真理値表の作り方:論理式の真偽を網羅的に調べる - 記号論理学

真理値表(truth table)は、論理式の真偽をすべての可能な場合について網羅的に示す表です。論理式が正しいかどうかを機械的に判定できる強力なツールであり、命題論理の基礎を理解する上で欠かせません。

真理値表の基本構造

真理値表は、左側に命題変数のすべての組み合わせを、右側にその組み合わせに対する論理式の真理値を記載します。

命題変数が n 個ある場合、組み合わせは 2^n 通りになります。変数が 2 個なら 4 行、3 個なら 8 行、4 個なら 16 行の表が必要です。

変数の数行数
12
24
38

単純な例:否定の真理値表

最も単純な例として、¬p の真理値表を作ってみましょう。変数は p の 1 個だけなので、2 行の表になります。

p¬p
TF
FT

p が T のとき ¬p は F、p が F のとき ¬p は T です。否定は真偽を反転させます。

連言と選言の真理値表

p ∧ q と p ∨ q の真理値表は、変数が 2 個なので 4 行になります。すべての T/F の組み合わせを漏れなく書き出すことが重要です。

連言 p ∧ q は両方が T のときだけ T、選言 p ∨ q は少なくとも一方が T なら T になります。これらは前回までに学んだ通りです。

組み合わせを書く順序には慣例があります。一般的には、p を T, T, F, F、q を T, F, T, F の順に並べます。2進数で 00, 01, 10, 11 と数えるのを逆にしたパターンです。

複合論理式の真理値表

複雑な論理式の真理値表を作るには、部分式から順に計算します。たとえば (p → q) ∧ (q → r) の真理値表を作るには、まず p → q と q → r を計算し、最後にその連言を計算します。

変数が 3 個なので 8 行必要です。中間結果を列として追加すると、計算過程がわかりやすくなります。

ステップ 1

p → q の列を計算する。p が T で q が F のときだけ F、それ以外は T。

ステップ 2

q → r の列を計算する。同様に、q が T で r が F のときだけ F。

ステップ 3

(p → q) ∧ (q → r) の列を計算する。両方の列が T のときだけ T。

真理値表を作る手順

真理値表を作る一般的な手順は次の通りです。

まず、論理式に含まれる命題変数をすべて列挙します。次に、変数の数に応じた行数を用意し、すべての T/F の組み合わせを書き出します。

そして、論理式を内側から順に分解し、各部分式の列を追加していきます。最終的に、全体の論理式の列が完成します。

命題変数を列挙

全組み合わせを書き出す

部分式から順に計算

最終列が完成

実例:ド・モルガンの法則を確認する

¬(p ∧ q) と ¬p ∨ ¬q が同値であることを、真理値表で確認してみましょう。

両方の式について真理値表を作り、すべての行で同じ値になれば同値です。実際に計算すると、どの行でも ¬(p ∧ q) と ¬p ∨ ¬q は一致します。これでド・モルガンの第一法則が正しいことが機械的に検証できました。

このように真理値表は、論理的同値を確認したり、推論が妥当かどうかを判定したりする際に使える万能の道具です。次回は、真理値表を使ってトートロジーと矛盾という重要な概念を学びます。