1 つの分数を 2 つの差に割ると、まん中が全部消える
分数の和は、そのまま足すと通分の山になります。ところが 1 つの分数を 2 つの差に分けると、途中が次々に打ち消し合って両端だけが残る。
この分け方を部分分数分解、打ち消し合う和をテレスコープといいます[1][2]。望遠鏡を縮めるように、長い和が一気に短くなります。
打ち消しの様子
で書き下してみます。
と 、 と が消えていきます。残るのは最初の と最後の だけ[1]。
一般に、 の差の形に書ければ和は両端だけになります[1][2]。
どの項が残るかを間違えやすいので、必ず最初の 2 項と最後の 2 項を書き出して確かめます。
分け方の見つけ方
をどう分けるか。 と置いて係数を決めます[3]。
を入れると 、 を入れると 。都合のよい値を代入して一気に決める手を、隠す方法ともいいます[3]。
分母の差が のときは、次の形にまとまります。
が前に出るところを落としやすい。分母の差が でないときは、必ずこの係数を確かめます。

例題 1:基本形
を求めます。
で検算します。 で、公式の値と一致しました。
を大きくすると は に近づきます。無限に足しても を超えません[1]。
例題 2:分母の差が 2
を求めます。
差が 2 つ飛びなので、消え方も 1 つ飛ばしになります。前から 2 項、後ろから 2 項が残る。
飛ばす幅と、残る項の個数が一致します。差が なら両端に 項ずつ残る、と覚えておくと迷いません。
例題 3:奇数の積
を求めます。
分母の差は なので が前に出ます。
こちらは連続する項の差になっているので、残るのは両端 1 項ずつです。分母が飛んでいても、 について隣り合っていれば素直に消えます。
例題 4:分子が 1 でない場合
なら、定数 を外に出すだけです。
のように分子に が入るときは、分けてから考えます。
これは差ではなく和なので、打ち消しは起きません。テレスコープが使えるのは差の形に書けたときだけです。
例題 5:3 つの積
を求めます。
次の変形が使えます。
右辺を通分すると、分子が になって左辺に戻ります。
3 つの積でも、隣り合う 2 つの積の差に書けばテレスコープが効きます。
平方根の差
分数以外にも使えます。 は有理化すると差になります。
差の形に持ちこめるかどうかが勝負です。分母の有理化も、そのための手のひとつになります。
練習問題
の値はどれですか。
を分解した形として正しいものはどれですか。
を通分すると分子が になります。もとに戻すには を掛けます。分母の差がそのまま係数の分母になります。















1−111=1110 です。n+1n に n=10 を入れても同じ値になります。