JR 北海道の「くしろ湿原ノロッコ号」が 37 年の運行を終了
2026年10月10日 21:43
JR 北海道の釧網線で釧路湿原の中を走ってきた観光列車「くしろ湿原ノロッコ号」が 10 日、最後の運行を終えた [1][3]。1989 年に走り始めた列車で、車両が古くなったため 37 年で引退し、釧路駅で開かれた出発のセレモニーや沿線の駅には、地元の人や鉄道ファンが大勢集まった [1][3]。
「ノロノロ走るトロッコ列車」を名前の由来とするこの列車は、見どころでは速度を落とし、展望客車の大きな窓から湿原の景色や野生の動物を間近に見られるようにしていた [1]。1987 年に釧路湿原が国立公園になったことをきっかけに生まれ、タンチョウなどの野生動物を車窓から眺められる列車として人気を集めてきた [4]。JR 北海道によると、利用が少なく単独では維持が難しい赤字区間の釧網線を春から秋にかけて走り、観光客を呼び込む柱になっていたという [1]。
ラストランは 9、10 日の 2 日間で、9 日は釧路と川湯温泉の間を「ノロッコ川湯温泉号」として 1 往復し、10 日は本来の区間の釧路と塘路の間を 1 往復した [2]。ラストランの指定席券は発売日に売り切れている [1]。千歳市から来た人は「最後に乗れて本当に良かった。湿原の中を走っているところがとても印象に残った」と話した [6]。車掌を務めた原田浩昭さんは、最後の運行を終えて次のように語っている [6]。
本当に多くのお客様にお出迎えをいただいてほっとしているというのが率直な気持ち。仕事を車両から教わったと言いますか、本当に感謝いっぱいでありがとうと伝えたい。
HTB 北海道ニュース(多くのファンに見守られ「くしろ湿原ノロッコ号」が37年の歴史に幕 雄大な景色で人気の観光列車)
9 日午前 11 時半ごろには、標茶町の塘路駅の近くで、大きな撮影機材を抱えた 2 人が線路に入り込んで走っていく姿が目撃された [4]。線路への立ち入りは鉄道営業法で禁じられており、JR 北海道釧路支社は「悪質と判断される行為は警察と連携し厳正に対処してまいります」としている [4]。
釧網線ではこれに先立つ 9 月 24 日、遠矢と釧路湿原の間の線路脇で、通信ケーブルを支える木の柱 4 本に最大 10 センチほどの V 字の切れ込みが見つかった [5]。付近では約 1 キロにわたって線路沿いの木が切られたり草が抜かれたりしており、現場は列車を撮るファンが集まる場所だという [5]。JR 北海道は柱を金属で補強したうえで警察に相談し、被害届を出すことも考えている [4][5]。
ノロッコ号の車両は、17 日に撮影会が開かれる [1]。釧網線では 2027 年から、釧路と知床斜里の間で新しい豪華観光列車「赤い星」が走る予定である [1][3]。
参考文献
- [1]東京新聞(釧路ノロッコ号ラストラン 37年の歴史に幕)
- [2]JR 北海道(~37年間の感謝を込めて~「くしろ湿原ノロッコ号」ラストランでの取り組みを紹介します!)
- [3]UHB 北海道文化放送(『くしろ湿原ノロッコ号』37年の歴史に幕)
- [4]UHB 北海道文化放送(線路内を走る"撮り鉄"が…度を越えた行為に鉄道ファンも怒り)
- [5]HTB 北海道ニュース(【ラストランに水差す】JR釧網線で通信柱に切断痕 運行終了間際の観光列車の撮影スポットで)
- [6]HTB 北海道ニュース(多くのファンに見守られ「くしろ湿原ノロッコ号」が37年の歴史に幕 雄大な景色で人気の観光列車)