二次不等式の解が別の解に「含まれる」条件を求める
次の問題を解きます。
の解が の解に含まれるような、実数 の範囲を求めよ。
つの不等式を別々に解くところまでは、いつもどおりです。難しいのは「含まれる」という条件を式に直すところ。
数直線に つの区間を描いて、片方がもう片方をすっぽり覆っているかを見ます。覆う側の区間が とともに伸び縮みするので、どこまで縮んでも覆えるかを詰める形になります。
それぞれを解く
つ目は因数分解できます。
この区間を と呼びます。 を含まないので、位置も長さも動きません。
つ目も分解します。定数項が 、 の係数が なので、足して 、掛けて になる 数は と です。
こちらを と呼びます。 解のうち片方が固定された 、もう片方が動く 。
の形は で変わる
の係数は で正なので、 の解は 解にはさまれた区間です。ただし、どちらが左かは しだい。

が より右にあれば区間は から まで、左にあれば から まで。 では区間がつぶれて 点になります。
の場合は覆えない
は です。左端の が入っているかを見ます。
のとき は から右へ伸びる区間で、 を含みません。 の左半分がはみ出すので、包含は成り立たない。
のとき は の 点だけ。 は幅のある区間なので、 点に収まるはずがありません。
この つは、計算せずに図だけで落とせます。 が より左へ届いていないことが決め手です。
の場合が本番
は です。右端は と共通の なので、比べるのは左端だけになります。
が に含まれるとは、 の左端 が の中にあるということ。 の左端は なので、 が 以下であればよい。
これが という前提とも矛盾しません。前提のほうが緩いので、そのまま答えになります。
上の黒い帯が 、下が です。 が左へ動くと が伸び、 を通り過ぎたところで緑に変わります。
が より右にあるあいだは、 の左の部分が からはみ出しています。 がちょうど に重なった瞬間から、 が の中に収まる。
端点の比較だけで決まる
区間が区間に含まれる条件は、端点どうしの比較で書けます。 となるのは、 かつ のとき。
今回は右端がどちらも でそろっているので、 は で自動的に成り立ちます。残るのは左端の 、つまり だけ。
端点が共通だと比較が 本で済みます。共通でない問題では 本とも書きます。
答え
の場合は成り立たず、 の場合に が出ました。合わせて次のようになります。
は答えに入ります。このとき は となり、 とぴったり重なる。
同じ集合どうしでも「含まれる」は成り立ちます。はみ出していなければよいので、一致していても条件を満たす。
確かめる
を代入します。 つ目の不等式は で、 つ目と同じ式になりました。解も同じ です。
なら で、解は 。 の はこの中にすっかり入っています。
なら で、解は 。 の左半分がはみ出すので条件を満たしません。だから範囲から外れています。
なら解は 。 とは端の 点しか重なりません。
逆向きに問われたら
同じ 式で「 つ目の解が つ目の解に含まれる」と問われることもあります。今度は です。
なら で、 の右端 を越えてしまいます。 が要りますが前提と矛盾するのでなし。
なら は の 点で、 の中にあります。条件を満たす。
なら で、左端が の左端 より右にあればよい。 です。
包む側と包まれる側を入れ替えると、答えがまったく変わります。 と で、重なるのは の 点だけ。
が を覆えるだけ広い必要があります。 を広げる向きへ を動かすので、答えは 。
が からはみ出さない程度に狭い必要があります。答えは になります。
問題文の「〜の解が〜の解に含まれる」という語順を、そのまま数直線の上下に写す。読み違えると答えが逆の側へ飛びます。
集合と命題の言葉に直す
は、 が に入れば必ず にも入る、ということです。命題の言葉では次のようになります。
このとき「 は であるための十分条件」、逆に「 は であるための必要条件」と呼びます。
範囲が狭いほうが十分条件、広いほうが必要条件です。「狭いほうから広いほうへ矢印が向く」と覚えると、包含の向きと結びつきます。
問題文が「 であるための十分条件となる の範囲」と書いてあれば、包含の問題に読み替えられます。逆に「必要条件」なら向きが反対になる。
類題
の解が の解に含まれる の範囲を求めよ。
つ目は です。 つ目は と変形できます。
幅が で固定された区間が、 とともに平行移動する形です。今度は端点が共通ではないので、比較を 本書きます。
左から 、右から 。合わせて です。
なら で を覆います。 なら でこちらも覆う。 なら で、 の左端 がはみ出します。
幅が固定されているので、動かせる範囲は の幅と の幅の差で決まります。 の余裕があり、それが答えの幅 になっている。
が に含まれるような の範囲はどれですか。











左端は a≤−1、右端は 3≤a+5 より a≥−2 です。合わせて −2≤a≤−1。幅の差が 5−4=1 なので、答えの幅も 1 になります。