(x2+3x)2−2(x2+3x)−8 には、x2+3x が 2 か所あります。ここを A と置きます。
A2−2A−8=(A−4)(A+2)
A を x2+3x に戻します。
(x2+3x−4)(x2+3x+2)
まだ終わりません。どちらのかっこも 3 項なので、たすきがけが当たります。
(x+4)(x−1)(x+2)(x+1)
置きかえずに展開すると 4 次式になり、手がかりが消えます。同じ式が 2 か所にあるなら、まとめて 1 文字と見ます。
置きかえは 3 段で戻る
置いた文字は必ず戻します。戻したあとのかっこが、まだ分かれることも多い。
3 段目で止めると、答えが (x2+3x−4)(x2+3x+2) のままになります。かっこの中を読み直して 4 段目まで進めます。
置きかえる相手の見つけ方
同じ式がそのまま 2 か所にある場合と、組み合わせを作って同じ形をそろえる場合があります。
(x2+3x)2−2(x2+3x)−8 のように、かっこがそのまま並んでいる。
x4+4x2+3 のように、x2 を 1 文字と見る。
(x+1)(x+4)(x+2)(x+3) のように、かける順を変えると同じ形が作れる。
(x+y)2−4(x+y)+4 のように、2 文字のまとまりが並んでいる。
例:x4+4x2+3
x4=(x2)2 なので、A=x2 と置きます。
A2+4A+3=(A+1)(A+3)
戻して (x2+1)(x2+3)。どちらも和の形なので、実数の範囲ではここで終わりです。
x4−5x2+4 なら (A−1)(A−4)=(x2−1)(x2−4) となり、両方が 2 乗の差です。
(x+1)(x−1)(x+2)(x−2)
同じ手順でも、戻したあとに分かれるかどうかは中身で決まります。
例:(x+y)2−4(x+y)+4
A=x+y と置くと A2−4A+4=(A−2)2 です。
(x+y−2)2
x+y という 2 文字のまとまりも、1 文字と同じように扱えます。
例:(2x−1)2−(x+3)2
2 乗の差の形です。a が 2x−1、b が x+3 にあたります。
{(2x−1)+(x+3)}{(2x−1)−(x+3)}=(3x+2)(x−4)
引くほうのかっこを外すときに符号が変わります。−(x+3)=−x−3 で、2x−1−x−3=x−4。
展開して確かめると (4x2−4x+1)−(x2+6x+9)=3x2−10x−8。(3x+2)(x−4) と一致します。
例:かける順を変えて同じ形を作る
(x+1)(x+2)(x+3)(x+4)+1 には、そのままでは同じ式がありません。組む相手を選びます。
両端どうしの (x+1)(x+4) と、内側どうしの (x+2)(x+3) を先に計算します。
(x+1)(x+4)=x2+5x+4、(x+2)(x+3)=x2+5x+6 です。x2+5x が共通になりました。
A=x2+5x と置きます。
(A+4)(A+6)+1=A2+10A+24+1=A2+10A+25=(A+5)2
戻すと (x2+5x+5)2 です。x2+5x+5 の判別式は 25−20=5 で平方数ではないため、有理数の係数ではこれ以上分かれません。
組む順を (x+1)(x+2) と (x+3)(x+4) にすると、x2+3x+2 と x2+7x+12 になります。x の係数がそろわず、共通部分が作れません。
4 つのかっこを組むときは、定数の和が等しくなるように選びます。
1+4=2+3=5 なので、この組み方だと x の係数がそろう。
因数分解では範囲を書かない
方程式で t=x2 と置くときは t≥0 という制限がつきました。因数分解では、この制限を書きません。
置きかえは式を書き替えているだけで、値を求めていないためです。A に戻した時点で、もとの式とまったく同じものになります。
方程式で置きかえる
t の解を x に戻す。t の動ける範囲を確かめてから戻す
因数分解で置きかえる
式を書き替えるだけ。範囲はいらず、最後に文字を戻す
例:3 か所に同じ式がある
(x−1)3−3(x−1)2+3(x−1)−1 を見ます。A=x−1 と置くと、係数が 1, −3, 3, −1 です。
A3−3A2+3A−1=(A−1)3
戻すと (x−1−1)3=(x−2)3。展開して確かめる手もありますが、置きかえたほうが速い。
よくある誤り
戻し忘れが、最も多く見られます。
(2x−1)2−(x+3)2 で、引くほうのかっこの符号を変えない。
3 番目は (x+1)(x+2)(x+3)(x+4) で起きます。定数の和がそろう組み方を先に見ます。
(x2−2x)2−11(x2−2x)+24 を因数分解した式はどれですか。
- (x−3)(x+1)(x−4)(x+2)
- (x2−2x−3)(x2−2x−8)
- (x−3)(x−8)
__RESULT__
A=x2−2x とすると (A−3)(A−8) です。戻して (x2−2x−3)(x2−2x−8)=(x−3)(x+1)(x−4)(x+2)。
(x+1)(x+2)(x+3)(x+4) で、共通部分が作れる組み方はどれですか。
- (x+1)(x+4) と (x+2)(x+3)
- (x+1)(x+2) と (x+3)(x+4)
- (x+1)(x+3) と (x+2)(x+4)
__RESULT__
定数の和が 5 でそろうのは 1 番目です。x2+5x+4 と x2+5x+6 になり、x2+5x が共通になります。
同じ式が 2 か所にあれば置きかえる。並んでいなければ、組む相手を変えて同じ形を作る。置いた文字は最後に戻し、戻したかっこをもう一度読みます。
$(x^2+3x)^2 - 2(x^2+3x) - 8$ は $A = x^2 + 3x$ と置けば $(A-4)(A+2)$。戻したかっこがまだ 3 項なので、そこからさらに分かれます。$(x+1)(x+2)(x+3)(x+4)+1$ のように並んでいない式でも、定数の和がそろう組み方を選べば共通部分が作れる。方程式の置きかえと違って範囲を書かない理由、戻し忘れと分け残しまで。
A=x2−2x とすると (A−3)(A−8) です。戻して (x2−2x−3)(x2−2x−8)=(x−3)(x+1)(x−4)(x+2)。