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連立漸化式を和と差で解く(係数が対称でないときは片方を消す)

と のように、2 つの数列がたがいの値を使って進む形を連立漸化式といいます。 の次の項は なしに決まらず、 の次の項も なしには決まりません。

ところが 2 式を足すと、 と が同じ形にまとまる。

引いたほうは、右辺の と が打ち消し合って別の関係が残る。

和は公比 の等比数列、差はいつまでも変わらない数列。どちらも単独で解けます。

点は 1 本の直線に沿って進む

、 から並べると、 は 、、、 と動く。

差が変わらないから、点は直線 の上から外れません。原点から見た遠さのほうは、和が 倍になるたびに 倍になる。

na(n) + b(n)a(n) - b(n)
111
231
391
4271

例:和と差で解く

、、、 を解きます。

和は初項 、公比 の等比数列。

差は初項 のまま変わらない。

2 式を足して で割れば 、引いて で割れば が決まる。

で確かめる。漸化式をたどると 、、、。一般項では 、 で、同じ値になりました。

指数の肩が ではなく になる点だけ気をつけます。初項が にあたるため。

例:差の符号が入れかわる形

、、、 を解く。

足すと で、初項は 。

引くと となり、符号が毎回いれかわる。初項は です。

で確かめる。漸化式では 、。一般項では 、。

公比が でも等比数列であることに変わりはなく、扱い方も同じです。

係数が対称でないとき

和と差がきれいに動いたのは、 と の係数が入れかえても同じ並びだったからです。、 では、足しても引いても と が残ってしまう。

そういうときは片方の数列を消す。

一方の式を a について解く

番号を 1 つ進めた式も用意する

もう一方へ代入して a を消す

残った b の三項間漸化式を解く

例:片方を消して三項間にする

、、、 を解く。

2 つ目の式から 。番号を 1 つ進めた も使い、1 つ目の式へ入れます。

だけの三項間漸化式になりました。特性方程式 は で、重解 。

重解のときは を作る。

だから で、。両辺を で割ります。

が公差 の等差数列になりました。初項は 。

は に戻して求めます。

で確かめる。一般項では 。漸化式では 、、、 で一致する。

、 のとき、 はどんな数列ですか。

  • 公差 の等差数列
  • 公比 の等比数列
  • 公比 の等比数列
  • ずっと変わらない数列
__RESULT__

2 式を足すと になります。引いたほうは で、差は公比 の等比数列です。

例:2 つの部屋を行き来する

ある動物が部屋 A と部屋 B を行き来します。1 日たつと、A にいたもののうち % が A に残り、B にいたもののうち % が A へ移る。

A にいる割合を 、B にいる割合を と置く。

割合なので が使えます。 を入れると、 が消えて単独の漸化式になる。

特性方程式 から 。はじめ全部が A にいたとして とします。

は日ごとに半分になるので、 は へ近づきます。出発点をどこにとっても行き先は同じで、 と の割合で落ちつく。

和と差を作る方法がうまくいかないとき、次に試すのはどれですか。

  • 初項を変えてみる
  • 一方の数列を他方で表して消し、三項間漸化式にする
  • 両辺の逆数をとる
  • 両辺を で割る
__RESULT__

片方を消すと、残った数列だけの三項間漸化式になります。あとは特性方程式で解けます。係数が対称でない場合の確実な手です。

係数が入れかえても同じ並びなら足し算と引き算、そうでなければ片方を消す。連立漸化式で最初に見るのは、 と の係数が対称かどうかです。

$a_{n+1} = 2a_n + b_n$、$b_{n+1} = a_n + 2b_n$ の 2 式を足すと和が公比 $3$ の等比数列になり、引くと差がずっと $1$ のまま動きません。点 $(a_n, b_n)$ が直線 $b = a - 1$ から外れないのはそのためです。係数が入れかえても同じ並びなら、この足し引きで絡みがほどける。そうでない $a_{n+1} = 3a_n - b_n$ の型では一方を代入して消し、残った三項間漸化式を重解の手順で解きます。2 つの部屋を行き来する割合が $0.6$ に落ちつくところまで。