エチオピアがエリトリアの侵攻を国連安保理に訴え
2026年10月10日 21:43
エチオピアのゲディオン・ティモテウォス外相は、隣国エリトリアが北部ティグレ州へ「全面的な侵攻」を仕掛けたとして、国連安全保障理事会の理事国に書簡を送った [1]。8 日付の書簡はエリトリア軍がティグレ州に最大 60 キロ入り込んだとし、その行動を「エチオピアの固有の自衛権を発動させる、あからさまな侵略行為」と非難したうえで、次のように訴えている [1][2]。
エチオピアが自らを守るほかに道を残されていないこの困難な時に、私たちは皆さんの理解と支援、連帯を頼りにしている。
BBC News(Ethiopia warns Eritrea it will defend itself after troops enter Tigray)
エリトリアのイエマネ・ゲブレメスケル情報相は X で、エチオピアから「いわれのない侵略戦争」を仕掛けられているのはエリトリアのほうだと反論し、エチオピアは反体制派を名乗る「傭兵」をかくまってエリトリアの政権を倒そうとしていると主張した [1][2]。エチオピアが紅海への出口を求めていることについても、エリトリアへの侵略戦争をねらってきたこれまでの意図とあわせて見るべきだと述べている [2]。エリトリアのオスマン・サレハ外相も 10 日、安保理に書簡を送った [3]。
ティグレ州北部のアディグラトでは 7、8 日の両日、エチオピア軍がエリトリア軍を無人機で攻撃したとみられ、米国の紛争監視団体 ACLED は、アディグラトにいた「エリトリア軍の部隊と弾薬」が「複数の無人機攻撃」を受けたとしている [1]。攻撃のあとエリトリア軍は北へ退いているようだという証言がある一方、死傷者は確かめられていない [1]。AFP 通信に匿名で話した外国の治安関係者は、ティグレ州にいるエリトリア兵を 5000〜8000 人と見積もった [2]。
戦闘は 2 週間前、連邦政府と州を握るティグレ人民解放戦線(TPLF)の間で始まった [1]。双方は 2022 年に内戦を終わらせた合意を相手が破ったと非難し合っており、エチオピアはエリトリアが TPLF を支えているとみるが、エリトリアは否定している [1]。政府軍は先週 TPLF から州都メケレを奪い、TPLF はシレとアディグラトも失って、エリトリア国境に近いシェラロへ退いているという [1][2]。エチオピア航空は、メケレへの便を 11 日から再開すると発表した [2]。
エリトリアは 1993 年にエチオピアから独立し、1998〜2000 年には両国が国境紛争を戦っている [2]。2018 年にアビー首相が就任してから関係が正常化し、2020〜22 年の内戦ではエリトリア軍がエチオピア政府の側について TPLF と戦った [1][2]。内戦の後は、紅海の港を手に入れたいというアビー首相の思惑などから関係が冷え込み、先週には国交を断っていた [1]。海への出口を持たないエチオピアの主張を、エリトリアはアッサブ港を奪う侵攻の予告と受け止めている [2]。
オスロ新大学のシェティル・トロンボル氏は AFP 通信に、TPLF は士気が落ちて弱っていると話し、アビー首相について「国境で止まるとは思わない」と語った [2]。
参考文献
- [1]BBC News(Ethiopia warns Eritrea it will defend itself after troops enter Tigray)
- [2]France 24(Eritrea and Ethiopia accuse each other of provoking war as Tigray rebels retreat)
- [3]エリトリア情報省(Eritrea: Foreign Minister Osman Saleh Sends Letter to the UN Security Council)