連立漸化式を和と差で解く(係数が対称でないときは片方を消す)
と のように、2 つの数列がたがいの値を使って進む形を連立漸化式といいます。 の次の項は なしに決まらず、 の次の項も なしには決まりません。
ところが 2 式を足すと、 と が同じ形にまとまる。
引いたほうは、右辺の と が打ち消し合って別の関係が残る。
和は公比 の等比数列、差はいつまでも変わらない数列。どちらも単独で解けます。
点は 1 本の直線に沿って進む
、 から並べると、 は 、、、 と動く。

差が変わらないから、点は直線 の上から外れません。原点から見た遠さのほうは、和が 倍になるたびに 倍になる。
| n | a(n) + b(n) | a(n) - b(n) |
|---|---|---|
| 1 | 1 | 1 |
| 2 | 3 | 1 |
| 3 | 9 | 1 |
| 4 | 27 | 1 |
例:和と差で解く
、、、 を解きます。
和は初項 、公比 の等比数列。
差は初項 のまま変わらない。
2 式を足して で割れば 、引いて で割れば が決まる。
で確かめる。漸化式をたどると 、、、。一般項では 、 で、同じ値になりました。
指数の肩が ではなく になる点だけ気をつけます。初項が にあたるため。
例:差の符号が入れかわる形
、、、 を解く。
足すと で、初項は 。
引くと となり、符号が毎回いれかわる。初項は です。
で確かめる。漸化式では 、。一般項では 、。
公比が でも等比数列であることに変わりはなく、扱い方も同じです。
係数が対称でないとき
和と差がきれいに動いたのは、 と の係数が入れかえても同じ並びだったからです。、 では、足しても引いても と が残ってしまう。
そういうときは片方の数列を消す。
一方の式を a について解く
番号を 1 つ進めた式も用意する
もう一方へ代入して a を消す
残った b の三項間漸化式を解く
例:片方を消して三項間にする
、、、 を解く。
2 つ目の式から 。番号を 1 つ進めた も使い、1 つ目の式へ入れます。
だけの三項間漸化式になりました。特性方程式 は で、重解 。
重解のときは を作る。
だから で、。両辺を で割ります。
が公差 の等差数列になりました。初項は 。
は に戻して求めます。
で確かめる。一般項では 。漸化式では 、、、 で一致する。
、 のとき、 はどんな数列ですか。
- 公差 の等差数列
- 公比 の等比数列
- 公比 の等比数列
- ずっと変わらない数列
例:2 つの部屋を行き来する
ある動物が部屋 A と部屋 B を行き来します。1 日たつと、A にいたもののうち % が A に残り、B にいたもののうち % が A へ移る。
A にいる割合を 、B にいる割合を と置く。
割合なので が使えます。 を入れると、 が消えて単独の漸化式になる。
特性方程式 から 。はじめ全部が A にいたとして とします。

は日ごとに半分になるので、 は へ近づきます。出発点をどこにとっても行き先は同じで、 と の割合で落ちつく。
和と差を作る方法がうまくいかないとき、次に試すのはどれですか。
- 初項を変えてみる
- 一方の数列を他方で表して消し、三項間漸化式にする
- 両辺の逆数をとる
- 両辺を で割る
片方を消すと、残った数列だけの三項間漸化式になります。あとは特性方程式で解けます。係数が対称でない場合の確実な手です。
係数が入れかえても同じ並びなら足し算と引き算、そうでなければ片方を消す。連立漸化式で最初に見るのは、 と の係数が対称かどうかです。













2 式を足すと an+1+bn+1=5(an+bn) になります。引いたほうは 3(an−bn) で、差は公比 3 の等比数列です。