アルバータ州の分離を問う住民投票を前に、カーニー首相が結束を呼びかけ
2026年10月13日 14:49
カナダ西部のアルバータ州で 19 日、州がカナダから分離する手続きに入るかどうかを問う住民投票が行われるのを前に、マーク・カーニー首相は 12 日の感謝祭に合わせたビデオメッセージで国の結束を訴えた [1]。投票の結果に法的な拘束力はないが、分離の是非そのものを決める拘束力のある住民投票へ進むかどうかが問われており、13 日からは期日前投票が始まっている [1][2][3]。
有権者は 10 枚の投票用紙を受け取り、分離をめぐる 10 番目の問いでは、「アルバータはカナダの州にとどまるべきだ」と「州政府は、州がカナダから分離するかどうかを決める拘束力のある住民投票を開くため、カナダ憲法が求める法的な手続きを始めるべきだ」のどちらかを選ぶ [2]。残る 9 問は、州が移民の受け入れをより強く管理することや、ほかの州と組んで連邦上院の廃止などの憲法改正に取り組むことへの賛否を問うものだ [2]。
自身が育ったエドモントンにある母校の高校の教室で撮影したメッセージで、カーニー首相はカナダの経済や安全保障が脅威にさらされていると警告し、「断層の上に大きなものは築けない」と語った [1]。分離は「長く不確かな過程」になるとも述べている [4]。
州首相のダニエル・スミス氏はカナダへの残留に票を投じると明らかにする一方で、最初の 9 問にはすべて賛成してほしいと呼びかけ、連邦政府と交渉するうえでの材料にしたい考えを示す [4][5]。7 日には米実業家のイーロン・マスク氏が X に、ケベック州だけでなく「アルバータとサスカチュワンも分離すべきだ」と書き込み、両州の首相がそろって退けた [1][5]。スミス氏は 10 日、自身のラジオ番組でこう話した [6]。
アメリカ人が私たちの議論に口を出すと、かえって反発の声を多く耳にする。これはアルバータ州民が決めることだと思う。州民は 10 月 19 日にその機会を得る。
Calgary Herald('For Albertans to decide': Smith says Americans like Musk can stay in their lane)
分離を求める動きの根には、州経済の柱である石油・天然ガス産業が連邦政府のエネルギー・環境政策に不当に狙われているという長年の不満がある [1]。カナダの有力紙グローブ・アンド・メールは今月、米共和党の関係者が州内の分離派の運動員と会って選挙戦術を話し合っていたと報じ、分離派がアメリカの支援と引き換えに州の水資源や石油のロイヤルティーを差し出すと持ちかけたともされたが、分離派の指導者はこれを否定した [1]。ケベック州では先週の州議会選挙で、独立を掲げるケベック党が 129 議席のうち 59 議席を得て第一党となり、10 年あまりぶりに政権に返り咲いた [1]。
世論調査では独立に反対する州民が多数を占める [1]。トロント大学のグレース・スコグスタッド名誉教授は、カナダの結束が本当に脅かされているとはみていないものの、一つの問いに医療と教育の二つの論点が入っているものもあり、結果の解釈は難しくなると指摘している [4]。
参考文献
- [1]Al Jazeera(Canada’s Carney calls for unity as Alberta prepares for secession vote)
- [2]Elections Alberta(Referendum)
- [3]Calgary Herald(Countdown on to Oct. 19 Alberta referendum. What you need to know)
- [4]Global News(Advance voting opens as experts debate meaning of Alberta referendum results)
- [5]Global News(Alberta, Saskatchewan premiers shut down Elon Musk’s call for separation)
- [6]Calgary Herald('For Albertans to decide': Smith says Americans like Musk can stay in their lane)