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「逆数を 3 つ足して 1」になる整数の組は 3 通りだけ、不定方程式の絞り込み

をみたす正の整数の組は、 の 3 つだけです。

無限にありそうな見た目ですが、そうではありません。大小を仮定して範囲を出すと、調べる場所が数個に減ります。

大小を仮定して範囲を出す

としてかまいません。順序を入れかえたものは、あとから数え直せます。

このとき が 3 つの中でいちばん大きい。だから 3 つの和は を超えません。

ここから が出ます。 の候補は の 3 つだけになりました。

以上では となり、3 つ足しても に届きません。ここで候補が尽きます。

例:x = 1 は起きない

とすると になります。

は正なので、左辺は正。 にはなりません。 は解を生みません。

例:x = 2 の場合

を解きます。同じ手で の範囲を出す。

のほうが大きいので 、つまり とあわせて

では で不可。 なら なら 。2 組が出ました。

例:x = 3 の場合

です。 から

とあわせて に決まります。すると

の 1 組だけ。これで の 3 通りをすべて調べ終えました。

順序を区別するかどうか

は 3 つとも違う数なので、並べかえが 通り。 は同じ数が 2 つあるので 3 通り。

は 1 通りです。合わせて 通り。

問題文が「組」を求めているのか「 の組」を求めているのかで答えが変わる。読み落とさないようにします。

積の形に持ち込む

分母が 2 つのときは、大小の仮定より変形が速い。 を例にとります。

両辺に を掛けて整理すると 。移項して です。

ここで両辺に を足すと、左辺が積に分かれます[1]

の約数の組を並べるだけで、解がすべて出ます。無限個の候補が、約数の個数ぶんに縮みました。

例:分母が 4 のとき

で、 は正の整数。 の約数の組です。

とすると の 3 通り。

答えは 。順序を区別すると 5 通りになります。

例:分母が 6 のとき

同じ手順で になります。 の約数の組は

の 5 組が出ます。

一般に の解の個数は、 の約数の個数から決まります。 の約数は 9 個で、 に絞ると 5 組。

負になる場合も、式の上では解になります。

なら 。正の整数という条件で落ちる。

例:係数がある場合

を解きます。 の係数に合わせて の項をまとめる形に持ち込む。

両辺に を足すと で、左辺は に分かれます。

正の整数解は の 4 組。定数の足し方は、 の係数と の係数を掛けた値です。

例:和と積が等しい

をみたす正の整数を求めます。 と仮定する。

左辺は 以下なので 、つまり 。組は の 3 通り。

なら で不可。 なら なら となり に反します。

答えは の 1 組だけ。ここでも、範囲を出してから 1 つずつ調べる流れは変わりません。

大小を仮定して範囲を出す

未知数が 3 つ以上、または分数の形。いちばん大きい項で押さえる

積の形に変形する

未知数が 2 つで、掛けた項がある。定数を足して因数分解に持ち込む

をみたす正の整数の組 は何組ありますか。順序が違うものも別に数えます。

  • 2 組
  • 3 組
  • 5 組
__RESULT__

に直すと、 の約数の組は の 3 通り。 の 3 組です。

よくある誤り

大小を仮定したまま、最後に順序の数え直しを忘れる。問題文の求め方に合わせます。
を出したあと、 を調べずに飛ばす。不可であることも確かめます。
積の形にするとき、足す定数を間違える。 の係数と の係数の積です。
約数の組で負の場合を残す。正の整数という条件で落とします。
の不等号の向きをとりちがえる。いちばん大きい項を 3 つ並べた形が上からの押さえです。
という条件を途中で落とす。 の範囲を出すときに使います。
解を 1 つ見つけて終わりにする。範囲を出し切るまで続けます。

範囲を出してから 1 つずつ調べる。この順番さえ守れば、見た目が難しい方程式でも調べる場所は数個に収まります。

参考文献

Diophantische Gleichung - Wikipedia
$\frac{1}{x}+\frac{1}{y}+\frac{1}{z}=1$ の正の整数解は $(2,3,6)$、$(2,4,4)$、$(3,3,3)$ の 3 組しかありません。$x \leq y \leq z$ と決めてしまえば $1 \leq \frac{3}{x}$ から $x \leq 3$ に縮み、調べる場所が 3 つになる。分母が 2 つのときは $(x-4)(y-4)=16$ のように積へ直し、約数の組を並べれば終わります。$xy-2x-3y=0$ で足す定数の決め方、$x+y+z=xyz$ の解が 1 組しかない話、順序を区別すると 10 通りになる数え直しまで扱いました。