_line_is_the_average_rate_of_change). Mathematics LibreTexts.
The Rate of Change of a Function. Calculus Early Transcendentals, Simon Fraser University.
Josef Leydold. *Kapitel 7: Differentialrechnung*. Mathematik für VW, Wirtschaftsuniversität Wien.
Chapitre 3 — Dérivation, étude de fonctions. MathSV, Université Claude Bernard Lyon 1.
$x^2 - 5x - 6$ で $x$ が 4 から 8 へ動くと $y$ は 28 増え、割ると 7。これが区間 $[4, 8]$ の平均変化率です。同じ関数でも $[0, 2]$ なら $-3$、$[5, 8]$ なら 8 と、見る場所で値が変わる。区間をどこにとっても同じ値になるのは 1 次関数だけです。$x^2$ なら両端を足すだけで $a + b$、$x^3$ なら $a^2 + ab + b^2$ になり、分母が約分で消える理由も見ます。2 次関数では平均変化率が区間の中点での接線の傾きと一致する。平均の速さ、毎分入る水の量として読む例も並べました。