ユーロ圏の 9 月の物価上昇率が 3.8% に
2026年10月2日 20:10
欧州連合(EU)の統計局ユーロスタットが 10 月 2 日に発表した速報値で、ユーロ圏の 9 月の消費者物価指数(HICP)は前年同月より 3.8% 上がり、8 月の 3.2% から伸びが大きく強まった [1]。3.8% を上回ったのは 4.3% だった 2023 年 9 月が最後で、3 年ぶりの高い伸びになる [2]。
押し上げたのはエネルギーで、上昇率は 8 月の 14.3% から 18.8% に跳ね、前月と比べても 3.9% 上がった [1]。米国とイランの戦争でホルムズ海峡を通る中東からの燃料の供給が大きく乱れており [2]、オランダの金融大手 ING のチーフエコノミスト、ベルト・コライン(Bert Colijn)氏は、原油の値段は 2022 年やこの春の天井より低いものの、ガソリン(ユーロ 95)の価格は過去最高に達したと指摘する [3]。
エネルギー以外では、サービスが 3.0% から 3.2%、食品・アルコール・たばこが 1.1% から 1.4% に上がり、生鮮などの未加工食品は 2.7% から 4.0% へと加速した [1]。エネルギーと食品などを除く基調的な物価(コア)は 2.4% から 2.5% へ小幅に上がり、エネルギーを除く工業製品は 1.2% から 1.1% へ下がっている [1]。
国別では、ドイツが 3.3%、フランスが 3.4%、イタリアが 4.1%、スペインが 5.0% で、主な国はいずれも 8 月の伸びを上回った [1]。最も高かったのはリトアニアの 6.1% で、最も低かったのはマルタの 2.4% だった [1]。ユーロ圏は 2026 年 1 月にブルガリアが加わり、21 か国になっている [1]。
欧州中央銀行(ECB)の物価目標は 2% で、ECB は 6 月に 2023 年以来の利上げに踏み切り、9 月 10 日にも主要な 3 つの政策金利を 0.25 ポイント引き上げて、中銀預金金利を 2.50% にした [2][4]。ECB の職員は 9 月の見通しで、2026 年の物価上昇率を平均 3.0% とみている [4]。AFP 通信によると、ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想は 3.7% で、結果はそれよりも高かった [2]。
投資サービスの eToro のラレ・アコネル(Lale Akoner)氏は、上昇の多くはエネルギーによるもので、コアは予想どおりの 2.5% だったことから、ECB にはすぐに動かず様子を見る余地があるとみる [5]。それでもサービスの伸びや消費者の物価見通しの高まりから、10 月の利上げは不確かでも、ECB は引き締めに傾いた姿勢を保つとしている [5]。ING のコライン氏は今回の数字を次のように評した [3]。
Ouch. Eurozone inflation blew past expectations in September, soaring to its highest level since 2023. Energy inflation remained the main driver of the higher rate.
ING THINK(Eurozone inflation soars to 3.8% in September)
コライン氏は、食品とコアの伸びにエネルギー高が他の値段へ広がり始めた兆しがみえるとしつつ、まだごく初期の材料にすぎないとも書いており、賃金の伸びが高まるなかで、エネルギー高が賃金などを通じて広く物価を押し上げる二次的な影響への懸念は、なお残るという [3]。9 月の全体のデータは 10 月 16 日に公表される [1]。
参考文献
- [1]Eurostat(Euro area annual inflation up to 3.8%)
- [2]France 24(Eurozone inflation hits three-year high at 3.8% in September)
- [3]ING THINK(Eurozone inflation soars to 3.8% in September)
- [4]ECB(Monetary policy decisions)
- [5]The Guardian(Diesel hits £2 a litre for first time; eurozone inflation rate surges to 3.8% - business live)