外測度とカラテオドリの拡張定理

外測度は、あらゆる部分集合に対して「大きさ」を定義しようとする概念である。ただし外測度は一般に加法性を満たさないため、適切な部分集合族に制限することで真の測度を構成する。この制限の基準を与えるのがカラテオドリの方法である。

外測度の定義

集合 上の外測度とは、関数 で次の 3 条件を満たすものをいう:

外測度はすべての部分集合に対して定義されるが、可算加法性は要求しない。劣加法性のみを課すことで、定義域を最大限に広げている。

外測度の構成

外測度は「被覆による近似」から自然に構成できる。 なる集合族とし、 なる関数とする。任意の に対し、

と定めると、 は外測度になる。被覆が存在しない場合は とする。

この構成は直観的である。集合 の元で覆い、その「コスト」 の総和の下限をとる。ルベーグ外測度では、 として区間全体、 として区間の長さを用いる。

カラテオドリの可測性条件

外測度 が与えられたとき、集合 -可測(カラテオドリの意味で可測)であるとは、任意の に対して

が成り立つことをいう。

この条件は、 が任意の「テスト集合」 を測度的に綺麗に分割することを意味する。劣加法性から不等式 は常に成り立つので、実際には逆向きの不等式

を示せばよい。

カラテオドリの拡張定理

外測度から測度を構成する中心的な結果が次の定理である。

を集合 上の外測度とし、-可測集合全体とする。このとき:

  • は σ 加法族である
  • への制限は測度である

証明の概略を述べる。まず が補集合で閉じていることはカラテオドリ条件の対称性から明らかである。有限加法性の証明には、 が互いに素のとき、任意の に対して

を示す。これは の可測性を に適用すれば得られる。

可算加法性への拡張は、互いに素な可測集合列 に対し、部分和の単調性と劣加法性を組み合わせて行う。

ルベーグ測度への応用

上で、左半開区間 の長さ を用いて外測度を構成すると、ルベーグ外測度 が得られる。カラテオドリの定理により、-可測集合全体は σ 加法族をなし、 の制限はその上で測度となる。これがルベーグ測度である。

ボレル集合(開集合から生成される σ 加法族の元)はすべてルベーグ可測である。しかしルベーグ可測集合全体はボレル集合族より真に大きく、選択公理を用いると非可測集合の存在が示される。