992−1 を筆算せずに求めます。1=12 なので、2 乗から 2 乗を引いた形です。
992−12=(99+1)(99−1)
100×98=9800。992=9801 を計算してから 1 を引いても同じ値ですが、こちらは暗算で終わります。
引き算が 2 乗どうしなら、和と差の積に変わります。
a2−b2=(a+b)(a−b)
面積で見ると組み替えている
1 辺 a の正方形から、1 辺 b の正方形を切りとります。残った図形の面積が a2−b2 です。
残った図形を横に切り、下の部分を右へ移します。たて a−b、横 a+b の長方形になります。
切って並べ直しただけなので面積は変わりません。a2−b2=(a+b)(a−b) が図で見えています。
係数がついていても同じ
9x2−25 は (3x)2−52 です。a が 3x、b が 5 にあたります。
9x2−25=(3x+5)(3x−5)
16x2−49y2 なら (4x)2−(7y)2 で、(4x+7y)(4x−7y)。
係数が平方数かどうかを見ます。9、16、25、36、49、64、81、100 が並んでいたら、この形を疑う。
| x2−9 | (x+3)(x−3) |
| 4x2−1 | (2x+1)(2x−1) |
| 25a2−16b2 | (5a+4b)(5a−4b) |
| x2−41 | (x+21)(x−21) |
a や b が式でもよい
a と b は 1 文字とはかぎりません。かっこごと当てはめられます。
(x+1)2−4 では、a が x+1、b が 2 です。
(x+1)2−22={(x+1)+2}{(x+1)−2}=(x+3)(x−1)
展開して確かめると x2+2x+1−4=x2+2x−3 で、(x+3)(x−1) と一致します。
4 項の式を 3 対 1 に組む
x2−6x+9−y2 は 4 項あります。前の 3 項が (x−3)2 にまとまる。
x2−6x+9−y2=(x−3)2−y2=(x−3+y)(x−3−y)
2 項ずつ組むと x(x−6)+(9−y2) となり、共通のかっこが現れません。組み方は 3 対 1 です。
x2−4y2−2x+1 も同じ形です。x の項を集めて (x2−2x+1)−4y2=(x−1)2−(2y)2。
(x−1+2y)(x−1−2y)
4 項の式で y2 が 1 つだけ離れているときは、残る 3 項が平方になるかを見ます。
( )2−( )2 の形に持ちこめれば、2 乗の差が当たる。
例:4 乗の式
x4−16 は (x2)2−42 です。1 回目で (x2+4)(x2−4) に分かれます。
x2−4 がもう一度分かれるので、そこで止めません。
x4−16=(x2+4)(x+2)(x−2)
x2+4 は和の形なので、実数の範囲ではこれ以上分かれません。
和のほうは分かれない
a2+b2 は、実数の係数では 2 つの一次式に分かれません。(a+b)2 は a2+2ab+b2 で、真ん中の項が余ります。
x2+9 を (x+3)(x−3) と書くと、展開して x2−9 になります。符号が合いません。
a2−b2
(a+b)(a−b) に分かれる。因数分解で最も多く使う形
a2+b2
実数の範囲では分かれない。a3+b3 のほうは分かれるので、次数で扱いが変わる
数の計算に使う
2 乗の差は、数の計算でも手数を減らします。
連続する 2 つの整数の 2 乗の差は、その 2 数の和になります。20242−20232=4047。
差が 1 なので (a+b)×1 が残るためです。1002−992=199 も同じ理由。
有理化にも使う
分母に根号があるとき、(a+b)(a−b) の形を作ると根号が消えます。
3+21 の分母と分子に 3−2 をかけます。
(3+2)(3−2)=3−2=1
分母が 1 になり、3−2 が答えです。2 乗すると根号が外れることを使っています。
よくある誤り
和と差をとりちがえる形と、平方数の見落としが多い。
x2+9 を (x+3)(x−3) と書く。展開すると x2−9 になる。
x4−16 を (x2+4)(x2−4) で止める。
(x+1)2−4 の a を x だと思い、かっこを外してから当てる。
4x2−9y2 を (4x+9y)(4x−9y) と書く。2x と 3y が正しい。
最後の 1 つは係数の平方根をとり忘れた形です。a2=4x2 なら a=2x。
x2−10x+25−y2 を因数分解するとどれになりますか。
- (x−5+y)(x−5−y)
- (x+5+y)(x+5−y)
- (x−5)(x+5)−y2
__RESULT__
前の 3 項が (x−5)2 にまとまります。(x−5)2−y2 から (x−5+y)(x−5−y) です。
36a2−49b2 を因数分解するとどれになりますか。
- (36a+49b)(36a−49b)
- (6a+7b)(6a−7b)
- (6a−7b)2
__RESULT__
36=62、49=72 なので (6a)2−(7b)2 の形です。係数はそのままではなく、平方根をとります。
引き算を見たら、両側が 2 乗になっていないかを見ます。なっていれば、そのまま和と差の積に書き替えられます。
$99^2 - 1$ は $(99+1)(99-1) = 100 \times 98$ で暗算になります。1 辺 $a$ の正方形から 1 辺 $b$ の正方形を切り取り、残りを並べ直すと、たて $a-b$、横 $a+b$ の長方形。$a$ と $b$ は $3x$ や $x+1$ のような式でもかまいません。4 項の式を 3 対 1 に組む形、$x^4 - 16$ を途中で止めない理由、$a^2 + b^2$ が実数の範囲で分かれないことまで。
前の 3 項が (x−5)2 にまとまります。(x−5)2−y2 から (x−5+y)(x−5−y) です。