x=2+3 のとき、x3+x31 の値は 52 です。x3 を展開していません。
使ったのは x+x1=4 と x⋅x1=1 の 2 つだけ。和と積さえ出せば、あとは組み上げるだけで答えが出ます。
逆数が簡単になる形
x=2+3 の逆数を求めます。分母を有理化するのが早い。
2+31=(2+3)(2−3)2−3=4−32−3=2−3
2+3 の逆数が 2−3 になりました。根号の符号だけが変わる形です[2]。
だから和は 4、積は 1。どちらも根号が消えて、扱いやすい数になります。
対称式という考え方
x と y を入れかえても変わらない式を、対称式といいます。x+y、xy、x2+y2 がその例です。
対称式はすべて、x+y と xy の 2 つだけで書き直せます[1]。この 2 つを基本対称式と呼びます。
x2+y2x3+y3=(x+y)2−2xy=(x+y)3−3xy(x+y)
y=x1 と置けば、x+x1 と x⋅x1=1 が基本対称式。積が 1 なので、式がさらに簡単になります。
canvas: 式は呼び出しにそのまま書いてください。この引数は焼けません -> drawMath(… bldStage[bldIndex][0] …)
例:2 乗の和
x+x1=4 の両辺を 2 乗します。
(x+x1)2=x2+2+x21=16
真ん中の 2 は 2⋅x⋅x1 から出ます。移項して x2+x21=14。
積が 1 なので、引くのはいつも 2。ここが y=x1 の形の便利なところです。
例:3 乗の和
(x+x1)3 を展開します。
x3+3x+x3+x31=64
真ん中の 2 項は 3(x+x1)=12。よって x3+x31=64−12=52。
直接 (2+3)3=26+153 と (2−3)3=26−153 を計算して足しても 52 です。手数は倍ほどかかります。
例:4 乗の和
x2+x21=14 をもう一度 2 乗します。x2 を 1 つの文字と見る形。
(x2+x21)2=x4+2+x41=196
x4+x41=194。次数を倍にするたびに、2 を引くだけで進みます。
例:差は対称式ではない
x−x1 は入れかえで符号が変わるので、対称式ではありません。2 乗すれば対称式になります。
(x−x1)2=x2−2+x21=12
よって x−x1=±23。符号は x の大きさから決めます。x>1 なので正で、23。
差を求めるときは、2 乗して符号を最後に決める手順になります。
x=2+3≈3.73 で x1≈0.27。x のほうが大きいので差は正になる。
例:2 つの数が与えられる形
x=3+2、y=3−2 とします。和と積を先に出します。
x+y=23、xy=3−2=1。積がまた 1 になりました。
x2+y2x3+y3=(23)2−2=10=(23)3−3⋅23=243−63=183
x2+y2 では根号が消え、x3+y3 では残る。次数が奇数か偶数かで、根号の残り方が変わります。
例:分母に根号がある形
x=5−21 から始めます。まず有理化して x=5+2。
逆数は 5+21=5−2 なので、和は 25、積は 1。
x2+x21=(25)2−2=18
分母に根号があるうちは和も積も見えません。有理化を先に済ませるのが手順です。
| x | x+x1 | x2+x21 | | 2+3 | 4 | 14 |
| 5+2 | 25 | 18 |
| 3+2 | 23 | 10 |
x=3+22 のとき、x+x1 の値はどれですか。
__RESULT__
(3+22)(3−22)=9−8=1 なので、逆数は 3−22。足すと 6 になります。
和と積を先に出し、あとは基本対称式で組み上げる。根号の入った式でも、この順番なら展開せずに済みます。
参考文献
$x = 2+\sqrt{3}$ のとき $x^3 + \frac{1}{x^3}$ は $52$ です。$x^3$ を展開してはいません。逆数が $2-\sqrt{3}$ になるので、和は $4$、積は $1$。この 2 つから $x^2+\frac{1}{x^2}=14$、$x^3+\frac{1}{x^3}=52$、$x^4+\frac{1}{x^4}=194$ と、次数を上げながら組み上がります。差は入れかえで符号が変わるので対称式ではなく、2 乗してから符号を決める。$\sqrt{3}+\sqrt{2}$ と $\sqrt{3}-\sqrt{2}$ の組、分母に根号がある形からの始め方まで扱いました。
(3+22)(3−22)=9−8=1 なので、逆数は 3−22。足すと 6 になります。