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無限等比級数の和の公式:公比の絶対値が 1 より小さいときだけ収束する

をどこまで足しても を超えず、 に限りなく近づきます。長さ の線分を、残っているところの半分ずつ塗っていくと同じことが起きる。

塗り残しが になることはありません。それでもいくらでも小さくできる、という点が収束の意味です。

部分和を作ってから n を大きくする

無限個をいっぺんに足す方法はないため、先頭から 個までの和を作り、 を大きくしたときの行き先を見る。初項 、公比 の等比数列なら、第 項までの和は次のとおり。

のとき は へ近づきます。 はおよそ 、 はおよそ 。

この を無限等比級数の和といいます。分母の は、公比が に近いほど小さくなり、和を大きくする。

収束するのは公比が -1 と 1 のあいだにあるとき

では となって増え続けます。 なら部分和が と を行き来し、1 つの値に落ちつかない。

初項が のときは、公比によらず和も です。問題によっては、この場合を分けて書く必要があります。

例:基本の計算

を求める。

初項 、公比 で、 だから収束する。

はじめに見た に、先頭の を足した形です。

例:公比が負の場合

を求めます。

初項は 、公比は 。 で収束する。

分母で符号が二重になる。 は なので、ここを見落とすと答えがずれます。

例:循環小数を分数に直す

を分数で表します。

初項 、公比 の無限等比級数。

のように 2 桁くり返す場合は、公比が になります。

くり返す桁数だけ公比の分母に が増える。循環小数がかならず分数で書けるのは、この計算がいつでも通るからです。

例:正方形を内側へ描き続ける

1 辺 の正方形の各辺の中点を結び、内側に新しい正方形を作ります。この操作をくり返したとき、できた正方形すべての面積の和を求める。

中点を結んだ正方形の面積は、もとの半分。よって面積は と並ぶ。

無限に描き続けても、面積の合計は で止まります。図形の問題では、1 段階でどれだけ縮むかを先に求める。

例:収束する x の範囲を求める

が収束する の範囲と、そのときの和を求めます。

初項 、公比 の無限等比級数なので、場合を分ける。

のときは、すべての項が で和も です。

のときの条件は 。

このときの和を計算する。

答えは、 で和は 、 で和は 。初項が になる場合を落とさないことが、この型の要点です。

の和はどれですか。

  • 発散する
__RESULT__

初項 、公比 です。 になります。

有限で止まる無限和は昔から使われてきた

アルキメデスは、放物線と直線で囲まれた図形の面積を、この足し方で求めています。内側に三角形を敷きつめていくと、段ごとに加わる面積が前の段の になる。

囲まれた図形の面積は、最初に入れた三角形の 倍。段が無限にあっても面積が有限で止まる理由は、公比が一定であることから示せます。

くわしい筋道は Archimedes’ quadrature of the parabola and the method of exhaustion(Calculus II, John Abbott College)にあります。

無限等比級数が収束するのはどの場合ですか。

  • のとき
  • のとき
  • のとき
  • 初項が正のとき
__RESULT__

では和が増え続け、 では 2 つの値を行き来します。 のときだけ公比のべき乗が に近づき、和が定まります。

公比の絶対値が より小さいかどうかを最初に見て、それから に入れる。初項が になりうる形では、その場合を別に書き添えます。

$\dfrac{1}{2} + \dfrac{1}{4} + \dfrac{1}{8} + \dots$ をどこまで足しても $1$ を超えません。塗り残しはいつも半分ずつで、$0$ にはならないのにいくらでも小さくなる。部分和 $S_n = \dfrac{a(1-r^n)}{1-r}$ で $n$ を大きくすると、$|r| < 1$ のときだけ $r^n$ が $0$ へ向かい、和が $\dfrac{a}{1-r}$ に定まります。公比が負のときの符号、循環小数を分数に直す計算、内側へ描き続けた正方形の面積、収束する $x$ の範囲。アルキメデスが放物線の切りとる面積を求めた足し方まで。