国勢調査の人口水増しで富山市長が謝罪、交付税を約 6000 万円多く受け取った可能性
2026年10月2日 20:08
富山市の職員が 2025 年の国勢調査で人口を水増ししたとされる問題で、藤井裕久市長は 10 月 2 日の定例会見で改めて謝罪し、確定値をもとに計算し直すと、2026 年度の地方交付税を約 6000 万円多く受け取っていた可能性があると明らかにした [3]。市長は総務省から求められれば返す考えを示し、国勢調査に関わる企画管理部の部長と部次長を 10 月 5 日付で配置換えするとしている [3]。
総務省統計局長が 9 月 29 日に統計法違反の疑いで富山県警へ告発したのは、国勢調査を行った当時の氏名不詳の市職員で、総務省は告発の事実を次のように説明している [1]。
被告発人は、令和 7 年 10 月 1 日現在で実施された国勢調査の事務において、国勢調査員等が作成し、富山市に提出した調査世帯一覧の一部に対し、国勢調査員が現地調査により居住実態なしとして抹消した世帯を特段の根拠なく存在するものとして取り扱い、又は末尾に居住実態がない世帯を追加するとともに、当該世帯の調査票を作成して富山市の人口を水増しした疑いがある。
総務省(統計法違反の疑いに係る告発)
国勢調査では前もって世帯の一覧を作り、調査員が居住実態がないと確かめた世帯には鉛筆で二重線を引いて消すことになっているが、総務省が市から聞き取ったところ、市がこの線を消しゴムで消して世帯を戻していたとみられる [4]。総務省の関係者は、関わった職員は複数で、水増しされた人数は少なくとも 2000 人とみており [3][4]、藤井市長も 10 月 1 日、組織的な問題は否めないと述べていた [4]。
富山市の人口は、5 月に公表された国勢調査の速報値では 40 万 2133 人だったが、9 月 29 日に公表された確定値は 39 万 9197 人で、2936 人少なかった [2]。国勢調査の人口は地方交付税を算定するもとになっており、2026 年度の交付税は水増しされた速報値で計算され、総額 172 億 8000 万円の交付が決まって、市は一部をすでに受け取っている [2]。市は 9 月 30 日の時点で、水増しを 2900 人とすると約 2 億円にあたると試算していた [2]。過大に受け取った交付税を国に返す場合は、来年度の交付額から差し引かれるという [2]。
だれがなぜ水増しを指示したのかについて、藤井市長は 2 日、副市長や調査を所管する企画管理部長の指示はなかったとの認識を示したが、それを裏づける証拠を示したわけではなく、物的な証拠があれば提供してすべてを明らかにしてほしいと述べた [3]。2025 年の国勢調査は市の企画調整課の 6 人が担当しており、課長は 6 人が関わったかどうかを明らかにしていない [2]。
藤井比早之総務相は 2 日の会見で「誠に遺憾」と述べ、国勢調査は人口と世帯の実態を明らかにする最も基本的で重要な統計調査だとして、捜査機関から協力を求められれば適切に対応する考えを示した [3][5]。統計法は、基幹統計の作成に携わる者が統計を真実に反するものにした場合、6 か月以下の拘禁刑または 50 万円以下の罰金を科すと定めている [1]。
参考文献
- [1]総務省(統計法違反の疑いに係る告発)
- [2]読売新聞(富山市が人口水増し、地方交付税2億円ほど多く交付か…一部は既に受け取り)
- [3]KNB(国勢調査富山市人口水増し問題「市幹部の指示はなかった」藤井市長が会見で認識示す)
- [4]KNB(【富山市国勢調査人口水増し】鉛筆で二重線引き抹消した世帯 線を消しゴムで消し復活させたか)
- [5]共同通信(富山市人口過大報告問題「遺憾」と総務相)