アルバニアで学生の抗議が警察との激しい衝突に発展、地方都市にも拡大
2026年10月17日 05:30
アルバニアの首都ティラナで 13 日に始まった学生の抗議が暴力的な衝突に発展し、16 日まで 4 日続いたうえ、ドゥラス、シュコドラ、コルチャ、エルバサンなどの地方都市にも広がった [1][2]。学生たちは教育省の前に集まり、大学の環境の改善や将来の仕事への不安、学費や本の高さを含む暮らしの苦しさを訴え、政府の退陣も求めている [1][3][2]。
14 日には覆面をした一部の参加者が石や火炎瓶を投げ、教育省の 1 階が放火されたほか、首相府や議会、憲法裁判所、財務省、内務省、インフラ・エネルギー省、周りの商店も襲われた [4]。警察は催涙ガスと放水銃で応じ、衝突は深夜まで続いて、パトカーや警察署も襲撃されている [4]。保健省によると、ティラナの外傷病院では警察官 61 人と参加者 18 人の計 79 人が手当てを受け、別の病院でも 10 人が治療を受けている [4]。国営通信は、初日の 13 日だけで 16 人が暴力行為にかかわったとして逮捕されたと伝え [3]、15 日に予定されていた議会の審議は取りやめになった [4]。
ラマ首相は 16 日、抗議の中で焼け落ちた売店の前に立ち、暴力を主導しているのは学生ではないとして、野党と「外国の勢力」が混乱をあおっていると非難した [2]。ただし外国の勢力がどこを指すのかは明かさず、証拠も示していない [2]。
覆面をした者たちが街を人質に取っているこの事態は、よりよい暮らしを望む人々の不満や問題、正当な願いとは何の関係もない。
Balkan Insight(Albania PM Defiant as Protests Spread to Provincial Cities)
4 期目に入っているラマ氏は辞任を否定し、政権を代えるなら選挙で決めるべきだと述べており、率いる社会党は昨年の総選挙で大勝している [1][2]。ロイター通信に寄せた声明では、教育費の上昇については話し合う用意があるとしながらも、EU への加盟交渉をまとめるために強い信任を受けた以上、辞めれば国民への裏切りになると述べた [5]。最大野党の民主党を率いるベリシャ元首相は、ティラナの街にこれほどの「獅子」のような学生が現れたことはないと参加者をたたえたが、BBC は、少人数の支持者しか集められなかったベリシャ氏が今回の混乱を仕組めたのかを疑う見方もあると伝えている [1][3]。
抗議の下地には夏から続いた「フラミンゴ」と呼ばれる運動があり、この運動は 6 月、米国のトランプ大統領の娘婿クシュナー氏が関わる南西部の港町ヴロラ近くの高級リゾート開発に反対する環境保護の訴えとして始まり、首相の辞任を求めて 135 日続いた [1][2]。閣僚の汚職をめぐる疑惑も広がり、副首相の 1 人は国外へ逃れ、もう 1 人は捜査が続くなかで職を退くよう命じられている [1]。
警察の対応にも批判が集まり、地元の報道機関エグジットによると、私服で覆面をした警察官が中心部の広場で若者を次々に連れ去ったとの証言が相次ぎ、国家警察は 16 日、若者に暴力を振るう様子が動画に映っていたティラナの警察官 2 人を停職にして、懲戒の調べを始めた [6]。欧州連合(EU)への加盟の有力な候補とされるアルバニアの混乱に、欧州も目を向けている [1]。
参考文献
- [1]BBC News(Albanian protests turn violent: What we know)
- [2]Balkan Insight(Albania PM Defiant as Protests Spread to Provincial Cities)
- [3]BBC News(Albania protests: Student protesters attack government ministries in Tirana)
- [4]Balkan Insight(Albanian PM Blames Opposition After Another Night of Violent Clashes)
- [5]Al Jazeera(Albania’s PM dismisses calls to resign as student protests spread)
- [6]Exit News(Albanian police accused of beating and detaining youths as Tirana unrest enters fourth day)