簗農相が衆院選での支援者の無料送迎を認め、違法性は否定
2026年10月13日 12:37
簗和生農林水産相は 13 日の衆院予算委員会で、2024 年と 2026 年の衆院選の公示日に開いた出陣式の会場まで、陣営が手配したシャトルバスで支援者を無料で送迎していたことを認めた [1][2]。週刊文春が「買収疑惑」として報じ、公職選挙法に違反する疑いがあるという有識者の見方も伝えられていたが、簗氏は費用を会場費の一部として計上したと説明し、違法性はないとの立場を崩していない [1][3]。
質問に立ったのは自民党の田村憲久元厚生労働相で、簗氏は会場の駐車スペースに収まらない来場者のために臨時の駐車場を設け、そこから会場までバスで運んだと説明した [1]。スタッフが事前に選挙管理委員会へ問い合わせ、会場費の一部として計上したといい、「利益供与や寄付を行ったということでは一切ない」とも強調している [1]。週刊文春によれば、2 回の出陣式でバスに乗った支援者は計 200 人にのぼる [3]。
地域がら、公共交通機関もなく、お年を召された人やつえをついて歩行する人も多くいる。寒い夜の中、移動してもらうことは大変負担になることも想定されたので、人道上の観点もあってシャトルバスを用意した。
産経ニュース(「言う必要ない」自民・田村氏が簗農水相発言を追及 無料シャトルバスは「会場費」と簗氏)
5 月 24 日に開かれた自民党大田原支部の懇親会で、簗氏は 2 月の衆院選で自身を支援しなかった首長の自治体を名指しし、「令和 8 年度の道路予算については大幅にカットをしました」と述べていた [3]。週刊文春の電子版がその音声を報じたのは 9 月 30 日で、簗氏が 9 月 17 日の内閣改造で初入閣してから 2 週間足らずのことである [3][5]。名指しされたのは栃木県の那須烏山市と那珂川町で、保守分裂となった 2 月の選挙で簗氏は栃木 3 区で敗れ、比例代表で復活当選している [1][4]。
道路予算をめぐる発言には、同じ自民党の田村氏も「信じられない。あり得ない話だ」と厳しい言葉を向けた [1]。簗氏は地元から問い合わせを受けて国土交通省に配分の状況を尋ね、その結果を党支部の会合で伝えたと説明し、「予算の減額を求めたという事実は一切ない」と重ねて否定した [1]。10 月 5 日に撤回した発言については「改めて私の不徳を恥じ、関係者や国民、地元、多くの皆さまに心からおわびを申し上げる」と陳謝し、田村氏から「国民の皆さんに理解をもらわなければ、高市内閣は大変なことになる」とくぎを刺されている [1][3]。
9 日の参院の代表質問では、高市早苗首相が簗氏について「豊富な知識と政策構築力を生かして人一倍働いてほしい」と述べ、続投させる考えを示した [6]。参院の野党 6 党は同じ日に問責決議案の提出を検討することで一致しており、与党が少数の参院で足並みがそろえば、可決される可能性もある [7]。野党は 13 日の予算委での説明を踏まえて提出の是非を決める方針で、簗氏はこの日午前の閣議後の記者会見でも「引き続きしっかりと説明を尽くして、真摯に対応していきたい」と語るにとどめ、辞任には触れなかった [8]。
衆院予算委は 14 日も開かれ、野党は簗氏への追及を強める構えだ [2][6]。
参考文献
- [1]産経ニュース(「言う必要ない」自民・田村氏が簗農水相発言を追及 無料シャトルバスは「会場費」と簗氏)
- [2]熊本日日新聞(簗農相、無料バス送迎を認める 「人道上の観点」と違法性否定)
- [3]文春オンライン(恫喝音声の渦中に「クソみたいな質問をしてくる記者」発言…簗和生農相が今度は被災地・熊本で“記者愚弄”放言をしていた《新たな重大疑惑も発覚》)
- [4]東京新聞(「よっぽど悔しかったんだろう」…簗和生農相、追い込まれた末の予算カット発言か 地元栃木 3 区の深い確執)
- [5]ウィキペディア(簗和生)
- [6]読売新聞(高市首相、簗農相「人一倍働いてほしい」…代表質問で改めて続投させる方針示す)
- [7]読売新聞(予算カット発言の簗農相への「問責決議案」、参議院6野党の「足並み」そろえば可決される可能性も)
- [8]熊本日日新聞(問責検討の簗農相「説明尽くす」 騒動で農水省業務増え、増員も)