トランプ氏を批判してきたオマル米下院議員の自宅を連邦捜査官が捜索
2026年10月13日 12:51
米国土安全保障省の国土安全保障捜査局(HSI)の捜査官が 12 日、民主党のイルハン・オマル下院議員(ミネソタ州選出)の首都ワシントンの自宅を、裁判所の令状に基づいて捜索した [1][2]。容疑の中身は明らかになっておらず、11 月 3 日の中間選挙まで 3 週間あまりという時期の捜索に、民主党は強く反発している [1][3]。
捜索について司法省の報道担当者は「この執行措置は継続中の連邦の刑事捜査の一環だ」とする声明を出しただけで、詳しい説明はしていない [2][4]。CBS ニュースは関係者の話として、オマル氏が子どものころに父親(故人)が記入した移民関係の書類をめぐり、捜査当局が虚偽の申告や移民詐欺の疑いを調べていると報じた [5]。トッド・ブランチ司法長官も捜索を把握していたという [5]。
オマル氏は捜索のあと SNS に「私は黙らない」と書き込み、トランプ大統領による政治的な威嚇がさらに強まったものだと非難した [1][2]。事務所も声明を出し、「議員は何も悪いことをしていない」と訴えている [6]。
今回のトランプ政権の国土安全保障省による家宅捜索は、ひどい権力の乱用であり、政敵を狙って連邦の法執行機関を武器にする動きを、かつてないところまで推し進めるものだ。ドナルド・トランプ氏は 10 年にわたり、扇動的な言葉でオマル議員を執拗に攻撃し、繰り返し標的にしてきた。
Representative Ilhan Omar(Office of Rep. Ilhan Omar Statement on DHS Raid)
12 日に記者団から問われたトランプ氏は、捜索とは「何の関係もない」と述べる一方で、オマル氏を「ひどい人物だ」と呼び、「それは司法省が決めることだ」と語った [5]。政権の幹部はこれまでも、オマル氏が移民の手続きで不正をしたと繰り返し主張してきた [2][4]。マークウェイン・マリン国土安全保障長官は先月、捜査が続いていると明かして「何かが起きるだろう」と話しており、オマル氏はこうした主張を「おぞましいうそ」だとして否定している [4]。
選挙の前 60 日以内には候補者がかかわる表立った捜査を避けるのが司法省の長年の慣行とされ、中間選挙で再選を目指すオマル氏への捜索には、時期の面でも疑問の声が上がる [4]。下院民主党のハキーム・ジェフリーズ院内総務らは連名の声明で、捜索は「深く憂慮すべきもの」だとし、トランプ氏に敵対する人々に対して連邦政府が腐敗した形で武器として使われ続けていることに重大な疑問を投げかけると批判した [3][5]。ミネソタ州のティム・ウォルズ知事も「トランプ大統領は選挙の数週間前に、政敵を追い詰めるために権力を乱用している」と述べ、同州選出で共和党のトム・エマー下院議員は「法の上に立つ者はいない」と捜索を歓迎した [1]。
ソマリア生まれのオマル氏は 2018 年に初当選し、ミネアポリスを含むミネソタ州第 5 区を地盤としている [4]。ラシダ・トレイブ議員とともにイスラム教徒の女性として初めて連邦下院に入り、アフリカからの難民として初めての連邦議員でもある [1][4]。2024 年の選挙では 74% の票を得て再選されたが、トランプ氏はたびたび名指しでオマル氏を攻撃し、ソマリアへ「帰るべきだ」とまで発言してきた [1]。
参考文献
- [1]BBC News(Immigration agents search congresswoman Ilhan Omar's home)
- [2]The Guardian(Ilhan Omar says she will not be silenced after federal agents raid her home)
- [3]The Guardian(Democrats rebuke federal raid of Ilhan Omar’s home: ‘rogue abuse of power’)
- [4]PBS News(Omar says she won't 'be silenced' after federal agents search her home, blasting Trump for 'intimidation' campaign)
- [5]CBS News(Rep. Ilhan Omar's D.C. home searched by Homeland Security investigators)
- [6]Representative Ilhan Omar(Office of Rep. Ilhan Omar Statement on DHS Raid)