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直線に関する対称点は垂直と中点の 2 条件で決まる

点 を直線 で折り返した点を とします。 が満たす条件は つだけです。

線分 が に垂直であること。そして の中点が の上にあること。この 本を連立すれば が出ます。

鏡に映った像を思い浮かべると分かりやすくなります。鏡に対して像はまっすぐ向かい側にあり、鏡までの距離は元の点と同じ。垂直と中点は、その つを式にしたものです。

座標軸と原点に関する対称

まず、折り返す相手が座標軸のときを見ます。この場合は符号を変えるだけで済みます。

軸に関して
軸に関して
原点に関して
直線 に関して
直線 に関して

軸で折り返すと上下がひっくり返るので の符号が変わります。 軸なら左右なので の符号。

原点に関する対称は、点を通る直線ではなく点そのものに関する折り返しです。 軸で折ってから 軸で折る、と考えても同じ結果になります。

に関しては座標が入れ替わります。この直線は と を対等に扱う直線なので、入れ替えが折り返しに当たる。

橙の点 を折り返した先が青と緑の点です。青は座標軸と原点に関する つ、緑は と に関する つ。

破線の 本が と です。緑の点は、それぞれの破線をはさんで向かい側に来ています。

一般の直線に関する対称点

折り返す相手が斜めの直線になると、符号を変えるだけでは済みません。 条件を連立します。

点 の、直線 に関する対称点 を求めます。直線は と書けます。

本目は垂直の条件です。 の傾きが なので、 の傾きは 。

本目は中点の条件です。中点 が の上にあると書きます。

本を連立します。足すと で 、引くと で です。

検算します。中点は で、 なので の上にある。 の傾きは で、 の傾き との積が です。

をどこへ動かしても、 は直線をはさんだ向かい側の同じ距離のところに来ます。

破線が で、直線と直角に交わっている。黒い小さな点が中点で、いつも直線の上に乗っています。

垂直の条件を書くときの落とし穴

傾きの積が という形は、 が 軸に平行なときや、 が 軸に平行なときに使えません。傾きが定義できないためです。

が なら、対称点は 座標だけを折り返して になります。傾きを持ち出す必要がありません。

心配なら、法線ベクトルを使う書き方に切り替えます。 の法線は で、 はこの向きに平行。

この を、中点が 上にある条件から決めます。傾きが定義できるかどうかを気にせずに済む書き方です。

例:法線の向きに動かす

点 の、直線 に関する対称点を求めます。法線は です。

と置きます。中点は 。

中点が の上にある条件を書きます。

なので です。

検算します。中点 は で の上。 の傾きは で、 の傾き と垂直です。

折り返しの公式

法線の向きに動かす考え方をまとめると、 本の式になります。 と点 について、次のとおり。

分数の部分は、点から直線までの符号つきの隔たりを法線の長さで割ったものです。それを 倍だけ法線の向きに戻すと、ちょうど向かい側へ届きます。

さきほどの例で確かめます。、、、。

一致しました。公式を覚えなくても 条件の連立で解けますが、同じ問題を何度も解くときは速くなります。

直線を折り返す

点ではなく直線を折り返すこともあります。直線の上の点を つ選んで折り返し、その 点を結べば済みます。

直線 を、直線 で折り返します。 に関する対称は と の入れ替えなので、式の中でそのまま入れ替えます。

もとの傾き が になりました。 での折り返しは、傾きを逆数にする働きをします。

一般の直線で折り返す場合は、点を つ選ぶ方法が確実です。切片の点と、もう 点を選び、それぞれ対称点を出してから結びます。

最短経路を折り返しで作る

点 、 が直線の同じ側にあるとき、直線上の点 を通って から へ行く道のりを最短にする問題があります。

を直線で折り返して とします。 なので、 と は同じ長さ。

が最短になるのは、、、 が一直線に並ぶときです。だから と直線の交点が求める になります。

灰色の点が を折り返した です。 と を結んだ線が 軸を切るところが 。

から までの長さと から までの長さは同じなので、折れ線 の長さは線分 の長さに等しくなります。線分がいちばん短い道なので、これが最短。

例:最短経路を計算する

、 とし、 軸上の点 について を最小にします。

を 軸で折り返すと です。 と を通る直線を作ります。

傾きは なので、直線は 。

を代入します。

です。最小値は の長さで、 になります。

光が鏡で反射するときの道すじも同じ形をしています。入る角と出る角が等しくなる位置が、この です。

点 の、直線 に関する対称点はどれですか。

__RESULT__

に関する対称は です。 なら になります。中点 は の上にあり、 点を結ぶ傾き は の傾き と垂直です。

対称点が使える場面

折れ線の長さを最短にする問題
光の反射や、球が壁で跳ね返る道すじ
図形を折り返したときの重なりを調べる問題
直線を軸として図形が対称かどうかを確かめる問題
角の二等分線に関する対称で、辺を移す問題

どれも「折り返すと直線になる」という性質を使っています。曲がった道を、まっすぐな線に読み替える道具です。

手順に落とす

折り返す相手が座標軸や なら符号の入れ替えで済ませる

斜めの直線なら を法線の向きに置く

中点が直線の上にある条件から動かす量を決める

中点と垂直の つで検算する

よくある誤り

垂直の条件だけで答えを出す。中点の条件がなければ、直線上のどこで折るかが決まりません
中点の条件だけで答えを出す。垂直がなければ、向かい側の別の点も条件を満たします
に関する対称で符号まで変える。入れ替えるだけで、符号はそのままです
に関する対称で入れ替えだけにする。入れ替えたうえで両方の符号を変えます
が 軸に平行なのに傾きの積を使う。傾きが定義できないので、法線の向きで書きます
中点を と の交点だと思う。中点は と のあいだにあります
最短経路で のほうを折り返し忘れて両方折る。折るのは片方だけです
折り返した点が直線の同じ側に出る。距離は同じでも、向かい側でなければ対称点ではありません

参考文献

Reflection (mathematics))
Circle
Symétrie axiale
Lieu géométrique
Kreis (Geometrie))
圓
折り返した点が満たすのは $2$ つだけ。$AA'$ が直線に垂直で、その中点が直線の上にあることです。この $2$ 本を連立すれば座標が出ます。座標軸や $y = \pm x$ なら符号の入れ替えで済み、斜めの直線では法線の向きに動かす書き方が確実。傾きが定義できない場合でも崩れません。直線そのものを折り返す方法、折れ線の長さを最短にする使い道、光の反射と同じ形になる理由まで。