ルート 2 が分数で書けないのはなぜ?背理法で示す無理数の証明
を、分数で正確に書き表すことはできません。 も も、近いだけです[1]。
「まだ見つかっていない」ではなく「存在しない」。分数で書けたと仮定すると矛盾が出る、という形で示します。
有理数と無理数
整数の比 で書ける実数を有理数、書けない実数を無理数といいます[2]。
も も有理数。整数も小数も、比の形になれば有理数です。
がそこに入らないことを示すのが、この記事の目標になります。
背理法の骨組み
と書けたとします。ここで と は整数で、これ以上約分できない形にしておく。
両辺を 2 乗すると 、つまり です。
が偶数なので も偶数。奇数を 2 乗しても奇数にしかならないためです。
と置くと で、。同じ理屈で も偶数になります。
どこで矛盾になるか
も も偶数なら、 はまだ で約分できます。約分できない形に置いたはずでした。
仮定が誤っていたことになります。よって は分数で書けません[3]。
約分の条件を置かない書き方もあります。その場合は「 で割り続けられる」という形になり、正の整数が無限に小さくなる矛盾を使います。
例:ルート 3 でも同じ筋道
(既約)と置くと 。 が の倍数です。
は素数なので、 も の倍数になります。 と置くと で、。
も の倍数となり、既約に反しました。 も無理数です。
例:ルート 4 では通らない
同じ手順を で試すと、途中で止まります。 から が出るだけ。
が の倍数だと分かっても、 が の倍数だとは言えません。 が反例です。
効いていたのは「 が素数のとき、 が を割るなら も割る」という性質でした。 は素数ではないので使えません。
が素数でないと、 から が言えません。
は成り立つが は成り立たない。証明の要はここにある。
平方数でなければ無理数
一般に、 が平方数でない自然数なら は無理数です。
の素因数分解に、指数が奇数の素数 が必ず含まれます。その について、上と同じ議論が通る。
、、 はどれも無理数。 や だけが整数になります。
例:ルート 2 とルート 3 の和
も無理数です。これが有理数 だと仮定します。
2 乗すると なので、。右辺は有理数どうしの計算なので有理数です。
ところが は平方数ではないので は無理数。矛盾しました。
近似する分数
無理数でも、分数でいくらでも近づけられます。 の近似分数を精度の順に並べます[1]。

で、小数第 5 位まで合っています。それでも一致はしません。
無理数の小数表示は、終わりもせず、くり返しもしません[2]。 の桁は と、規則なく続きます。
検算のしかた
証明の各段を、具体的な数で試します。 が奇数なら も奇数。、 で確かめられます。
で証明が止まる点も見ておきます。止まらなければ、素数を使っていない証明になっている。
近似分数は 2 乗して確かめます。 で、 より だけ大きい。
が無理数であることの証明で、 が偶数から が偶数を導く根拠はどれですか。
- 偶数の 2 乗は偶数だから
- 奇数を 2 乗しても奇数にしかならないから
- と が互いに素だから
分数で書けたと置き、既約という条件にぶつける。証明はこの一手で、あとは計算が続くだけです。















a が奇数なら a2 も奇数になります。a2 が偶数である以上、a は奇数ではありえません。