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2 乗すると解が増える〜ルートを含む方程式の解き方と検算

の両辺を 2 乗すると、 と が出ます。正しいのは だけです。

を戻すと左辺は 、右辺は 。一致しません。2 乗した時点で、もとの方程式にない解が紛れ込んでいます[1]。

2 乗は同値変形ではない

なら は正しい。逆は成り立ちません。 からは と の両方が出ます。

だから 2 乗して解いた結果は、もとの方程式の解の候補にすぎない。必要条件を集めた形です。

根号の側は 以上と決まっているのに、2 乗すると符号の情報が消えます。ここが増える理由[1]。

左のグラフで交わるのは 1 か所だけ。右では 2 か所になり、増えたほうが です。

解く手順

2 乗して出た候補を、必ずもとの式に戻して確かめます。ここまでが解答の一部[1]。

根号の中が 0 以上という条件を書く

両辺を 2 乗して解く

出た候補をもとの式に戻す

右辺の符号を先に見ておく手もあります。 なら左辺が 以上なので、 が必要です。

例:右辺が文字だけ

を解きます。根号の中から 、左辺が 以上だから 。

2 乗して 、、。候補は と 。

から は落ちます。 を戻すと で成り立つ。答えは です。

例:係数が付く場合

です。条件は と 。

2 乗して 、、。候補は と 。

だけが残ります。 で確かめられました。

例:右辺が 1 次式

を解きます。右辺が 以上でなければならないので 。

2 乗すると 、整理して 。 から候補は と 。

より は落ちます。 では 、右辺も 。答えは 。

右辺が文字を含むときは、右辺が 0 以上という条件を先に書きます。

なら 。これを落とすと を答えに入れてしまう。

例:根号が 2 つある場合

を解きます。根号が 2 つあるので、1 つずつ処理します。

片方を移項してから 2 乗する。残った根号を、もう一度 2 乗して消します。

canvas: 式は呼び出しにそのまま書いてください。この引数は焼けません -> drawMath(… twoLine[twoIndex][0] …)

を戻すと 。成り立ちました。

根号の中の条件は と で、合わせて 。 はこれをみたします。

例:解が 1 つもない場合

を考えます。根号の中から 、右辺が 以上だから 。

この 2 つを同時にみたす はありません。2 乗する前に、解なしと分かります。

2 乗して進めると が出て、判別式が負。こちらでも解なしですが、条件から先に見たほうが速い。

方程式候補答え
、
、
、

の解はどれですか。

  • 、
  • 解なし
__RESULT__

2 乗して 、 から候補は と 。左辺が 以上なので が必要で、 は落ちます。 では が成り立ちます。

つまずきやすいところ

2 乗して出た候補を、そのまま全部答えにする。戻して確かめます。
根号の中が 以上という条件を書かない。定義域が抜けます。
右辺が文字を含むのに、その符号を確かめない。負なら解になりません。
根号が 2 つあるときに、いきなり両辺を 2 乗する。根号が残ります。
1 回目の 2 乗で を とする。真ん中の項が抜けています。
条件をみたさない候補を「無縁解」と書かずに黙って消す。理由を書きます。
解なしの場合に、判別式だけで済ませる。条件から矛盾が出ることも示せます。

2 乗して候補を出し、条件と代入でふるいにかける。この 2 段構えが、根号を含む方程式の解き方です。

参考文献

Extraneous and missing solutions - Wikipedia
$\sqrt{x+2} = x$ を 2 乗すると $x=2$ と $x=-1$ が出ますが、正しいのは $x=2$ だけです。$a=b$ から $a^2=b^2$ は言えても、逆は言えない。2 乗した時点で符号の情報が消えるので、出た値は候補にすぎません。グラフで見ると、2 乗する前は交点が 1 つ、あとは 2 つになります。根号の中が $0$ 以上という条件、右辺が文字なら符号も確かめること、$\sqrt{x}+\sqrt{x-5}=5$ のように 2 回に分けて 2 乗する形、条件から先に解なしと分かる例まで扱いました。