三角形の外心と内心の座標(等距離と角の二等分から出す)
重心は 頂点の座標を平均すれば出ます。ところが外心と内心は、平均では出ません。それぞれ別の条件から立てる必要があります。
外心は 頂点から等しい距離にある点。内心は 辺から等しい距離にある点です。頂点までの距離か、辺までの距離か。この違いが、そのまま計算の違いになります。
外心は 3 頂点から等距離
外心を とします。 が条件です。
距離のまま扱うと根号が出るので、 乗した形で書きます。どれも 以上なので、 乗しても同値のまま。
乗どうしを等しいと置くと、 と が両辺で打ち消し合います。残るのは と の一次式。
未知数が つ、式が 本なので、連立一次方程式として解けます。二次にならないところが、この方法の軽さです。

破線が 本の垂直二等分線です。 の垂直二等分線は 、 の垂直二等分線は 。
その交点が外心で、そこを中心にすると 頂点をちょうど通る円が描けます。この円を外接円といいます。
例:外心の座標を求める
、、 の外心を求めます。 と置きます。
を書きます。
も書きます。
外心は です。外接円の半径は 。
検算します。、。 つとも一致しました。
この問題では、辺 が 軸に、辺 が 軸に乗っていました。おかげで垂直二等分線が座標軸に平行になり、式が 行で片づいています。
垂直二等分線の交点として求める
同じ点を、別の道から求めることもできます。 点から等距離にある点の集まりが垂直二等分線なので、その交点が外心です。
と の垂直二等分線は、中点 を通り に垂直な直線。 が横向きなので、垂直二等分線は縦の直線 です。
と の垂直二等分線は、中点 を通り に垂直。 が縦向きなので 。
交点は で、さきほどと同じ。辺が座標軸に平行なときは、この道のほうが速くなります。
本目の垂直二等分線も同じ点を通ります。 本で決まるので、 本目は検算に使えます。
外心の位置は角の大きさで変わる
外心はいつも三角形の中にあるとは限りません。
外心は三角形の内部にあります。 つの角がどれも 度より小さい場合。
外心は斜辺の中点にちょうど乗ります。斜辺が外接円の直径になるためです。
外心は三角形の外に出ます。いちばん大きい角と向かい合う辺の、反対側へ。
直角三角形の場合が使いやすい性質です。外心を計算せずに、斜辺の中点を書くだけで済みます。
頂点を下げていくと、外心が三角形の中から底辺を越えて外へ出ます。緑が内部、橙が外部。
ちょうど底辺の上に乗った瞬間が直角三角形です。そこを境に、鋭角から鈍角へ変わっています。
例:直角三角形の外心
、、 の外心を求めます。 は横向き、 は縦向きなので、 が直角です。
斜辺は なので、その中点が外心になります。
半径は 頂点までの距離で、どれも です。
計算で確かめると、 から 、 から 。同じ結果に着きます。
例:鈍角三角形の外心
、、 の外心を求めます。
より で 。 より です。
を入れると で 。外心は 。
座標が負なので、三角形より下にあります。三角形は の側にあるので、外心は外に出ました。
辺の長さを見ると 、、。いちばん長い について なので、 の角が鈍角です。
内心は 3 辺から等距離
内心は つの辺までの距離が等しい点です。頂点ではなく辺までの距離を測る点が、外心との違い。
辺までの距離は、点と直線の距離として計算します。だから 本の辺の方程式が要ります。
内心を とし、 辺までの距離を書き並べて等しいと置く。絶対値が入るので、三角形の内部にいることを使って符号を決めます。

本の破線が、内心から各辺へ下ろした垂線です。長さがどれも等しく、その長さが内接円の半径になります。
例:内心の座標を求める
、、 の内心を求めます。内心を とし、三角形の内部なので 、 です。
辺 は 軸なので、そこまでの距離は 。辺 は 軸なので、距離は 。
が 本目の式です。
辺 の方程式を作ります。 と を通るので、切片の形から 、整理して 。
内部の点では なので、距離は次のようになります。
を代入します。
内心は 、内接円の半径は です。
検算します。 軸までの距離が 、 軸までの距離が 、辺 までは 。 つとも になりました。
対辺の長さで重みをつけた平均
内心には、辺の長さを使った書き方もあります。頂点 、、 と向かい合う辺の長さを 、、 とすると、次のとおり。
重心が単純な平均だったのに対して、こちらは辺の長さを重みにした平均です。長い辺と向かい合う頂点ほど、強く引っぱります。
さきほどの例で確かめます。、、 です。
距離から求めた結果と一致しました。辺の長さが素直な数になる問題では、この形のほうが速くなります。
内心はいつでも内部にある
外心は三角形の外へ出ることがありましたが、内心は必ず内部にあります。 辺すべてから正の距離だけ離れた点は、内側にしかないためです。
内接円も三角形の中に収まります。 辺に接して、はみ出しません。
頂点から等距離。三角形の外に出ることがあり、直角なら斜辺の中点に乗ります。
辺から等距離。いつでも内部にあり、外に出ることはありません。
垂心も座標で出せる
頂点から下ろした垂線は 点で交わります。その点を垂心といいます。
、、 で求めます。 が 軸なので、 から下ろした垂線は 。
から へ下ろす垂線を作ります。 の傾きは なので、垂線の傾きは 。
を代入すると 。垂心は です。
本目でも確かめます。 の傾きは なので垂線の傾きは 、 を通るので 。 で となり、同じ点を通りました。
3 つの中心は一直線に並ぶ
同じ三角形の重心、外心、垂心は、いつも 本の直線の上に並びます。
さきほどの 、、 で確かめます。重心は座標の平均です。
外心も求めます。 から で 、 から 。
から への変化は 、 から へは 。後者はちょうど前者の 倍です。
向きが同じで大きさが 倍なので、 点は一直線に並び、 が の 倍の長さになっています。
4 つの中心を並べる
| 名前 | 条件 | 求め方 |
|---|---|---|
| 重心 | 中線の交点 | 頂点の平均 |
| 外心 | 頂点から等距離 | 距離の 乗を等しいと置く |
| 内心 | 辺から等距離 | 点と直線の距離を等しいと置く |
| 垂心 | 垂線の交点 | 垂線 本を連立する |
重心だけが平均で出ます。他の つは、条件を式に直してから連立する形です。
、、 の外心はどれですか。









A が直角なので、外心は斜辺 BC の中点です。(26+0,20+8)=(3,4) になります。(2,38) は重心、(2,2) は内心の座標で、どちらも別の点です。