カズオ・イシグロ氏の 6 年ぶりの長編、日本語版も英米と同じ日に発売
2026年10月8日 20:59
早川書房は 10 月 8 日、2017 年にノーベル文学賞を受けた英国の作家カズオ・イシグロ氏(71)の 6 年ぶりの長編小説『ミス・ランバート、危険に飛び込む』を、2027 年 3 月 9 日に発売すると発表した [1]。英国と米国でも同じ日に発売され、イシグロ氏にとっては 2021 年の『クララとお日さま』に続く 9 作目の長編になる [1][2]。
原題は「Miss Lambert Steps Aboard Danger」で、英国での版元のフェイバー・アンド・フェイバー社が 6 月に刊行を発表し、米国ではクノップ社が出す [2]。戦争が迫る 1938 年の英国が舞台で、謎めいたミス・ランバートと出会った青年リチャード・ハドリーは、彼女を追ってデボン州のホテルで開かれる会議へ向かい、さらにスコットランド行きの列車で学校時代の友人や保守党の元閣僚らと顔を合わせる [1][2]。物語は、青年がやがて国家規模の陰謀に巻き込まれていく筋立てだという [1]。
フェイバー社の出版責任者アンガス・カーギル氏は、6 月の発表で新作を次のように紹介している [2]。
音楽と美術、黄金時代の映画への愛情を下敷きにした、イシグロ作品の味わい深い新機軸だ。
The Guardian(Kazuo Ishiguro announces 1930s spy caper to be published next year)
1954 年に長崎で生まれたイシグロ氏は、海洋学者だった父の研究のため、5 歳だった 1960 年に家族と英国へ移り住んだ [3]。1989 年に『日の名残り』でブッカー賞を受け、2017 年にはスウェーデン・アカデミーから「大きな感情の力をもつ小説で、世界とつながっているという私たちの幻想の下にある深淵を明らかにした」と評されてノーベル文学賞を受けている [3][4]。黒澤明監督の『生きる』を脚色した 2022 年の英国映画『生きる LIVING』では脚本を担当し、アカデミー賞の脚色賞の候補になった [3][4]。10 代のころはシンガーソングライターを目指しており、最も新しい著書も、米国のジャズ歌手ステイシー・ケントのために書いた歌詞をまとめた本だった [2][3][4]。
日本語訳は早川書房から出ており、ノーベル賞が決まった直後の 2017 年 10 月 14 日の時点で、翻訳された小説 8 作の累計発行部数は増刷分を含めて約 203 万部に達していた [4]。前作『クララとお日さま』も、2021 年 3 月に英国、米国、日本で同時に出版された [4]。
参考文献
- [1]読売新聞(カズオ・イシグロさん、来年3月9日に長編小説「ミス・ランバート、危険に飛び込む」発売…早川書房)
- [2]The Guardian(Kazuo Ishiguro announces 1930s spy caper to be published next year)
- [3]Wikipedia(Kazuo Ishiguro)
- [4]ウィキペディア(カズオ・イシグロ)