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文章題から二次不等式を立てる!高校数学の応用問題

文章題の山は、式を立てるところにあります。 の形まで持ち込めれば、あとは因数分解して符号を読むだけ。

立式でつまずく場所は決まっています。何を に置くか、 がどこまで動けるか、そして何と何を比べるのか。この 3 つを順に決めれば、式は自然に出てきます。

とくに 2 つ目が落ちやすい。長さは正、個数は 以上の整数、時間は 以上。この条件を書き忘れると、計算は合っているのに答えが違うということが起きます。

何を に置くかを決める

問われているものをそのまま に置きます。「縦の長さを求めよ」なら縦を にする。

置いたら、他の量を で表します。周の長さが の長方形で縦を とすれば、縦と横の和は なので横は

図に書き込むと、掛け算の相手が見えます。面積は縦かける横なので 。ここまで来れば不等式は書けます。

動ける範囲を先に書く

は長さなので 。横も長さなので 、つまり です。

この条件を、不等式を解く前に書いておきます。あとから思い出そうとすると忘れる。式を立てた直後が、いちばん書きやすいところです。

定義域は問題文には書かれていません。長さ、個数、時間といった言葉から自分で読みとります。

長さ・面積・体積は正の数
個数・人数は 以上の整数
時間は 以上で、上限がある場合も多い
割合は 以上 以下
値段は正で、多くは整数

例:面積が 以上になる範囲

周の長さが の長方形で、面積が 以上になる縦の長さを求めます。

面積は なので、不等式はこうなります。

展開して整理します。 の係数を正にそろえると、そのあとが楽になります。

両辺に を掛けたので、不等号の向きが変わりました。因数分解すると で、答えは内側です。

放物線が横線より上にある部分が、面積 以上の範囲です。 から まで。

定義域 と重ねます。 はまるごとこの中に入っているので、削られません。答えは です。

縦が のとき横は 、縦が のとき横は 。同じ長方形を向きを変えて見ているだけなので、答えが左右対称になっています。

例:投げ上げた物が高さ 以上にある時間

地面から真上に投げ上げた物の高さが で表されるとします。 はメートル、 は秒です。

高さが メートル以上になる時間を求めます。

で割ってから整理します。 の係数を正にそろえるので、向きが変わります。

より です。

投げてから 秒後に メートルを越え、 秒後に下回ります。その間の 秒間が答えです。

定義域も確かめます。地面に戻るのは から 秒。 の中に は収まっています。

グラフの形は放物線ですが、これは高さと時間の関係であって、物が飛んだ軌跡そのものではありません。真上に投げているので、軌跡は直線を往復します。

例:値上げと売上

円の品物が 個売れています。 円値上げするごとに、売れる数が 個減るとします。

売上を 円以上にするには、何回値上げすればよいかを求めます。

値上げの回数を とすると、値段は 円、売れる数は 個。売上はその積です。

左辺を展開します。

で割って整理し、 の係数を正にそろえます。

因数分解できないので解の公式を使います。 です。

なので、範囲はおよそ です。

ここで定義域が効きます。 は値上げの回数なので 以上の整数。さらに売れる数が正である必要があり、 から

整数に絞ると 通りです。値段でいえば 円から 円まで。

を確かめます。 で、 に届きません。範囲から外れているのは正しい。

例:土地に道をつくる

メートル、横 メートルの長方形の土地に、幅 メートルの道を縦横 本ずつ通します。残った土地の面積を 平方メートル以上にしたい。

道を端へ寄せて考えます。縦の道を右端へ、横の道を下端へ動かしても、残る面積は変わりません。

寄せたあとの残りは、縦 、横 の長方形 つです。

展開して整理します。

答えは外側なので または です。

定義域は 。道の幅は正で、縦の長さより短くなければなりません。 はこの範囲の外なので消えます。

定義域が答えを削った例です。数学だけで解けば つの区間が出ますが、道の幅として意味があるのは片方だけ。

例:単位をそろえてから立式する

時速 キロメートルで走る車の制動距離が メートルだとします。制動距離を メートル以内にする速さを求めます。

分母を払います。両辺に を掛けても、 は正なので向きは変わりません。

ですが、速さは正なので です。時速 キロメートル以下。

の単位はキロメートル毎時、制動距離の単位はメートル。式の中で単位が混ざっていますが、問題文がその形で与えているならそのまま使います。自分で単位を変えると係数が合わなくなります。

例:連続する整数

連続する つの正の整数があり、その積が 以下になるとします。小さいほうの数の範囲を求めます。

小さいほうを とすると、大きいほうは です。

より です。

は正の整数なので なら でちょうど条件を満たし、 なら で超えます。

整数の条件は最後に効きます。先に不等式を解いて、そのあとで整数に絞る順番です。

縦と横の和が の長方形で、面積が 以下になる縦の長さの範囲はどれですか。

  • または
  • または
__RESULT__

面積は で、 より です。答えは外側の または ですが、定義域 と重ねる必要があります。

答えを文章に戻す

不等式の答えが出たら、問題文の言葉に戻します。 で終わらせず、「縦の長さが メートル以上 メートル以下のとき」と書く。

単位を付け忘れると減点されることがあります。 が何を表していたかを、答えの行にもう一度書くと安全です。

個数や回数なら、具体的に列挙するほうが伝わることもあります。「 回から 回まで」より「 回」のほうが確かめやすい場面もある。

何を に置くかを決める

他の量を で表し、動ける範囲を書く

比べるものを不等式にする

解いてから定義域と重ね、文章に戻す

よくある誤り

定義域を書かずに解く。長さや個数の条件で、答えの片方が消えることがあります
を掛けたときに不等号を戻し忘れる。面積の式は の係数が負になりがちです
整数の条件を先に使う。不等式を解いてから絞る順番です
道の問題で道の面積を 回引く。縦と横の道が交わる部分を重複して引いています
単位を勝手に変える。問題文の式に合わせたまま計算します
答えを の範囲で書いて終える。何の長さか、単位は何かを文章で戻します
売れる数が負になる範囲を残す。売価や個数にも上限があります
グラフの形を物の軌跡と読み違える。高さと時間の関係を描いた図です

参考文献

Quadratic equation
Quadratic function
Solve Quadratic Inequalities, Mathematics LibreTexts
Quadratic Inequalities, Third Space Learning
Quadratic Inequalities, Algebrica
Inéquations du second degré, Wikiversité
Fonction du second degré
Diskriminante
一元二次方程
解く部分はもう習っています。難しいのは、何を $x$ に置き、$x$ がどこまで動けるかを決めるところ。長さは正、個数は整数、時間には上限がある。この定義域を書き忘れると、計算が合っていても答えが違います。面積、投げ上げ、値上げと売上、土地に通す道、制動距離、連続する整数を順に立式し、道の問題では定義域が答えの片方を丸ごと消す様子まで追いかけます。