クマの緊急銃猟が広島県で初めて行われる
2026年10月12日 17:20
広島市安佐北区勝木の畑で 10 月 12 日、箱わなにかかったツキノワグマ 1 頭が見つかり、自治体の判断で発砲できる「緊急銃猟」で駆除された [1][3]。区によると、広島県で緊急銃猟が行われたのは初めてで、けが人はいなかった [1]。
クマがかかっていたのは住宅の畑にある箱わなで、市の委託で有害鳥獣の駆除を担う猟友会のメンバーが、見回りの途中の午前 7 時 45 分ごろに見つけて区に知らせた [1][2]。市などは警戒本部を置き、周辺の住民に屋内へ退避するよう呼びかけて交通を規制し、見つかってから 5 時間半ほどたった午後 1 時 15 分ごろに散弾銃で駆除した [1][2]。体長 1.1 メートル、体重 28.1 キロの若い雄とみられる [1]。近くに住む人は広島テレビの取材に、こう不安を口にした [2]。
不安ですよね。2、3 回その辺に来たことがある。シカは多いがクマはそれほど数は多くはない。夜は出ない方がいいかなと思う。
広テレ!NEWS NNN(クマ駆除で県内初の「緊急銃猟」を実施、広島市安佐北区の畑で箱わなにかかる)
緊急銃猟は 2025 年の鳥獣保護管理法の改正で生まれ、同じ年の 9 月 1 日に始まった制度で、住宅の集まる地域での銃猟を禁じた規定の例外にあたる [4]。クマなどが人の日常生活圏に入り込んで命や体への危害を防ぐ手だてが急がれ、銃でなければ素早く確実に捕まえられず、避難などで住民に弾が届くおそれもない、という条件がそろえば、市町村長は猟友会などに委託して住宅の近くでも銃を撃たせることができる [4]。対象は政令で「危険鳥獣」とされたヒグマとツキノワグマ、イノシシの 3 種で、市町村は通行の制限や避難の指示も出せるようになった [4]。
環境省のまとめでは、発砲に至った例は 2025 年 10 月 15 日の仙台市を最初に、2026 年 3 月 25 日までの間に 60 件あった [4][5]。ほとんどはツキノワグマが相手で、10 月 24 日には札幌市で初めてヒグマを対象に、12 月 17 日には埼玉県神川町でイノシシを対象に実施されている [4][5]。2026 年度に入ってからも 10 月 7 日の時点で 33 件を数え、東北や北陸に多いものの、7 月には奈良県や三重県、9 月以降は京都府や東京都八王子市、和歌山県にも広がり、中国地方の例はこの一覧にはまだ載っていない [6]。
制度をめぐっては、発砲を指示する自治体と実際に撃つ猟友会との間のあつれきや、撃った人が負う法的な責任のあいまいさを伝える報道があり、北海道と東北、新潟県の 8 道県の知事は、狩猟免許を持つ人を自治体の職員として雇う「ガバメントハンター」を確保できる環境づくりを求める要望を出していた [4]。環境省は 2026 年 3 月にクマ被害対策のロードマップをまとめ、4 月には箱わなでクマを捕まえる際の要点と注意点を示した資料も公表している [7]。
参考文献
- [1]東京新聞(共同通信、広島で初のクマ緊急銃猟、箱わなにかかった 1 頭駆除)
- [2]広テレ!NEWS NNN(クマ駆除で県内初の「緊急銃猟」を実施、広島市安佐北区の畑で箱わなにかかる)
- [3]中国新聞デジタル(広島で初のクマ緊急銃猟)
- [4]Wikipedia(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)
- [5]環境省(緊急銃猟の実施状況、2026 年 3 月 27 日更新)
- [6]環境省(緊急銃猟の実施状況、令和 8 年度、2026 年 10 月 7 日更新)
- [7]環境省(クマに関する各種情報・取組)