『ガラスの城』の漫画家わたなべまさこさんが 97 歳で亡くなる
2026年10月13日 11:58
日本の少女漫画の草分けで、『ガラスの城』や『聖ロザリンド』などで知られる漫画家のわたなべまさこ(本名:渡辺雅子)さんが 10 月 3 日、97 歳で亡くなった [1][2]。13 日に公式の X が伝えたもので、「まんがとともに 97 年の生涯を駆け抜け」、最期は穏やかに、眠るように旅立ったとしている [2]。
1929 年に東京で生まれ、上野学園短期大学を中退したのち、19 歳で結婚してから手塚治虫の作品に刺激されて漫画家を志した [1][2][3]。挿絵画家を経て 1952 年に『小公子』でデビューし、貸本向けに母と娘の情愛を描いた物語で評判を呼んでいる [1][3]。
人気を確かなものにしたのは、1960 年代から 70 年代にかけて描いた、悪意を秘めた少女のたくらみをめぐるサスペンスだった [1]。1970 年から 71 年に「週刊マーガレット」で連載した『ガラスの城』は 71 年に小学館漫画賞を受け、73 年の『聖ロザリンド』では、金髪に青い目の天使のような幼い少女が次々と残酷な殺人を重ねる物語が大きな反響を呼んだ [2][4]。同じころにはウィリアム・アイリッシュの『幻の女』など、海外のミステリーの漫画化も手がけている [3]。80 年代以降は新しく生まれたレディースコミック誌などに活動の場を移し、短編連作の『悪女シリーズ』や、のちにテレビドラマになった『独りまつり』などで大人の女性に向けた愛憎劇を描いたほか、1993 年から 2011 年までの約 18 年にわたって、中国の古典を原典とする『金瓶梅』を連載した [1][3]。
2002 年に日本漫画家協会賞の文部科学大臣賞を受け、2006 年には女性の漫画家として初めて旭日小綬章を受章した [1][2][3]。1991 年から 2003 年にかけては各時代の作品を集めた『わたなべまさこ名作集』が全 100 冊で刊行され、2017 年には『聖ロザリンド』が 44 年ぶりの描き下ろしの第 0 話を加えて再刊されている [3]。「現役最高齢の漫画家」として 91 歳で完全な新作を発表するなど、晩年まで漫画を描き続けた [2]。
公式の X は、本人から生前に預かっていたメッセージも公開した [2]。メッセージでは、2008 年に出した本の題でもある『まんがと生きて』を引いてあっという間の人生だったと振り返り、ファンや仕事でかかわった人、身の回りの世話をしてくれた人、家族への感謝をつづっている [2][3]。2012 年に亡くなった夫で陶芸家の渡辺六郎さんとも久しぶりに会えると思う、と記したうえで、以前訪れたパリの写真をずっと机に置いていたと明かし、こう結んだ [2][3]。
寂しい時は、私はパリにいるとでも思ってくださいね。またねー。
スポニチ(漫画家・わたなべまさこさん死去、97 歳、少女漫画界の巨匠、名作「ガラスの城」など)
遺された原画や未公開の作品は、今後、公式が紹介していくという [2]。
参考文献
- [1]熊本日日新聞(共同通信、わたなべまさこさん死去、少女漫画家の草分け)
- [2]スポニチ(漫画家・わたなべまさこさん死去、97 歳、少女漫画界の巨匠、名作「ガラスの城」など)
- [3]Wikipedia(わたなべまさこ)
- [4]Wikipedia(聖ロザリンド)