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数学的帰納法の使い方|倍数の証明、一般項の予想、場合の数まで

に から順に入れると と並び、どれも で割り切れます。ただし、いくつ調べても確認であって証明にはならない。

から へ進んでも性質が保たれる、と示すのが数学的帰納法の役目です。使い道は和の公式にかぎらず、倍数、漸化式で定まる数列、数え上げにも広がる。

型 1:倍数であることの証明

がいつでも の倍数になることを示します。

のとき で、 は の倍数。

で が の倍数だと仮定し、 を計算する。

仮定した がそのまま第 1 項に現れました。第 2 項の は連続する 2 整数の積なので偶数で、 をかけると の倍数になる。

の倍数どうしの和なので、 でも成り立ちます。仮定したかたまりと、それ以外に分ける。倍数の証明はこの一手で片づくことがほとんどです。

例:6 の n 乗引く 1

が の倍数であることを確かめます。

のとき 。

で が の倍数と仮定する。 を作り出すために、 をかけたぶんを定数で調整する。

第 1 項は仮定から の倍数、第 2 項は そのもの。 を の前に出し、余った定数を切り離す変形は、指数の入った倍数の問題でくり返し使えます。

型 2:一般項を予想して確かめる

漸化式で定まる数列は、いくつか計算して一般項を予想し、その予想を帰納法で確かめる、という順でも解けます。

いくつか計算してみる

一般項を予想する

帰納法で予想が正しいと確かめる

予想までは実験でよく、最後の一段が帰納法の仕事です。

例:予想を確かめる

、 の一般項を求める。

順に計算すると 、、、、。

ずつ引くと で のべき乗になるため、 と予想します。

のとき で、 と一致。

で を仮定し、漸化式に入れる。

これは を入れた形。予想が正しいと確かめられました。

例:分数の形を確かめる

、 について、 を証明します。

のとき で一致。

を仮定して計算する。

分数のまま通分して進める。 をかけてから を足すので、分子に の計算が現れる。

型 3:数え上げ

個数を数える問題にも帰納法が使える。要素が 個ある集合の部分集合が 個であることを示します。

のとき、部分集合は空集合とその集合自身の 個。 で一致します。

で 個だと仮定し、要素を 1 つ増やす。新しい要素を含まない部分集合が 個、含む部分集合も 個。

新しい要素を入れるか入れないかで 2 通りに分かれ、個数がちょうど倍になります。この分かれ方が帰納の段階そのもの。

2 つ前まで使うとき

直前の 1 つだけでは足りない場面もあります。、 で定まる数列について、 を示す場合です。

を評価するのに と の両方を使うため、仮定を 2 つ置きます。出発点も と の 2 つ。

2 つ前までさかのぼる数列では、出発点も 2 つ用意する。1 つで済ませると のところで連鎖が切れる。

が の倍数であることを帰納法で示すとき、 をどう変形しますか。

__RESULT__

なので、 を足すと に戻ります。第 1 項が仮定から の倍数、第 2 項が そのものです。

例:連続する 3 整数の積

が の倍数であることを示す。

のとき 。

を仮定し、共通部分の でくくる。

第 1 項は仮定から の倍数。第 2 項の は連続する 2 整数の積で偶数だから、 をかけて の倍数になります。

なので、型 1 の最初の例と中身は同じもの。並べ方を変えると別の問題に見えます。

倍数の証明仮定したかたまりと、それ以外に分ける
漸化式で定まる数列いくつか計算して予想を立て、あとから確かめる
数え上げ1 個増やしたときの場合分けを見る

で定まる数列の性質を帰納法で示すとき、出発点はいくつ確かめますか。

  • 1 つ
  • 2 つ
  • 3 つ
  • 確かめなくてよい
__RESULT__

次の項を求めるのに 2 つ前までさかのぼるため、 と の両方を示します。1 つだけでは連鎖の最初がつながりません。

が 1 増えたときに何が保たれるか。倍数なら分けかた、数列なら漸化式、数え上げなら場合分けが、そのまま帰納の段階になります。

$n^3 - n$ に数を入れて $0, 6, 24, 60$ と並べても、それは確認であって証明になりません。$(k+1)^3 - (k+1) = (k^3 - k) + 3k(k+1)$ と分ければ、仮定したかたまりと連続 2 整数の積に切り分けられる。倍数では差の形に整理し、漸化式ではいくつか計算して予想を立ててから確かめ、数え上げでは要素を 1 個増やしたときの 2 通りを見ます。フィボナッチ数列のように 2 つ前まで使うときは、出発点も 2 つ必要になる。