英首相が日英伊の次期戦闘機 GCAP へのドイツの参加に前向きな姿勢を示す
2026年10月10日 02:52
英国のバーナム首相は 10 月 8 日、ベルリンでメルツ独首相と会談したあとの記者会見で、日本、英国、イタリアが共同で開発する次期戦闘機の計画「グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)」にドイツが加わることに前向きな考えを示した [1][2]。英首相府の発表によると、両首脳はドイツの参加の見通しについて話し合い、それぞれの担当者にさらに協議を進めさせることで一致した [3]。
バーナム氏は会見で「ドイツが GCAP に加わることに私たちが前向きであることを首相に伝えた」と述べ、イタリアや日本と協力しながら今後この話を進めたいと語った [1][2]。首相に就いてから初めてのベルリン訪問で、両首脳は 2025 年 7 月にロンドンで署名した英独の友好条約「ケンジントン条約」の批准書を交わし、条約を発効させている [4][5]。
ドイツはフランス、スペインと次世代の戦闘機を共同で開発する計画を進めてきたが、主導権をめぐる独仏の企業の対立から、計画は 6 月に行き詰まった [1][2]。いまは自国の企業連合による独自の開発やスウェーデンとの共同開発に加え、GCAP への参加も選択肢に残している [1]。ポリティコによると、ドイツの政府高官は匿名を条件に、今回の動きを次のように説明した [2]。
これは決定でも、決定の前段階でもない。ドイツがこの分野で協力の相手を探し、見つけられるかもしれないという取り組みの、最初の小さな一歩だ。
POLITICO(Burnham signals ‘openness’ to Germany joining GCAP fighter jet program)
同じ高官は、ドイツはまだ何も決めておらず、あらゆる道を探っている段階だとしたうえで、メルツ氏がドイツ単独ではなく欧州としての解決を望んでいると付け加えている [2]。
GCAP は 2022 年 12 月に日英伊の 3 か国が計画を発表し、2023 年 12 月に東京で結んだ条約で、計画を管理する国際機関 GIGO を英国のレディングに置いた [6]。機体の設計と製造は、英国の BAE システムズ、イタリアのレオナルド、日本の三菱重工業を中心とする企業連合が 3 分の 1 ずつ出資する合弁会社エッジウィングが担い、2026 年 4 月に 6 億 8600 万ポンド、7 月に 46 億ポンドの契約を受けた [6]。日本は航空自衛隊の F-2 戦闘機の後継として、2035 年の配備開始を目指している [1][6]。
ドイツが加われば開発費を分け合える利点がある一方で、日程が遅れるおそれがあるとの指摘もある [1]。3 か国はもともと参加国を増やすことに慎重で、国ごとの作業の取り分が減ったり計画が遅れたりすることを懸念しており、レオナルドの最高経営責任者は 7 月、ほかの国が加わるなら今後 12 か月のうちでなければならないと述べていた [2]。7 月にはカナダがオブザーバーとして加わり、将来の機体の導入に向けて一定の情報を共有している [1][6]。
参考文献
- [1]読売新聞(日本などによる次期戦闘機開発「GCAP」へのドイツ参加、バーナム英首相が前向き…開発が遅れるとの指摘も)
- [2]POLITICO(Burnham signals ‘openness’ to Germany joining GCAP fighter jet program)
- [3]GOV.UK(PM meeting with Chancellor Merz of Germany: 8 October 2026)
- [4]Bundesregierung(Pressestatement von Kanzler Merz und dem britischen Premier Burnham)
- [5]GOV.UK(Joint UK-Germany Statement - Berlin, 8 October 2026)
- [6]Wikipedia(Global Combat Air Programme)